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20231130「りんごの木」

リンゴリンゴ
もう季節は過ぎたか
まだ甘味を持ってるか
手を伸ばした先に
それがあるなら
掴もうと背伸びをして
届かないのに
あれこれの策練
落ちたそれを齧ったら
さぞかし美味いか苦いのか
いつも光る板を眺めて
何かしら叩いていたら
お零れがあるかもしれない
空から降ってきたような
ぼたもち或いは半殺し
若しくはは皆殺し
甘さを称え
歯形のギザギザを
そこここに跡を残す

倫語を誦じ
導く方へととぼとぼと
歩いていたはずなのに
そこがどこかはわかっていない
教えられるまま
我がままな欲望などなど
ドナドナの道すがらに
横目を見ながら
変わり行く光景を後にして
さよならを言いつつ
やあと手を振る
歩き疲れて大木の根元に座り
葉っぱが落ちてくるのを待っている
はらはらと揺れながら
或いは真っ直ぐに
言の葉を言い忘れて
捉えられないままに
その手の範疇で
おおとかああとかを口にする

乗せられた車輪の再発明
トコトコ揺られ
揺籠には四角の車輪
言葉にならないそれらを
言い包めては
押し黙りつつ
発語の再開を願っている
誰の何に願うのかは
よく知らない
自分に聞いても
届くのは明日か明後日
遠いわたしを廻っての
巡回航路
運賃を喜捨しては
高い塔が乱立し
谷間の合間に
誰かの声を届かせるだろう
聞こえない風に任せて
眼差しは鋭さを増す

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