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【カルダモンの魅力】を【クッキーの形】として最大限に引き出す【美味しい設計図】というレシピ。

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簡単に言いますと

焼き菓子屋そぼくな。で実際にお出ししていた、

#カルダモンクッキー 。のレシピです。

(↑このページの下に店や菓子のレビューもありますので参考にして見て下さい)


【初めに】菓子屋が実際に売り物にしている菓子のレシピを余すことなく無料で綴る訳。

レシピらしいHOW TO でも実際の数字を使ってお伝えしますが


食べ手 にも読んで欲しい内容となります。


何が入っていて、

そして

どんな思考で【一つのおいしい舞台という】菓子が焼きあがっていくのか?を食べ手視点で見て頂けたら

きっとさらに菓子をお召し上がりいただくひと時が。

より幸せで充実したおいしい時間になる事、間違いない!と感じたので記載していきたく思います^^


そぼくな。の焼き菓子に対する考えや、

その関わってくれる素材達に対しての考えを

そぼくにお届けしていきたい。

そんな想いでレシピという名の思考(試行、志向とも言える)を綴ります。


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何故カルダモンなのか?

ミルキィーな無塩バターと。

粉と卵、きび糖。達が

混ざり合いクッキーという形が生まれる。


ザク、の後のふんわり。な食感の間に

バターのミルキィさと

カルダモンの芳香で爽やかな香りが入り込む。


カルダモン、、別名スパイスの女王。

その名の通りのバニラと同等の高貴なスパイス。

華やかで落ち着きのあるこの香りは、本当に食べ手を癒してくれるのです。



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日本ではバニラよりもあまり知られていないカルダモン。

けれど、この魅惑な癒しの香りを知らない人は人生損している!と思っているくらい

美味しくこれからの時代も生き抜いて欲しいスパイスで。

このカルダモンを、焼き菓子屋そぼくな。らしく

カルダモンの魅力を活かして焼き菓子としてお届けしたく思ったのが

このカルダモンクッキーの始まりです。

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カルダモンの効能は本当にたくさんあって、

香りで五感を癒してくれるだけではなく、身体にもいい影響がたくさん実証されています。

消化器官不調の改善。

腸内環境を良くする。

お口の消臭効果。

香による精神安定剤。

発汗作用、、、、などなど。

って、私は効能云云かんぬんだけで菓子を焼き、伝えたいのではない。のでその効能に関して気になった方はググっていただいたらたーくさん!出てくるので見てみて下さい^^

カルダモンを伝えたいけれど

カルダモンをそのまま伝えるのであれば。

材料屋さんを職にするべきで。


私は焼き菓子屋そぼくな。として、

そぼくな。のエッセンスを加えて菓子をお届けすることが本業だと思っているのであまり効能には触れません。


ただ、一番気に入っているカルダモンの効能があります。

そぼくな。らしさをお届けできるなぁ。と。

それは

季節によって効能を変える性質があるという事。

どう言う事かと言いますと、

暑い日には汗が蒸発するときに熱を奪って体温を下げてくれる。

寒い日には結構を良くし身体を温めてくれる。

季節によって人への寄り添い方を一番いい状態に変えてくれる、

そんな、なんとも優しい寄り添い方が好きなんです。

あのカルダモンの香りの寄り添う優しさと言い、、

大好きなヤツです。


そしてそれは

焼き菓子屋そぼくな。がお届けしたい、

そぼくな。に関わってくれる全ての人に向けて。

焼き菓子で人生を彩るという目標を

このカルダモンの魅力をお伝えすることで成し遂げることがきるなぁ!と思うのです。


焼き菓子屋そぼくな。は菓子屋らしく。

カルダモンの魅力の引き立たせ方、

そしてその考えから出来上がっていく、カルダモンクッキーという菓子を

レシピという思考(試行、志向)に載せて。

菓子を焼くのとは違う表現で。

このnoteに記載していきます。

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カルダモンに絞り出しクッキーを選んだ理由は

ヒラヒラとした可愛く華やかな見た目はカルダモンの高貴さを際立たせ。

噛んだ時に出来上がる食感の凹凸はカルダモンの香りが際立つから。

この搾り方(ロザス(薔薇の意)と言います)しかない!と考えています^^

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小さなクッキーの中でも。

外側は、しっかり焼き切り

バターと小麦がしっかりと焼けた香ばしい香りと

ザクぼろっとリズムが楽しい味わいを演出し

内側は、しっかり焼き切らず(もちろん中まで火は通すけれど)

