「言葉にできない表現はありますか?」デザイナーとエンジニアに聞いてみる

「お!」「ゴロゴロ」「にこにこ」日本語は擬音語が発展していると言われています。アウトプットを説明するときにどうしても使いたくなる言葉です。しかし、本当に重要なことはこの擬音語に隠れているのでは無いでしょうか?既知の体験を超えた、新しい世界を生み出すための源泉は何なのか。

今回は上司に当たるはずの石渡 / Schooデザインユニットリーダー(写真左)と田沢 / Schooプロダクトオーナー兼エンジニア(写真右)のお二人にお話をお伺いしたいと思います。

タケシタ ソ(以下 ソ) : お二人はSchooでは、ユニットリーダーとプロダクトオーナーでという役職もありつつ、タッグを組んで構想からリリースまで手を動かしてプロダクトをデザインしています。両者とも音楽という共通するキーワードがあります。そこで、音楽が制作に与える影響はありますか?音楽を始めたきっかけとかからスタートしても大丈夫です。

石渡 : 音楽を最初に始めたきっかけは、モテそうだから音楽で表現で決めました。
他にもDJもスケボーも料理も音楽もモテそうだからを理由に始めちゃいましたね。
だから最初はモテそうな音楽を作っていましたね。10代の頃に音楽は始めた頃は、崇高な思想よりもかっこいいとかそういうものに引かれた。他の人とは違うモノに憧れがありました。

タナカユウカ(以下 タナカ) :  好きなアーティストがいて真似したく始める?

石渡 : 中学生の頃は個性を求められる時代背景で、みんな同じではなく他の人とちょっと違うを求められて、その中で外国の音楽を聴くようになって、なので、誰かの影響を受けたというよりも、違うことをしたい一心でしたね。

田沢 : ビジュアル系がルーツMALICE MIZER (ヴィジュアル系ロックバンド) が好きで、彼らの抽象的な世界観を描くのが好き。仕事をしている時も、「ちょっとよしなに」が通じる抽象的な世界観が好き。そんな抽象的な思考回路を彼から学んで、特にインタビューを読んでも何言ってるかわからない時があるんですよね(笑)。たぶん、本人すらも何言ってるかわからないことがあって、無理やりでも抽象的な思考と結びついて考える癖が見についたと思います。

石渡 : 単純なものも良いけど、思考を凝らした得体の知らないもので出会うことで、普通の中学生では語れない世界観を持っていた。なにそれみたいなね。

田沢 : MALICE MIZER僕が表現するときの姿勢は彼らから学んだところがあります。MALICE MIZERはツインギターのロックバンドで技術力もあるし楽曲構成力もやばい、実力派でツインギターのバンドなのに、ギターはいらないと言って踊っている曲もあるくらい。彼らの楽曲や技術は表現するための手法でしかなくて、表現したいことのために彼らは存在している。それができる5人で集まっているバンドは他にはない。

石渡 : 別にギターできるから、組んでいるわけではないんですね。

田沢 : 作るときはその姿勢をめっちゃくちゃに参考にしてます。

: 想像力が発揮できる世界に憧れがあるのですね。

垣根を超えるジャンプする発想で

: では、開発の過程でその想像力を発揮していることはありますか?UIを考えるときはやってますね。

石渡 : かなり近いことはUI考えるときに意図してますね。普通にデザインすると、ただユーザービリティーの良いものが生まれてくる。そうすると、新しいと思えるような体験が出てこない。例えばポケモンGOだと、家に引きこもる人に対してゲームを考えると、外に出る要素を組み合わせようとは思えない。リスクも多い。しかし、その垣根を越えないと本質的なUXには到達できない。

田沢 : クリエティブディレクターの佐藤雅彦さんがジャンプする発想ということを言っていて、何か生み出す時はジャンプしようとしないと、垣根を越えたと思える発想は生まれてこない。だから、無理やりジャンプしようとするし、何度もチャレンジしてようやく到達する。

石渡 : iPhoneが出たときに、ボタンを無くすことも相当奇想天外な発想だった。当時といえばブラックベリーなどが主流で物理ボタンが当たり前のように使われていた。テレビのリモコンのみたいなのが。ボタンがある状態からいざボタンが無くなった時に、電池なくなったらどうしたら良いかとか、リスクを考えると多くの人がチャレンジできなかった。それをやってしまったのがiPhone。今みるとホームボタンのあるスマホに違和感を覚える。ボタンついてるのか(笑)みたいな。液晶で良いじゃんみたいな。その感覚がスタンダートになっている。少しいかれたと思える発想をできる人が重要なプロダクトを作りだせる。

タナカ : iPhoneが最初出た時の一般的な反応ってどうでしたっけ?

