たった数日でも、過ごす時間の密度が濃ければいい。 《夫婦世界一周紀 9日目》
ノヴォシビルスクからバンコクへと飛ぶフライトは、早朝2:25出発だった。
ホテルは早々にチェックアウトになり、出発までの12時間はまるまる暇になってしまう。
時間を潰したくて外に出るも、もうすでにノヴォシビルスクは僕たちの街ではなかった。
リスのおじさんはいなかったし、休日には栄えていた広場も人がまばら。特にすることがなくて時が過ぎるのをじっと待っていた。
今日もステイの日だ。
アジムットホテルのラウンジはチェックアウト後も使えると聞いて、観光もそこそこにホテルへと戻る。
Wi-Fiも使えるし、コンセントもある。
トラベルズペーパーの最終編集と、ノヴォシビルスクの紹介のブログを書いた。
もっと書くつもりだったブログは、出発してからほとんど更新出来ていなかった。
1日が終わるとくたくたでタイプする元気もない。
みんなよく更新できるなと思ったが、僕たちの旅程を見返して納得した。
誰もこんなハイスピードで入国と出国を繰り返してはいないのだ。
それに、怒涛のように過ぎていった日々も、目を凝らしてみればほとんどが移動の時間に費やされていた。
入国日と出国日は、観光などが出来ないつなぎの日になる。
成田からノヴォシビルスクへ。
ノヴォシビルスクからトゥヴァへ。
トゥヴァからノヴォシビルスクへ。
そして、ノヴォシビルスクからバンコクへ。
今まで過ごしてきた8日間の半分が移動日だ。ちょっともったいない気もするけれど仕方がない。
それに、僕もフウロも時間が足りないとは感じていなかった。
たった数日でも、過ごす時間の密度が濃ければいいのだ。
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「ものづくり夫婦世界一周旅行紀」は、一年前の今日世界を旅してきた僕たち夫婦の旅エッセイです。2018年8月19日から2019年12月9日までの114日間の記録をほぼ毎日連載します。一度購入して頂くと連載を全て読むことができます。マガジンはこちら
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