住民の自主性・主体性を大切にする

地域住民の防災活動に関わっていて感じることは、「一回限りの大きな取り組みをすることよりも、その前後のフォローの方が重要」ということです。

まちづくりに関することなら何でもそうなのかも知れません。



現在、僕は市役所の危機管理課で働いています。

防災行政のソフト面の対策として、防災研修会や防災訓練を実施することがありますが、イベント自体を企画・運営することは慣れてくるとそれほど難しいことではありません。

むしろ、関係者への事前調整や広報、外部講師を呼ぶ場合は研修の目的のすり合わせなど、本番までの「仕込み」に労力がかかったりします。

また、イベント後も、参加者が学びを次の取り組みにつなげられるようなフォローアップをしていくことが大切です。



防災のソフト対策の大きな目標の一つとして、「地域住民が自主的・主体的に防災活動を実施する」ことが挙げられると思います。

行政主導の取り組みは画一的になりやすく、職員体制にも限りがあり、どうしても限界が生まれてしまいます。

また、発災直後には、行政による支援が一時的にストップすることもあり、自助・共助で乗り越えないといけない状況があることが予想されます。

災害時に、地域住民が自分自身や家族の命の安全を確保し、そのうえで地域で助け合いながら避難行動等を取るためには、普段から自主的・主体的に防災活動に取り組む土壌をつくっていかなければなりません。



土壌づくりは、防災行事を一回行えば達成されるものではありません。

また、連絡網や避難計画が作れたら安心できるものでもありません。

大切なのは、取り組みを継続し、改善し、共有していくことだと思います。


地域住民の学習の機会を設けたり、ホームページや広報誌等を活用して情報提供したりすることも行政の役割の一つですが、地域住民の自主性・主体性を大切にし、継続的な取り組みを後押しできるよう、事前・事後のフォローも丁寧に行なっていく必要があると思います。

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