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そうめんブームが起きた江戸時代の話
たった一度だけ過去にそうめんブームが起こったと言われています。それは江戸時代のことです。お伊勢参りが江戸時代に大ブームになり一生に一度は伊勢に参拝したいと日本中の人が思ったのです。現代で言うと、ディズニーランドかユニバーサルスタジオでしょうか。三輪そうめん発祥の地である奈良県桜井市の宿場町に滞在し、三輪そうめんを食べて、桜井から伊勢街道をひたすら3、4日かけて伊勢まで歩いたのです。江戸時代の「日本
もっとみる増え続ける「手延そうめん専門店」
ここ数年、東京を中心に手延そうめん専門店が急激に増えているのです。夏には情報番組で紹介されているのを観ることも増えてきたように思います。どうしてでしょうか?私なりの分析はラーメン、そば、うどん、パスタの次の麺ブームは何か?外国人観光客にもウケそうな麺は?ビーガンなど健康志向の広がりと可能性のある大衆食は?その答えがそうめんなのではないかと。めんつゆの食べ方から外食向けの新しいレシピがどんどん考案さ
もっとみるあなたは、流しそうめん派? そうめん流し派?
みなさんは、なんと言いますか?「流しそうめん」それとも「そうめん流し」どちらでしょうか。みなさんご存知の割った竹を連ねて上流から下流にそうめんを流すのが「流しそうめん」ですね。江戸時代からあると言われていますが主に東日本の文化。一方、円形の容器に水を勢いよく循環させてそうめんを流して食べるのが「そうめん流し」です。これは鹿児島県指宿市の唐船峡で観光P Rの一環で昭和30年代に始まったと言われていま
もっとみる沖縄そうめんチャンプルーの謎を追え
そうめんチャンプルーに可能性を大いに感じています。冷やしか温かいにゅうめんで食べるか選択肢がなかったのが炒めるレシピが広がったのです。チャンプルーというのはマレー語、インドネシア語で混ぜるという意味。つまりツナ、ハム、ニラなどいろんな具材と混ぜ合わせるそうめん料理。炒めるそうめんと書きましたが実は混ぜるが正解です。そうめんチャンプルーを調理する時にどうやったらそうめんがくっつかないかとよく聞かれま
もっとみるベトナムのフォート日本のそうめん
ここ数年間、ベトナムでそうめん文化を広げるためにホーチミンに通っていました。ベトナムの麺と言えば「フォー」です。米粉で平らな国民的麺。あっさりとした温かいスープに鶏肉や牛肉、ミントなどの野菜を入れて食べます。一方、そうめんは小麦で夏だけに食べる冷たい麺。もし一年中夏のベトナムで冷たいそうめん文化が定番化したらどうでしょう。それこそクールジャパン。ベトナムにはブンというそうめんに似た細めの麺もありま
もっとみる全国のご当地そうめん色々
「そうめん」とひとくくりで言っても日本全国で同じそうめんが食べられている訳ではありません。その土地のそうめんがあり、その家庭の食べ方があります。私の出身は近畿ですが奈良県桜井市の生まれですので三輪そうめんで育ちました。きっと兵庫の方は揖保乃糸、長崎の方は島原そうめん、香川の方は小豆島そうめん、徳島の方は半田そうめん、富山の方は大門そうめん、宮城の方は白石温麺、佐賀の方は神崎そうめん、熊本の方は南関
もっとみるそうめん職人の国家試験
そうめん作りの仕事は国家資格だと言うことはほとんど知られていないでしょう。麺の製造技能を認定する国家資格が「製麺技能士」です。3年以上の実務経験者である製麺師を対象に製麺技能検定が行われ合格者が製麺技能士を名乗ることができます。製麺師って響きが良いですね。実技試験と学科試験があり製法ごとに手延そうめん類製造作業、機械生麺製造作業、機械乾麺製造作業に分かれます。製麺作業に必要な材料選定、製造、衛生管
もっとみるそうめんで「小麦ケーション」
そうめんのコミュニケーション能力ってすごいのです。麺がコミュニケーションとは変な話と思うかもしれませんが、長いそうめんの歴史の中で宮中の貴族たちにセレブ麺として食べられてきた高貴な社交性に始まり、お世話になった人に気持ちを贈るお中元、家庭で家族と一緒に食卓を囲むワイワイ感、流しそうめんとしての国民的アトラクション性と他の麺類にはないコミュニケーション能力を持っているのです。ラーメン、うどん、そばは
もっとみるそうめんの歴史は1200年?!
そうめんの歴史は1200年と言われています。私が生まれた奈良県桜井市の名産品の三輪そうめんが発祥とされています。1200年〜1300年前は新型コロナウィルスのように天然痘が流行し飢餓にも苦しんでいたのです。桜井市にある日本最古の神社である三輪山の大神神社(おおみわじんじゃ)で神の啓示がありそうめん作りが始まったと言う伝承があります。平安時代、宮中でそうめんは索餅(さくべい)と呼ばれ儀式や饗宴で食さ
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