豊かなカルダモンの香りを思いっきり!ふんわり広げるよう焼く。


この凹凸だからこそ生まれるカルダモンの香りのテンポとクッキーの食感のリズムは本当に楽しく。

心を美味しいで充満させる。

一つの美味しい音楽を奏でている。


そんな考えをゴールとして設計しました、

まずは、カルダモンクッキーの美味しい設計の枠組みになる、素材達の紹介です。^^

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【星口金8-10を使用 直径4cm 16個分】

左から時計周りに、、

●よつ葉無塩バター 60g 

●きび糖    40g  

●カルダモン粉末  6g

●皮なしアーモンドプードル 30g

●熊本産薄力粉 名月 70g

(写真では粉はアーモンドプードルと共に入っており下になっているので見えません)

●全卵 18g


クッキーの後乗せに

●生くるみ、生アーモンド、生ピーカンナッツ


それでは美味しい舞台を組み立てて行きます^^


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①よつ葉バターを選んだのは

濃厚なまったりとまとう、ミルク感。が

クッキーに焼き上げた後も余韻を奏でてくれるから。

そんなよつ葉バターの固さをゴムベラで緩めていきます。

だいたいマヨネーズの固さよりも少し抵抗力が感じる固さがめっちゃ理想です。

バターが固すぎると他の素材と混ぜり合い辛く

マヨネーズ以上の柔らかさやバターが溶け出してしまうと

クッキーに余計な固さが生まれてしまうのです。

固すぎても

柔わらかすぎても

意図したカルダモンの香りがたんまり香る美味しいクッキーをお届け出来ないのでとても重要な所作です。


“【バター】という演者”の

一番心地よい体調で

舞台を設計してあげることが

舞台監督である作り手の役割です^^


(*春は作る前の3時間前にバターを計り常温に置いておくと難なく緩みます。夏は30~1時間程度、冬は半日~1日ほど。もちろんラップをして置いておきます。)


そんな心地よく緩んだバター

②キビ糖をどーんっと入れ

白砂糖にしないのは鋭い甘さが出てきてしまいカルダモンの香りとバターのミルキーさを弱めてしまうので使いません。対して黒糖だと重みのある甘さで余韻が黒糖になってしまいカルダモンの余韻を残したいクッキーなので使用しません。キビ糖はコクある甘さを出しつつもカルダモンとバターに馴染みその個性を生かしてくれるので選んでいます^^)

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ぐるぐるっと混ぜる。

きび糖とバターが混じる様にぐるぐるぐるぐる♪

*たまにボールの周りを、ゴムベラを使い綺麗に生地をとります。

▶生地がボールの周りにについたまま、混ぜる作業を続けていき、次の素材を入れて行くとボールの周りについた素材はそのまま混ざらない状態で置いてけぼりになり、最終的に素材達がバラバラに混ざり合い、素材達が好き勝手に個性を出してしまうのです(T-T)

そうなると【一つの美味しい舞台】が完成せずに『普通においしい』だけで終わってしまう。

それは嫌で。

焼き菓子屋そぼくな。は【食べ手の心に残る】を前提として届けたい。

なのでしっかりと素材達の魅力を生かせるように。例えそれが小さな所作でも大切にして混ぜます。

ただ、混ぜる、じゃない。のです。

どう焼き届けたいか?を軸として作っている時間も考え【おいしい】を組み立てていきます。

しっかりとキビ糖とバターが混ざりあったら

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③溶いておいた全卵を入れる。

ぐるぐるっとしっかり混ぜてあげて~

全卵が生地(バターとキビ糖)に入ったらOKです。

(*1*全卵を入れることで外側はサクっと歯ごたえがあり内側はやわみのある食感を演出するお手伝いをしてくれます。入れなくても作ることはできます。その場合はよりサクっとなります。また焼成前は固さのある生地なので搾り出しクッキーには適していないです)

