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認知的不協和理論とキャリア上の意思決定と習慣化

キャリア上の意思決定で迷うことは多々あるのだが、後から振り返ったときになぜ冷静にすべての選択肢を明確にし、フラットに判断できなかったのだろうと感じることがままある。

そういう時の心理的なバイアスを体系的に説明してくれる『認知的不協和理論』という概念に最近触れたので、これについて解説していこうと思う。

この概念を理解できれば、正しい意思決定や習慣化などあらゆることに役立てることができると思う。

認知的不協和理論とは何か?

これは心理学で提唱されているもので、自分の考えと行動が矛盾したときに感じる不安を解消するため、考えを変更することにより行動を「正当化」する現象を説明した理論である。

そもそも人間は、自分の行動と考えに矛盾があると不快感を覚えるものであり、この不快感を心理学では「認知的不協和」と呼ぶらしい。

そういった不快感に向き合ったとき、本来であれば行動を変えるべきであるが、行動を変えることは難易度が高いことが多く、無理やり考えを変更することにより、矛盾してなかったことにするという心理的なバイアスを説明しているのだ。


例えば、喫煙者の大半は「健康被害があるから、たばこはやめるべきだ」という認識を持っている。

しかし、"やめるべきという認識"と"やめられていない行動"には矛盾があり、不快感を感じる。

だから、「たばこはストレス解消に必要なものである」という認識を改めることによって、矛盾を解消し行動を正当化するのである。


この理論を理解してから普段の行動や認識を見つめなおすと、本当に常にこういったバイアスが働いていることを実感する。

このバイアスは時には非常に危険であると僕は考えていて、放っておくと言い訳ばかりで自分を律することができず本能のまま生きる人間になってしまいそうである。

逆にこのバイアスからは逃れられないと認識を持っていることで、冷静に行動を選択できたり意思決定することができると思う。

認知的不協和理論とキャリア上の意思決定

キャリアや人生の意思決定においても、このバイアスはガンガン冷静さを乱してくると僕は思っている。


例えば、苦労して高い倍率を突破し、入社した会社があるとする。

元々、社会や労働環境に求めているものは「自分らしく輝けること」だったり「常にわくわくできること」だったりする。今の会社に入社した理由も当然これらが叶うと確信できたからであったとする。

しかし、入社してみると元々求めているものは手に入らず、想像していたものと全く違ったとする。

ここで、”自分が会社に求めたいたもの”と”実際に会社でやっていること”に矛盾があり、不快感を感じる。

正直ここまでは、大小あれどほぼ全員が持つ感情なんじゃないかとすら思う。(社会はそんなに甘くないということでしょうか。。w)

重要なのは、この時、この現象をどう認識しどう行動できるかだと思う。

認知的不協和理論からすると、多くの場合、人はこの時に”認識”の方を改めてしまう。(本来的には”行動”を改めるべき…!)

例えば、「給料が良いから」「ホワイトだから」「人がいいから」など社会に求めているものの認識を改めることで、今の会社にいることや会社内での業務を正当化するのである。

さらに良くないことには、認知的不協和の先の不快感を人間は本能的に知っているので、当初自分が求めていた「自分らしく働ける」や「常にわくわくしている」を体現している他者を見ると、「あの人は給料が低いから」や「プライベートを犠牲にしてるから」など自分の中での矛盾が起きないように攻撃すらしてしまう。

「隣の芝生は青く見える」ということわざはあるが、ここでは「隣の芝が青いはずがない。自分の芝が最も青いに決まっている。」と考えてしまったりするのである。

本来的には、まず”認知”(もともと社会に求めていたもの)と”行動”(今自分がやっていること)に矛盾があることを認め、なぜそうなのかを冷静に分析し、自分の行動を変えることにより、”認知”の達成を目指すべきである。

ちなみに、これは転職を推奨しているとかそういう話ではない。転職しても、「転職先に求めていたもの」と「転職先での仕事」に矛盾があれば認知的不協和はしっかり発生するので。

あくまでも、そういったバイアスが人間には働いていることを知ろう。その上で、意思決定や行動を起こすべきだという考えである。

認知的不協和と習慣化

逆にこの認知的不協和の原理を理解していると、習慣化などに活かすことができると僕は考えている。


例えば、読書の習慣をつけたかったとする。

その時に、「読書はすべきである」「読書は人生を豊かにするのである」という認識を先に作ってしまうのである。

方法としては、後輩や友達に”いかに読書が大切で素晴らしいか”を語ってみるなどが良いのではないかと思う。

この認識を作ってしまうと、読書をしていない自分に不快感を覚える(認知的不協和)ので、読書をしようとなるはずである。

認識先行で不快感を意図的に作ることで、行動を後付けで叶えるということである。中々ストレスフルでマッチョなやり方な気もするが、本当に習慣化したいなら有効な手ではあると思う。

世の中の「ビックマウス」「有言実行」「言葉にすることが大事」などはこの作用をどこか重要視している人たちの発言なんだろうとは思う。


最後に、僕が今習慣化したいと思っていることの認識を作ってみる。
noteを週1とかで発信することは超大事!アウトプットを習慣づけることでインプットの質も変わる!長い目線で見たときに大きく人生を変える!w

#はたらくってなんだろう #習慣にしていること


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