アフリカおじさん<夫婦世界一周紀75日目>
サハラ砂漠のキャンプまでの道のりは「ラクダに乗って」だった。
足がズボリと沈み込む砂漠では、徒歩は通常の何倍も負荷がかかるし、なにより砂漠の起伏は侮れない。常にもこもこと上がったり下がったりしていて、ラクダに乗っていても勾配が気になるほどだ。
先導のおじさんは陽気な男だった。マリオのような髭を蓄えて、5分おきに後ろを振り返り、
「ニホンジン、アフリカッ!」
と叫ぶ。そう言えば日本人が喜ぶと学んだのだろう。けれども、その場にいた日本人。僕とフウロ、そして女子大生の二人は