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二人三脚でなめらかなグラデーションを作り出す!SOMPO流デザインワークのご紹介

はじめまして。SOMPO Digital Labでプロダクトデザイナーをしている氷室と申します。今回はSOMPOで実践中のデザインワークを皆様にご紹介します。

なお、SOMPO Digital Labの組織構造や業務内容に関しては、以下の記事を参考いただければと思います。

それでは改めましてデザインワークのご紹介です。まず、SOMPOのデザインチームには、「サービスデザイナー」と「プロダクトデザイナー」が在籍しており、それぞれ「UX」と「UI」の領域をメインに担当しています。

ただし、完全な分業や、立場や職位に基づく一方的なディレクションは行なっておりません。

デザインワークは、コンセプトワークからUIワークに至るまで、始終一貫性を持って繊細につながっています。仮にそれを1つのグラデーションとして表すと、バトンリレーのように役割を交代していく分業よりも、両者が対等に伴走し、二人三脚でプロダクトを共創していく方が、よりなめらかで美しいグラデーションを作っていけると私たちは考えています。

それでは実際のプロジェクトの中で、どのように伴走しているのか?今回はSOMPOのオーソドックスなデザインワークを6つのステップに分けて、ご紹介させていただきます。


1.企画


SOMPOグループ各事業部門から、PoC(実証実験)や本番開発を前提とした案件など、様々な企画の打診を受けます。本フェーズでのメイン担当は事業部門ですが、デザイナーも企画支援のためにキックオフから参画します。

  • 各会議体への参加

  • 企画やビジネス背景のインプット

  • スケジュールの策定

ポイント
本フェーズから両デザイナーともに参画し、企画の趣旨やビジネス背景をキャッチアップしていきます。事業部門の企画意図や課題設定に矛盾や異論があれば、議題として上げ、事業部門と一体となってあるべき形に修正していきます。


 2.UXリサーチ


ユーザー調査やビジネス背景の深掘りを通して、企画の妥当性を検証していきます。

  • ユーザーインタビューの実施

  • 実地調査

  • AsIsのカスタマージャーニーマップ作成

  • マーケット調査

  • デスクトップリサーチ

ポイント
UXリサーチで得られたデータや所見はプロダクトデザイナーにも適宜共有し、お互いの情報に偏りが出ないよう留意します。

  • 各種ユーザー調査のヘルプ

  • マーケット調査

  • デスクトップリサーチ

ポイント
ユーザー調査にはプロダクトデザイナーも積極的に参加します。本フェーズで、リアルなユーザー像や詳細なビジネス背景をしっかりと落とし込み、後のUIワークに生かします。


3.UXプランニング


UXリサーチで得られた知見から、ユーザー像とコンテクストの明確化を行い、To-Beとなる体験を設計します。また、プロダクトに必要となる機能や価値を決定し、サービスコンセプトを明確に固めていきます。

  • ペルソナ策定

  • To-Beのカスタマージャーニーマップ作成

  • ステークホルダーとのUXワーク(ファシリテート)

  • MVPの決定

  • サービスコンセプトの確定

ポイント
サービスの提供価値やコンセプトが決定する重要なフェーズです。プロダクトデザイナー含め、事業部と一体となってUXワークに取り組みます。

  • 各種UXワークの共創

ポイント
UXワークにはプロダクトデザイナーも必須で参加し、価値あるユーザー体験をサービスデザイナーと協力しながら描いていきます。


4.情報設計


画面フローやワイヤーフレームなどを通して、プロダクトの骨格を作っていきます。

  • 画面フロー作成

  • ワイヤーフレーム作成

  • UXライティング

  • サービス人格の定義

ポイント
本フェーズよりプロダクトデザイナーがメインの作業者となります。よりよいプロダクトになるよう、これまでのUXワークで得た知見をフルに生かしながら作業を進めます。

  • UIプランニングの共創

ポイント
メインの作業者が入れ替わる重要なポイントです。体験設計と情報設計に矛盾が出ないよう、双方密にコミュニケーションを取りながら、お互いの作業比重を少しずつ変化させていきます。


5.UIデザイン


ビジュアルコンセプトを決定し、プロダクトのビジュアライズを行います。

  • ビジュアルコンセプト策定

  • デザインガイドライン・デザインシステム策定

  • UIデザイン

  • アートディレクション

  • プロトタイピング

ポイント
ビジュアルコンセプトやデザインガイドを先行して作成し、サービスデザイナーに都度共有する事で、認識齟齬の少ない、スムーズなUIワークが実現できます。

  • UIデザインの定期レビュー

  • Figmaなどでのペアデザイン

ポイント
ビジネス的な背景、市場の動向、モックアップの活用方法などを踏まえ、どの程度の完成度まで作り込むか、プロダクトデザイナーと冷静に話し合いながら、落とし所を決めていきます。


6.検証


Figma等のデザインツール(あるいは簡易コーディング)でプロトタイプを作成し、プロダクトの受容性を検証します。ここで何かしらの欠陥が見つかれば、然るべきフローに戻り修正を重ねます。

  • ユーザーテストの実施

  • テスト結果の分析

ポイント
ユーザーテストはサービスデザイナー中心に行いますが、プロダクトデザイナーもデザインの責任者として、オーナーシップを持って参加します。手間暇かけて作ったプロダクトを、突き放して見れるタフな精神も重要になってきます。

その後開発フェーズに入る事になれば、エンジニアを交えてのアジャイル開発に移行しますが、今回は割愛します。


まとめ


このようにSOMPO Digital Labでは、サービスデザイナーとプロダクトデザイナーが密に連携し、上流から下流に至るまで一気通貫したデザインワークを実践しています。想定通りに行かない事もありますが、大切なのは理想を見失わず、根気強くプロジェクトと対峙していくマインドだと考えています。

ビジネスサイドとの伴走
最後に忘れてはならないのがビジネスサイドとの伴走です。ビジネスの主体は言わずもがな各事業部のみなさんであり、実際に伴走しているのは関係者全員です。ですので、10人いれば10人11脚で走っているという事です。その中で我々デザイナーは、常に両端からメンバーの歩調や目線を合わせ、全員がスムーズにゴールに到達できるよう後押しする、サポーター的な役割を担っています。

現在SOMPOグループは、保険という枠組みを越えて人々のライフスタイル全般を支える企業へと変革しつつあります。 しかし「VUCAの時代」と言われるように、社会や人々のライフスタイルは、多様化・複雑化の一途をたどっており、それを個人の力のみで包摂していく事は、今後ますます困難になっていくでしょう。だからこそ「伴走しながら共創する」という事の価値がより重要になってくると考えています。
HRT(謙虚・尊敬・信頼)の精神を持って横に連携するという事を、理想ではなく責務として捉えなければ、生き残りが難しい時代に差し掛かっているのではないでしょうか。個の力をバランスよく調和させながら、なめらかなグラデーションをプロジェクトの中で描いていければと思います。


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