石渡 : 最初の3Gが出た時は批判的な意見が非常が多かった。Ipodと分けて使いたいとか、なんで電話?みたいな意見も多かった。

タナカ : ディスプレイに指紋が付くとか、画面が触ることが当時受け入れられていなかったり、画面が割れたらと言う意見をよく聞きましたね。

石渡 : 実際は今だに割れているんですけど。

タナカ : 課題は解決していないですね。

: もしかしたら10年後に振り返った時にディスプレイの今の形になったのは間違っていた。実は開発を遅らせていたって言われてしまうこともあり得る。

石渡 : ジャンプし具合で言うと、タッチパネルは国内でも、ゼロックスの例など流通はしていた。ただし、アップルが作ることで普及はしたけど、モニター以外が発展した世界がどんなものか想像すると楽しいですね。

石渡 :音楽の世界についてだと、ジェフ・ミルズ(テクノミュージシャン)のインタビューを聞いて、音楽は未来的なことをしていない。逆のアプローチをししていない。それは良いことでもあって、古いことを何度も今の形にしている。

:音楽の歴史から時代を超えて参照し合う、つまりジャンプして、音楽の歴史が接続されていく。的な。

石渡 : 音楽のルーツを探ると、音に関することもあるけど、中世に活躍したバッハ(音楽家)のように王宮の貴族のためのものだった。それが革命が起きて音楽という娯楽が市民に解放されて行った。高価な楽器は使えなかったのでポピュラーな楽器を使うようになったり、技術的な背景も組み合わせれて音楽は大衆化、進化して行った。音楽が大衆化して行ったのはここ300年くらいで、大衆芸術になった。ジェフ・ミルズが言っていることもここ最近の話、5-60年で、ジャズからダンスミュージックへという流れ、次のテクノロージによってどう変化していくのか、クラシックが組み合わさって新しいジャンルを切り開くとか。

:技術もそうですが、どんな課題意識が共有されていて、どこにジャンプして行くのか。新しいことは過去との対比から見えてくる。その時に、今と昔の時代背景と生まれたアウトプットがどんな関係を結んでいるのかも大切ですね。

依存症から学びに変えるには

: SNSで見かけたのですが、パチンコ屋の地域交流の施策で、老人などにパチンコ屋を無料提供する試みがあった。それは、老人たちをギャンブル中毒にする危険性を孕んでいて。良い試みとは言えないというものでした。

田沢 : IT・web系だと、ソーシャルゲームが似たような状況で、それを良いUXだと言われたりする。

石渡 : ログインボーナス、ガチャ、課金…

タナカ : 一日一回単発でガチャが無料になったりする。一度良いものを引くと癖になりますね。

石渡 : ソシャゲは一般的には人の可処分時間を奪っていく。有意義に使える時間を奪われていると社会学的に出ているし、それでも結果を見るとゲームを楽しんでいる人もいる。と考えると生み出しいなくても悪とも言い切れない。

: ( 思い出したようにガチャを回す )

田沢 : パチンコでも本人は楽しいけど、時間とお金を搾取している。僕がSchooで働いて思うことがあって、思いっきり頭を働かせるには、合理的ではない部分で感情を揺さぶって、ユーザーに動きを施すようにしている。それは教育サービスだと心置き無く人を揺さぶれる。仮にソシャゲや投げ銭サービスを作っていたら、そこで感情を揺さぶるような思考にはならないし、いろんなブレーキをかけてしまいますね。

石渡 : 中毒性を生みだせたらイノベーションに繋がって行くかもしれない。社内の人にいつソシャゲをやるのか話したら、やる気がない時にプレイしたり、どこか闇を抱えた時にプレイしている。不貞腐れた時とか考えたくない時とかでした。

田沢 : 僕も三国志のソシャゲをやっていて、「殿」って通知がくる。「殿」て呼ばれる。

タナカ : 殿もそうだし、物語の設定をユーザーまで巻き込んで、作れるのは強いですね。「プロデユーサーさん」とか言われると感情移入してしまう。「プロデューサーさん今日も遅くまでお疲れ様です」とか。深夜だと「こんな遅い時間まで働いてるんですかー?」とかぐっとくる