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ここでもボールの周りを綺麗にしてあげるのを忘れずに。(専門用語ではこの作業を“ゴムベラでハラウ”と言います。)

小さな所作と生地に対する心遣い一つで、

焼きあがったクッキーの表情が面白いほど変わるのです。

子育てや後輩育てと一緒だと思う。

生地にも心がある。表情がある。


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④カルダモンパウダーを入れます。

これまでと同様、ぐるぐるっと混ぜて

生地に万遍なくカルダモンが感じられたらOKです。

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もちろんココでも生地をハラウ事を忘れずに!

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⑤アーモンドプードルと薄力粉を合わせて篩います。

クッキングシートに広げて粉たちを篩います。

*注目ポイント*

*1* 合わせて篩うことで小麦粉、アーモンドプードルが生地内で偏らずに点在してくれるから。

*2* 薄力粉は熊本産名月です。サクッの外側と柔らかい内側のコントラストをこの小麦粉が実現させてくれるので使用しております。

*3*アーモンドプードルを使用するのはクッキーによりコクを出すのと、他の素材達の味わいのつなぎ役になってくれるからです。

*4*篩うザルは目が粗いものを使用します。細かいザルだとアーモンドプードルの油分が余計に出てきてしまいクッキーを食べた際に余韻に脂身が感じるからです。

*5*①篩うのは基本中の基本ですが、粉についている可能性のあるゴミをとり除く事②粉と粉の粒子の間に空気を入れてあげる事。空気を入れてあげることで他の素材と混ざり合わせた時にその空気が類滑油のような役割を果たし混ざりやすくしてくれます。また食感もみっちりとならず歯切れの良い食感となりやすい。

クッキングシートの上で篩うのは、この理由から、より空気を含ませてあげたいからなのです。ボールの上で篩うと粉がボールの横で落ちたりするのを気を付けながら篩うので(めっちゃ大きいボールなら別ですが)思いっきり篩えない。なので空気を含めずらい。また横に落ちた粉を回収する手数が増えるのであまりよろしくない。

⑥粉たちを篩い終えたらクッキングシートを持ち、サーっと生地のボールに入れる。

篩う事で空気をいれた粉たちなので

空気を潰さない意識であまりぎゅっと粉を寄せすぎないようにサッと入れる!

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⑦ホウキで“”ゆっくり“”掃くようなイメージで。

右手でゴムベラを持ち、奥から手前へ。

『イチ、ニッ♪イチ、ニッ♬♪♩』とリズムよく♪(リズム大切)

捏ねないように粉たちを生地に馴染ませていく。(写真参照)

さらに

左手でボールを持ち、

反時計回りにボールを30-45度ずつ回してあげながら。

(ボールのどの部分でも素材達が均一に混ざるので大切な作業)


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*ぐるぐると混ぜると必要以上に【硬いクッキー】になってしまうからぐるぐるは混ぜない。*

【硬く】なりすぎるクッキーは余韻が

カルダモンではなく“硬さ”を印象として残ってしまうので。

他の素材と混ざりつつ。

程よい固さを出しつつ。固くなりすぎない固さにしていきたい。

主役は“カルダモン”の魅力を引き立てるクッキー。そこを忘れずに。

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ぐるぐる混ぜて生地を仕上げるよりはマトマルまで時間がかかります。

またマトマルにつれて生地が重たくなるので力は、いります。

けれども根気よく、

『イチ♪二っ♪』とゴムベラを動かして。おいしい食感をお届けするために。

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ここでも粉が飛び散るので、こまめにボールの周りをハラってあげて^^

『イチ♪二♪イチ♪二ッ♪♬』

粉が生地と混ざり合った合図は、、、

⑧ゴムベラで奥から手前にぐいーーーーーーーーっと生地を押し進める。

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何度かこの作業をやってみて

生地内に粉の塊が発見されなければ

材料達がまとまった合図です^^

(まだ粉が残っているようなら『イチ♪二♪』の作業を繰り返して♪)


