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20231221「キリンを焼いて」

キリンを焼いて
いい感じに色づいたら
ひっくり返し
また焼いて
焦げ目をつけたら
それをいただく
もちろん首からだが
足でもいい
どれもこれも
食べられないのに
食べてしまう
あらゆる形を造形して
植物が動物として現れ
わたしの目の前には
動物園らしきお皿の円周上に
重ならないように
そして積み上げては崩し
わたしのお腹に入って行って
それがわたしになっている

出会さないだろう者ものの
ありもしない架空の存在さえも
名前を与えて
それらしい雰囲気で整形し
新しい会話を隣同士で交わしている
どんな言語かわからないが
さぞかし賑わうだろう
うるさいくらいに喧嘩して
そして聞こえもしない
その咆哮
大人しくしていれば
いいものの
落ち着かなさは
いつものこと
まだらな染みの変形した印
もしくは首長の恐竜
刻印されたそれぞれの謂れ
あなたは何を選ぶのだろう
どれもが美味しいがさてどうだか

甘い香りで引き寄せられて
手にしたそれは栄養なのか毒なのか
気の毒に思いもするが
それを感受できないうすのろさで
わたしは選ぶこともできずに焼くばかり
焦げたら焦げたで怒られて
またいちから仕込みを始め
時計を睨む
それぞれの成分をかき混ぜて
ぐるぐると回し
繋がりの連鎖をもって
もう一度繋がれている
かじったお零れを拾い
粉々になった微塵さえ
誰かからの啓示
そんな痣で識別される
配列順序の包囲網
グルテングルテン、キリンが廻る

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