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その支援、なぜ続ける?なぜ止める?

最近、こんなことがありました。

アルコール依存症(50代)の方が通院が続かず体調を崩されていました。
ご本人から「ブランクが空いてしまい、一人で行くのは勇気が要る。もし同行してもらえたら嬉しい。」といった話が出ました。
そこで、障害担当と生活保護担当で通院同行を数回行いました。
その結果、本人も通院に前向きになってきた矢先‥‥
私(生活保護担当)
「そろそろ障害サービスに通院同行を移行していけたらと思うのですが」
Aさん(障害福祉担当)
「この人は通院につながったばかりです。
人見知りなこの人を、他のサービスに移行させるのは早すぎます。
他の人だと支援を拒否してしまいますよ!
風祭りさんがしないなら、私が通院の同行を続けます」
私(生活保護担当)
「・・・・・」

その根拠はなんじゃろかい?

他法サービスの利用の検討

通院の同行を保護担当や障害福祉担当が継続することは、
本来の業務ではありません。
ご本人に精神保健福祉手帳や、障害サービス利用区分の取得が見込めるのであれば、障害サービスで通院同行を相談することも可能です。
それなのに、担当が拒んでいるというのが、悩みどころ。

支援者が「支援している感」に満足してないか?

この障害担当Aさん、業務を始めて1年ほど。
支援が出来ることの楽しさを感じているような発言も聞かれました。
だからこそ自分が「支援している」という感覚が心地よくなっているのではないか?と察しました。

支援者が想いを持つことは大切ですが、
想いだけで突っ走るのは困りものです(この話はまたどこかでしたい)
でも、そんな支援者さん、時折見かけるのは私だけではないはず…。

ただ、私の説得でAさんの意向を変えることは難しそうでした。

今後の通院同行、どうしたらいいだろう?
こんな時、どうしたらいいのでしょうか?

本人の声を聴く。

私、ご本人に電話をして尋ねてみました。
私:「最近、通院がんばれてますよね。どうして頑張れるようになったのかお聞きしてもいいですか?

ご本人:「お恥ずかしいのですが、今まできっかけがなかったんです。
出不精なのがいけないのですが…」

私:「私たちの通院同行がきっかけにはなったなら嬉しいです。
ただ、私たちはずっと(ご本人)さんに付き添うことは難しくて…
体がいくつかあったらいいんですけどね…。」

ご本人:「そうですよね。分かりますよ。」

私:「私たちでなくても、通院のサポートをするサービスを利用することで、これからも”きっかけ”をサポートし続けることができます。興味はありますか?」

ご本人:「今は、同行してもらって私が今まで主治医の先生に言い辛かったことを伝えてもらってるので、助かってます。でも、薬をもらうだけなら、一緒に来てもらわなくても電話をもらうとかだけでも大丈夫です」

私:「分かりました。では次回の通院はお一人で行ってみましょうか。そして、今後は伝えづらいことがあった時など、必要に応じて同行していくという方法でよいですか?」

ご本人:「大丈夫です。ありがとうございます。」


本人の声を聴きながら「相談」することの大切さ。

いろんな支援者が連携して支援を組み立てていく時、
それぞれの立場、それぞれの考え方が交錯することもあります。
そんな時こそ立ち戻りたい。
やっぱり置き去りにしてはいけないのは「本人の想い」ってこと。

障害担当Aさんに、ご本人の意向を伝えたうえで、今後は通院ができているのかどうか、電話で確認をしていくことになりました。

支援を続けるか迷ったら?

今回のことを例にしてまとめてみます。

〇支援の目的を確認する。
今回、担当者Aさんは「自分じゃなきゃだめだ」と思っていました。
でもご本人は「言いづらいことを医師に伝えてもらうこと」にサポートが必要だと感じていたんですね。
支援を続けるかどうか迷いがでるということは、目的や手段とご本人の現状のズレを修正するタイミングかもしれません。

〇どこまで支援ができるのか?できないのか?を伝える。
支援者は「何ができるのか」「どの程度続けられるのか」
をご本人に伝えることが大事!

あえて、言っているのは「とにかく必要だから支援をする」と始めておいて都合が悪くなると「ずっとは続けられない」「そもそも私のやることじゃない」とおっしゃる支援者に面食らうことがあるんです。

支援者が勝手にサポートを始めて、いきなり手を離されたら‥‥
困るのはご本人さんですよね。


自分の想いを言葉にできる人ばかりではないですが
複数の支援者で連携しているときこそ
「本人の声を聴いているのか?」
省みたいですね










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