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懐かしい人たちへ

もう時効だからいいと思い、少しばかり本当の話をします。私は二十代の頃SEDICという制作会社にいました。今はセディックインターナショナルになっています。その時制作デスクでした。当時竹中直人の無能の人を作っていました。いくつかの比較的有名になった作品もあります。制作デスクの仕事は何かというと、まず経費担当、制作補助、プロデューサーの秘書業務です。目がまわるほど忙しくてお昼ご飯を抜くこともありました。今日の朝、その時にお世話になった今もご健在のプロデューサーNさんとすでに亡くなった敏腕制作デスクIさんが出てきて私の企画の話をしているという夢を見ました。楽しい夢でした。当時はパワハラのせいで退社したのですがNさんは自分のアシスタントにならないかと私を引き留めてくださって、その時引き受けていたら夢の中のように今頃企画の話をしていたのかもしれません。たらればになってしまいますが、ひょっとしてそんなこともあったかなと、懐かしい気持ちでいっぱいになりました。私と一緒に仕事をしていたIさんは、退職した後に事故で亡くなりました。二人の仲は上手くいっていなくて喧嘩もしましたが、一報を聞いて泣きました。あんなに嫌いな人だったのに本音でいえば結局悪い人じゃなかったし私のことを真面目に考えてくれていた人だったのです。それに気づいてまた涙が出ました。そんなIさんが夢に出てきて今の私を慰めてくれたのかもしれないと感じたのです。この夢を見て思ったことがあります。一期一会、その一言。その出会いは偶然とはいえないもので、確実に私の青春の一ページになったのです。クリエイティブな集団の中で生きて刺激をもらい友情を育み先輩に恵まれ夢のようなパーティーに出かけ情熱を感じまた自分も情熱的に歩みました。数えきれないほどの思い出をくれた人たちが今でも輝いています。そんな職場を辞めてしまったあとは悲惨でした。何もかも比較して新しい仕事は続かなかったのです。堪え性のない怠慢な私でした。若い頃はそんなものです。しかしこの歳になって後悔していることは人との出会いを大事にしてこなかったことです。後悔はたくさんありますが、それが一番の後悔です。もうあまり人との関わりは無くなってしまって出会いもありませんが、ちゃんと見抜いて様々な事柄を大切に思いながら生きていきたいと思っています。青春は二度と戻りません。その時辛いと思っていても後になっていい思い出になることも多いです。それと映画を観る目は以前と変わりません。ちゃんとテロップまで観ます。どんな人たちが関わっているのか、知っておきたいと思うからです。いつも「やっぱりこんなに多くの人たちが一つの作品に関わっているのだな、頑張れ」と思います。最後に、本当にありがとう、Nさん、Yさん、Mくん。今でも感謝しています。特にYさんには。映像音楽をやりたくて入ってきた私にアドバイスを沢山してくれました。その言葉は永遠の思い出です。これからも素晴らしい作品を作り続けてください。応援しています。

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