見出し画像

家庭菜園 ④(終)/全4話【創作台本・世にもになるまで書いてみた・103作目】

前回はこちら!

初回はこちら!

これまでの話はこちら!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

○ 主人公の畑

 主人公 力一杯蔦を引っ張っている。

主 抜けろ・・・! 抜けろ~!!

 主人公が強く念じたその時、勢いよく土から飛び出す。
 主人公 そのまま後ろに仰向けで転倒。すぐに起き上がり、作物を大事そうに抱える。

主 これが俺が育てた・・・いや、「俺だけのサツマイモ」・・・! 

 主人公が抱えるのは巨大なサツマイモ。その見た目はかなり太く、まるでマグロのよう。

主 (ナレーション)
  厳選に厳選を重ねた結果、収穫したのは超巨大サツマイモ1本。
  もちろん家に持ち帰って、自分1人で食す。
  その目標を叶えるためにここまで苦労を重ね・・・

 そんな主人公の元に管理人がやってくる。

管 お~! そりゃ立派ないもだな~
主 (自信満々に)ですよね? いやぁ~ 育てた甲斐ありました・・・
管 これは役場に報告せんと!
主 いやいや、別にそこまでの事じゃ・・・
管 (役場の方に向かって)おい聞いてくれよ~ 
  ウチの農園でとんでもないいもが採れてよ~
  嘘じゃねぇって! 今から見に来いよ!
  (主人公に向かって)アンタ今日時間あるかい?
主 ま、まぁ、少しくらいなら・・・

 主人公 やや困惑した表情を浮かべる。

○ 役場・正面玄関

 広々とした正面玄関。
 そのど真ん中にガラスケースで厳重に保管されたサツマイモ。
 周りには赤い防護ロープも配置されている。まるで宝石。
 役場を訪れた人々はあまりの太さに驚いている。
 その様子を主人公は遠くから眺めている。顔はやや引きつっている。
 横には役場で働く男性職員。満足そうな表情を浮かべている。

主 (ガラスケースを指さしながら)・・・あの、いつ持って帰れますか?
職 いやいや! 何を仰いますか! 
  あのいもは村の宝として飾らせていただきますよ!
主 ・・・そうですか。。。

 主人公の目から一筋の涙が流れる。

職 え!? もしかして泣いてます!? 
  そうですよね~ 
  自分が育てたサツマイモが村の名物になるって感動しますよね~!
主 ・・・・・・・・・はい。

 ガラスケースの中のサツマイモのアップ。
 右下に「世にも奇妙な物語」のロゴ。


この記事が参加している募集

#スキしてみて

523,364件

#眠れない夜に

68,867件

ご覧頂きありがとうございます! よろしければサポートお願いします・・・!