ソーメン二郎

そうめん研究家。奈良県桜井市生まれ。 全国のそうめんを研究しています。 ブログ「ソーメ…

ソーメン二郎

そうめん研究家。奈良県桜井市生まれ。 全国のそうめんを研究しています。 ブログ「ソーメン二郎のそうめん道」https://plaza.rakuten.co.jp/somen26/

最近の記事

2022年夏を終えて...秋冬

そうめん研究家として活動を始めて8年が経ちました。ラジオ、テレビ番組は300本くらい出演させて頂きました。自分でも驚くばかりです。今年夏はテレビとラジオ番組を合わせて30本。今年は、大きな変化がありました。立て続けに、全国放送の番組がオンエアされ。しかもジャニーズのタレントさんとご一緒する機会が多かったので凄い反響でした。電車で隣のお婆様に声をかけられてそうめん談義しばし。居酒屋で「ソーメン二郎が言ってたよ、テレビで。」と聞こえたり。いつも無口な近所の肉屋の大将が「お客さん、

    • 珠玉の生そうめん

      手延そうめんの歴史は1200年とも言われますが、令和になってからも大変な進化を遂げています。ビールでも生があれば缶もありますよね。コーヒーもドリップもあれば缶もあります、そうめんにも生があるのです。生そうめん(または半生そうめん)は延ばした生麺を乾燥、熟成させてまた水蒸気をかけて水分を含ませて半生の状態に戻してパッケージして出荷します。一度、熟成させているので半生なのにコシがしっかりしていてもっちり感があってのどごしもしなやかで普通のそうめんとは全く違う食感です。元々はそうめ

      • そうめんブームが起きた江戸時代の話

        たった一度だけ過去にそうめんブームが起こったと言われています。それは江戸時代のことです。お伊勢参りが江戸時代に大ブームになり一生に一度は伊勢に参拝したいと日本中の人が思ったのです。現代で言うと、ディズニーランドかユニバーサルスタジオでしょうか。三輪そうめん発祥の地である奈良県桜井市の宿場町に滞在し、三輪そうめんを食べて、桜井から伊勢街道をひたすら3、4日かけて伊勢まで歩いたのです。江戸時代の「日本山海名物図会」には「大和三輪素麺。名物なり、細きこと糸のごとく白きこと雪のごとし

        • 増え続ける「手延そうめん専門店」

          ここ数年、東京を中心に手延そうめん専門店が急激に増えているのです。夏には情報番組で紹介されているのを観ることも増えてきたように思います。どうしてでしょうか?私なりの分析はラーメン、そば、うどん、パスタの次の麺ブームは何か?外国人観光客にもウケそうな麺は?ビーガンなど健康志向の広がりと可能性のある大衆食は?その答えがそうめんなのではないかと。めんつゆの食べ方から外食向けの新しいレシピがどんどん考案されています。薄切りすだちを一面に乗せたすだち半田そうめんが大人気の東京・新宿「阿

        2022年夏を終えて...秋冬

          あなたは、流しそうめん派? そうめん流し派?

          みなさんは、なんと言いますか?「流しそうめん」それとも「そうめん流し」どちらでしょうか。みなさんご存知の割った竹を連ねて上流から下流にそうめんを流すのが「流しそうめん」ですね。江戸時代からあると言われていますが主に東日本の文化。一方、円形の容器に水を勢いよく循環させてそうめんを流して食べるのが「そうめん流し」です。これは鹿児島県指宿市の唐船峡で観光P Rの一環で昭和30年代に始まったと言われています。宮崎県の高千穂峡には昭和30年創業の元祖流しそうめん屋さん「千穂の家」があり

          あなたは、流しそうめん派? そうめん流し派?

