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紙作りの折り返し地点 <夫婦世界一周紀65日目>

ポルトガルの紙のテーマは秋を散りばめたタイル。

日本を感じる葉っぱたち。銀杏やプロペラのようにくるくる回るカエデのタネ。日本ではどんなに頑張っても名前が出てこなかったマーブルの白インゲンを半分に割って埋め込みアクセントに。

ポルトガルといえばコルクが有名だ。ポートワインの栓を薄切りにして規則正しく並べ、最後に拾ったオリーブの実で模様をつけた。土台には落ち葉の粉末が入っている。

市場などが少なくて、日本にも様々な商品が店頭に並んでいるヨーロッパは特に紙作りが難しかった。

素材との出会い、制作スペース、時間の確保など、世界旅行中に紙を作るというのは不安の連続だ。でもこれで折り返し地点。なんとか毎回その国にあった紙が出来ている。

紙のデザインを考えるのはフウロだ。今までのハガキサイズの紙から、今回は正方形に切ることにした。「こっちの方がタイルっぽいからね」と。自慢の出来らしい。

どうしても観光だけでは飽きがきてしまうところを、この紙作りがほどよくテンションを張ってくれる気がする。アンテナがへたっていては素材も集まらないし、時間の管理が出来ていなければ制作の時間を確保出来ない。

これから、僕たちはまた未知の世界へと旅立つ。アフリカはどんな紙を僕たちに授けてくれるんだろう。ちょっと不安で、楽しみだ。

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外に出ることが出来ない今、旅をできること自体に価値が生まれつつあります。僕たちが見てまわった世界はもうないかもしれないけれど、僕らが家にいる時にも世界は存在していて、今日もトゥヴァだってニウエだってある。いつか全てが終わった時に、あそこに行きたいと思ってくれる人が一人でも増えたらいいなと思って、価格を改訂しました。 無料で公開したかったのですが有料マガジンを変更することが出来なかったので、最安値の100円に設定しています。

2018年8月19日から12月9日までの114日間。 5大陸11カ国を巡る夫婦世界一周旅行。 その日、何を思っていたかを一年後に毎日連載し…

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