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小説_聖徳をまとう

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ミステリー風味のオリジナル連載小説です。 タイトル/ 聖徳をまとう あらすじ/ 出来心から娼婦ユミの跡をつけた私だったが、不注意がきっかけでそのストーカーじみた行為はユミ本人に知… もっと読む
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記事一覧

聖徳をまとう_四/いもこさん(2)

  ◇  小野妹子は聖徳太子と同じ飛鳥時代を生きた官人である。推古天皇の時代、大使に選ば…

シュシュ
3週間前
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聖徳をまとう_四/いもこさん(1)

  ◇  音の無い漆黒の世界。海の底で深海魚を見上げる夢を見た。身をくねらせて泳ぐうつぼ…

シュシュ
1か月前
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聖徳をまとう_三/地を這う(2)

  ◇  交わした約束はまもなく果たされた。  カウンセリングの二日後、私は再び空に近い…

シュシュ
1か月前
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聖徳をまとう_三/地を這う(1)

  ◇  四肢の関節の痛みに耐えかねて目が覚めた。頭上から差し込む薄明かりが二日酔いの脳…

シュシュ
1か月前
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聖徳をまとう_二/故郷にて(4)

  ◇  太子町に飲食店は少ない。叡福寺で私をピックアップした横谷姉弟はそのまま車を隣町…

シュシュ
2か月前
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聖徳をまとう_二/故郷にて(3)

  ◇  叡福寺は、推古天皇の時代、聖徳太子の母である間人大后の御廟に太子とその妻の大郎…

シュシュ
2か月前
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聖徳をまとう_二/故郷にて(2)

  ◇  矢も楯もたまらず、惹かれるように向かった先は八城邸だった。インターフォンの付いた豪奢な門柱を目の端に捉え、それから、邸を囲う白いモルタル壁に私は背をもたせかけた。  首をひねり斜め後方を見上げると、キューブ型デザイナーズハウスの屋上テラスが蒼天を四角く切り取っていた。白亜の豪邸だ。天頂から降り注ぐ陽光は強く、佇立する私の脳天をジリジリと焼いている。  河下美月は「ここ」にはいなかった。それどころか一年半前には事故で命を落としている。ここまでは自分で調べたことだ

聖徳をまとう_二/故郷にて(1)

  ◇  好奇心は猫をも殺すというが、まずもって、好奇心は時に人を動かす原動力となる。抗…

シュシュ
2か月前
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聖徳をまとう_一/ストーカー(3)

  ◇  地元で顔の広い、旧友と呼べる存在は田辺雄平だけだった。帰郷しても連絡を寄越して…

シュシュ
2か月前
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聖徳をまとう_一/ストーカー(2)

  ◇  その日の己の醜態を気にしていなかったわけではない。  時折は、思い出したかのよ…

シュシュ
2か月前
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聖徳をまとう_一/ストーカー(1)

  ◇  仕事をやめて地元に帰ることにした。  早朝、引っ越し業者に少ない荷物を預け、地…

シュシュ
2か月前
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