          沖縄そうめんチャンプルーの謎を追え

          そうめんチャンプルーに可能性を大いに感じています。冷やしか温かいにゅうめんで食べるか選択肢がなかったのが炒めるレシピが広がったのです。チャンプルーというのはマレー語、インドネシア語で混ぜるという意味。つまりツナ、ハム、ニラなどいろんな具材と混ぜ合わせるそうめん料理。炒めるそうめんと書きましたが実は混ぜるが正解です。そうめんチャンプルーを調理する時にどうやったらそうめんがくっつかないかとよく聞かれます。炒めるからくっついたり焦げたりするのです。具材を炒めたら火を止めます。少し短

          沖縄そうめんチャンプルーの謎を追え

          ベトナムのフォート日本のそうめん

          ここ数年間、ベトナムでそうめん文化を広げるためにホーチミンに通っていました。ベトナムの麺と言えば「フォー」です。米粉で平らな国民的麺。あっさりとした温かいスープに鶏肉や牛肉、ミントなどの野菜を入れて食べます。一方、そうめんは小麦で夏だけに食べる冷たい麺。もし一年中夏のベトナムで冷たいそうめん文化が定番化したらどうでしょう。それこそクールジャパン。ベトナムにはブンというそうめんに似た細めの麺もあります。回るそうめん流しマシンを持ち込んで冷たいそうめんをめんつゆと食べてもらいまし

          ベトナムのフォート日本のそうめん

          全国のご当地そうめん色々

          「そうめん」とひとくくりで言っても日本全国で同じそうめんが食べられている訳ではありません。その土地のそうめんがあり、その家庭の食べ方があります。私の出身は近畿ですが奈良県桜井市の生まれですので三輪そうめんで育ちました。きっと兵庫の方は揖保乃糸、長崎の方は島原そうめん、香川の方は小豆島そうめん、徳島の方は半田そうめん、富山の方は大門そうめん、宮城の方は白石温麺、佐賀の方は神崎そうめん、熊本の方は南関そうめんやゆきやぎ、三重の方は大矢知そうめん、山口の方は菊川そうめんと地元の製麺

          全国のご当地そうめん色々

          そうめん職人の国家試験

          そうめん作りの仕事は国家資格だと言うことはほとんど知られていないでしょう。麺の製造技能を認定する国家資格が「製麺技能士」です。3年以上の実務経験者である製麺師を対象に製麺技能検定が行われ合格者が製麺技能士を名乗ることができます。製麺師って響きが良いですね。実技試験と学科試験があり製法ごとに手延そうめん類製造作業、機械生麺製造作業、機械乾麺製造作業に分かれます。製麺作業に必要な材料選定、製造、衛生管理に至るまで製麺の知識と技術が求められる資格です。所轄・主催は厚生労働省になりま

          そうめん職人の国家試験

          そうめんで「小麦ケーション」

          そうめんのコミュニケーション能力ってすごいのです。麺がコミュニケーションとは変な話と思うかもしれませんが、長いそうめんの歴史の中で宮中の貴族たちにセレブ麺として食べられてきた高貴な社交性に始まり、お世話になった人に気持ちを贈るお中元、家庭で家族と一緒に食卓を囲むワイワイ感、流しそうめんとしての国民的アトラクション性と他の麺類にはないコミュニケーション能力を持っているのです。ラーメン、うどん、そばはやはり個食のイメージがあります。昨今は、お中元文化がなくなってきているように思え

          そうめんで「小麦ケーション」

          そうめんの歴史は1200年?!

          そうめんの歴史は1200年と言われています。私が生まれた奈良県桜井市の名産品の三輪そうめんが発祥とされています。1200年〜1300年前は新型コロナウィルスのように天然痘が流行し飢餓にも苦しんでいたのです。桜井市にある日本最古の神社である三輪山の大神神社(おおみわじんじゃ)で神の啓示がありそうめん作りが始まったと言う伝承があります。平安時代、宮中でそうめんは索餅(さくべい)と呼ばれ儀式や饗宴で食されていました。醤油がなかった室町時代にはお酢、辛子、味噌、梅肉、くるみをまぶして

          そうめんの歴史は1200年?!