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成長

今、運転免許を取得するために実家に帰省をしている。明日は入校日。初めてだらけでドキドキするが、車を運転するということは大人になった証拠で、運転ができる年齢になり運転が必要な年齢になった。こんなにも早く車を運転する日が来るなんて思いもしなかった。


実家に帰る当日の夕方に成人式の振袖を決めに振袖のお店に立ち寄った。ずらっと、華やかな振袖がいくつも並べられていた。私は、周りを見渡して目についた一着を試着した。とても気に入り成人式の当日の振袖に決めた。成人式を迎えるのももっと先のことだと思っていたのに、もう目前に迫っている。小学四年生のとき、二分の一成人式をした。その頃はあと十年、とても先のことでその間に辛いこと、嬉しいことがこんなにも起こるなんて想像もしていなかった。けれど、あっという間の日々だった。


実家に帰り、散歩をしたいと思ってふと家を出た。実家の犬がまだ生きていた頃に散歩をしていたルート。そして、小学生の頃毎日のように遊んでいた山道。この数年間で、新しい家が立ち並び道もでこぼこ道だったのに綺麗に直されていた。山の上にある神社まで登った。空気は相変わらずとても透き通っていて気持ちが良い。上から見晴らす景色は思っていた以上に変化はなかった。地上の変化は空から見ればちっぽけなものかもしれない。

犬の散歩をしていたときに、近所にも犬がいてそこを通る度にものすごい勢いで吠えていた。その犬もかなり前に亡くなったと聞いていたのでそこを通っても吠えられることはないだろうと思い前を通ったら、勢いよく犬に吠えられた。新しい家族みたいだ。吠えることは先代と変わっていないみたい。命はまた次へと繋がれていたみたいだ。


小学生の頃の通学路を通ってみた。学校に通っていた頃は行きも帰りも、とても長く感じられたこの道。感覚的には学校まで十分から十五分くらいの距離だと思っていたのに、今歩いてみたら五分もかからなかった。こんなにも近かったのか。小学生の歩幅と、大学生の歩幅はこんなにも違うのか、と改めて自分の成長を実感した。私は大人になったんだと。


子供の頃はあんなにも大人になりたかったのに、今は子供に戻りたいと思ってしまう。人間はないものねだりであるし、現在に満足できない生き物だ。大人は純粋な気持ちを忘れてしまう期間かもしれない。私はずっと純粋でいたい。純粋な気持ちで物事を見て感じて、行動したい。難しいことかもしれないけど、それもまた成長というものなのだろう。

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