⑨搾り袋に生地を入れ絞って行きます。

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せっかく素材達が仲良くまとまった生地。

余すことなく美味しく焼いてあげたい。

しっかりと余すことなく生地を寄せ集め絞っていきます!(写真参照↑)


さて、絞ります♪

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右手で搾り袋を包み込み。

生地をやさしく押し出す。

左手は添えるだけ。

最初はびゅっと生地を同じ場所に出し(ここはクッキーの真ん中部分に当たる。)

その、びゅっと出した生地を中心として(少し真ん中部分を外側よりも、こんもり。とさせるように生地を重ねて)ぐるっと一周させる。

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食べた時の食感のコントラストが欲しいので

クッキーの真ん中部分が外側よりも分厚く仕上がる様に。

その凹凸にカルダモンの香りの凹凸もあり美味しい食感と香の演奏が広がっていく。


*補足*交互に絞っていきます。

オーブンに入れた時に左右どこからでも

どのクッキーにも均一に熱が当たる様にする為です。

地味な一つ一つのクッキーに対する心遣い一つで

菓子達の美味しい表情は変わってきます。

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⑩木の実たちを乗せます。

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木の実達を乗せるのは木の実達の美味しい渋みがより一層、

カルダモンの香りを引き立ててくれるからです。


#焼き菓子屋そぼくな 。で販売していたカルダモンは6個入り。

木の実たちが乗っていないと、

食べ進めるうちに味わいが均一となってしまい。

最後の6個目までカルダモンの美味しい魅力の味わいを

お届けできないと考えたからです。

【6個入りのカルダモンクッキー】という美味しい舞台を設計しています。

⑪予熱が完了した180度のオーブンに入れ13分で焼き開始。

#オーブン  は

#石窯ドーム  ER-ND300 

もちろん店の菓子も全てこの石窯ドームで焼きお届けしていました^^

美味しい意図があれば

業務用オーブンとか家庭オーブンとか

美味しさを出すには関係ない。と言う考えです。

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⑫13分経ったら鉄板の手前と奥を反対にして追加で180度5分焼きます。


オーブンの庫内温度にはムラがあります。(家庭用でも業務用でも)

なので焼成途中で手前と奥を入れ替えることで焼きムラを防ぎます。

*写真撮るの忘れました、ゴメンナサイ。また焼いたらこの時の状態追加しておきます。

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⑬焼き上がりの目安はクッキーの外側が黄金色に色づいている事と

(でも中心はすこし白さを残す。焼ききるとカルダモンの香りが弱まる。)

そして、クッキーの裏側が茶色く焼けている事。


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⑭理想の焼き加減は↓

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外側茶色く中身はクリーム色。

決して生焼けにはならず。

【香ばしさと歯切れ良いリズム】の入り口を演出し

ふわん!っとカルダモンの柔らかい優しさを奏でて

余韻はバターのミルキーさとカルダモンの落ち着きで閉じて行く。。

そんな美味しい舞台の出来上がり^^!

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おいしい焙煎仕立ての香り高いコーヒーが良く良く合う。

ミルクなんかも美味しいし、

紅茶とあわせると、より癒しのひと時が訪れる^^

きっと。

食べ手の

人生の一コマを彩る舞台をお届けできる。

そんな

焼き菓子屋そぼくな。の考える

カルダモンクッキーでお届けしたい美味しい設計図でした^^



読んでくれてありがとう!


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#焼き菓子屋そぼくな 。で呟いてくれたら嬉しいです^^

そぼくな。店主がエゴサーチして【いいね!】を全力で押しにいきます!(笑)

もちろんサポート等もめちゃくちゃ嬉しいです^^!(でも無理のない範囲で)

それでは今日はこの辺で。^^

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うまうま♥

PS.そぼくな。の大好きで、大切なお客様へ。

必ず時間がかかってもお店を再開してお届けできますので待っていてください。その為に忘れないようにこの菓子への想いと共にここにレシピとなる菓子への考えを記載しておきます。^^


焼き菓子屋 そぼくな。

ゆ季


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いつも、ありがとうございます。