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20231211「影踏みの淡い」

影踏んで
どこに向かうの
わたしのそれは
日光を背中にして
何度も越えようとする
ひかりの方を向いて歩けば
わたしの輪郭がどうなのか
それが解らない
解らないままに進めば
誰かが言ってくれる
それは違うよ
そっちではないよ
って何度も聞いて
それは本当のことなのか
誰も示すことができないのなら
言い訳を許して
勝手にくたばって
その辺に捨てておこう
はて曇りの日には何しよう

曇天から暗がりへと
陰影は更に加速する
黒さの幅に名前をつけて
とりどりの黒を命名して
その俄を取り入れよう
陰さえも呼んだら
さぞかし騒がしさまでも
範疇に入れて
濃淡の隙間で遊んでおこう
朝日が昇る前
夕日が落ちた後
眠たげな太陽は
目醒めたばかりの月と
遠くの星たちを横目にして
強い黒さを与えてくれる
背景の仕業
抽出の練磨
輪郭を与え
存在を前後させる

もう忘れたかしら
自分が自分である不思議さを
あなたでもよかったけれど
わたしじゃないのなら
それらしい姿形で
いられるとして
数年経てば違う風貌で
その辺で立っている
誰かと似ているような眼差しで
人違いの連続性を
各々が違いを纏って
着衣する黒の濃淡
紛らしつつひかりを浮き立たせ
あなたがあなたであるように
わたしにも担がせて
輪転の代わり番こで
あなたらしさを見逃している
よくもあり遮られていても
そこに居るなら誰かが気づくだろう

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