田沢 : ユーザーのことをなんて呼ぶかは重要ですね。

タナカ : ユーザーとのコミュニケーショが没入感を生むのですね。普段の自分とは違う呼ばれ方をすると面白い。Schooでは、受講生の皆様と呼んでいます。そこがもっと、ユーザーとコミュニケーションを取れる方向に持っていきたいですね。

: 先生とか

石渡 : みんなが先生か

タナカ : みんなで教えあってる思想を引き継いで先生ということですね今は学校だから受講している。なので受講生

田沢 : 以前のSchooは学校というメタファーが強くてその流れを引き継いでいますね。

石渡 : 学生代表とか。学校からきていました。ここら辺はコミュニティーデザイン的な話ですね。どんな位置づけにするのか、リアル学校だとなんと呼ばれているのか?生徒とか、部活だと部員、選手。

田沢 : 先輩社員から、選手とか呼ばれるとウエイウエイしてみえません?田沢選手最近どうでうすか?とか(笑)

タナカ : ソシャゲの継続率、依存からSchooのビジョンである世の中から卒業をなくす = 学びの継続率をのヒントになりますか?

: 依存と習慣とに分けて見ると、タバコやパチンコのように依存症と呼ばれるものではなく、水を飲むとかコーヒーを飲むと言った、依存ではない状態がいいですね。

石渡 : インフラのようなものですね  

タナカ : ソシャゲをやるのとSchooを2,3時間やるとのでは、印象が違って勉強をやっていてすごいねって正当化できる。

: 勉強に近いところだと、本を読むことを習慣化したら読まなないと落ち着かないときがある。読むことである種の安心感を覚えていたことがあって、それは依存しているような状態だった。

田沢 : 依存しているものに、手を出す瞬間があって、それをやった時の自分を想像するからであって、当時は甘いものをよく食べてたけど、甘いものを食べた時の幸福感を想像して買っていた。でも想像することを辞めて考えないようにしてからは、ピタリと買わなくなりましたね。

タナカ : あの時感じた思い出を再生産させたいということですね

:  地元に残る人にその傾向を感じますね。マイルドヤンキーとか

石渡 :  地元に戻ると何年前だって話をいつまでも引っ張ってくる。それを毎年のように繰り返す。

: それが嫌で一生地元に帰れないでいます(笑)

石渡 : 学生時代の価値に依存していることがすごいですよね。未だに学生のことを思い出せるならSchooの格好のユーザーという視点も(笑)

: 学習の難しさは、学ぶことは今馴染んでいる場の空気や価値観から離れて、違う価値観を見つけに行くことだから、変化を望まない人にとってはできない行為。「お前勉強してるのか」というのは、その場から出る行為だから矛盾してくる。上手に空気を読める人なら溶け込んでいけるけど、そうでもない。ある意味Schooのサービスでもそういう側面もある。私の地元の宮崎県でも、限界集落で事件が起った。限界集落とか外の世界と出会いにくい人に届けたいサービスでもあります。

楽器を弾くこととUIに触れること

田沢 : 楽器とかって、(店内にあるケチャップの容器を指して)こういう形しているじゃないですか?くびれのような形。例えばピアノを引いている男性が美しく見えるのは、ピアノが女性のような曲線美を持っていて、男性が女性を愛撫しているように見えるからと言われてます。

石渡 : グランドピアノとか美しく見えますね

田中 : ギター、バイオリン、チェロなど、楽器は曲線的ですよね

石渡 : たまに四角いのとか、特殊な形のギターがありますね。
アルフィーとか羽のが生えてきたり、女性が彫刻されている楽器もありますね。

音楽とはUXの関係は?

田沢 :  僕にとってUI/UXを考えるのは、壮大な照れ隠しだと思っている。音楽が好きで、音楽で表現するのは、恥ずかしくない。要は、正当化できる。繊細な感じとか、対して、UI/UXは心置き無く照れ隠してして表現できます。そういうロマンティックな要素をその内部へ取り込むことができることに可能性を感じています。

写真はタナカユウカが撮影

Schooアドベントカレンダーより


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タケシタ ソ

竹下 想 美術家/デザイナー 芸術活動は「死から不死へ」をテーマ/ 芸術写真の実践の場 「Plot」主宰 / 株式会社Schooのデザイナー アートディレクションなど試行錯誤中…つづく。1989年宮崎生まれ http://sotakeshita.com/

デザインで試したことノート

デザイナー個人としても、デザインチームとして未熟。思考を構造化するために試したことをまとめるノート(超不定期)
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