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江古田とカオサンのパッタイ《夫婦世界一周紀 10日目》

むわっとした熱気に、香ばしい肉と野菜の香り、時々生ゴミの香りが混じる。タイの大通りに行くと感じる香りだ。

昔の池袋東口のSEIBUの横が頭に浮かんだ。夜も寝ない日本の繁華街はいつのまに臭くなくなったのだろう。

バンコクの旅行者が集うカオサンロードは、蒸し暑さと共に懐かしさを感じる場所だった。

吹っかけてくる売り子はいるが、みんなどこかヘラヘラしていてしつこさはなかった。

あたたかい空気、やさしい人たち。

どんどん心の糸がほぐれていく。

わが町のように感じていたノヴォシビルスクで、僕とフウロがいかに気を張っていたかを思い知らされた。

これがタイなのだ。

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