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未来は僕らの手の中(3) のび太くんは何者か? 〜 SDGs・探究への招待 #069 ~

 社会や企業の歯車であることは、経済成長の時代は「中流」を担保(約束・保証)するものでしたが、現代では「下流」へのスライドを余儀なくされます。
 思えば「一億総中流社会」と言われた70年代からちょうど半世紀、50年も経っているのですから当たり前ですよね? 
 少なくとも今の40歳代以上の世代は「格差社会」の価値観で生きてきませんでした。

「人よりたくさん勉強すれば、人より良い会社に就職できて、人より良い生活ができる」
と教わってきましたし、ですから「もの知り博士」と「けんかの強いやつ」が尊敬されました。
 学校生活は「勉強」と「部活」、プラス友情とか青春とか思い出づくりとか、とてもシンプルでわかりやすい価値観の中で送られていました。

 『ドラえもん』の「出木杉くん」と「ジャイアン」がまさにそれです。あのキャラは70年代を代表するキャラです。スネ夫は「総中流社会」の中で出始めた「小金持ち」にありがちな思い上がった人物像です。だとすると、主役ののび太くんは?
 のび太くんは、優しくて、呑気で、人を責めないけど自分のことも責めない、悪気がなく、素直で、ちょっとおバカで、度胸がなく、グイグイいくタイプではない。
 80年代に入って「落ちこぼれ」という言葉が市民権を得ますが、知識の習得が苦手な彼は、その「落ちこぼれ」の走りです。
 そして「あんな道具出して」「こんな道具出して」と、ドラえもんに頼みます。依頼心の塊みたいなキャラです。
 でも、「こんな道具」や「あんな道具」を思い描く力に溢れています。

「力? は? 力じゃなくて、ラクしたいっていうただの欲望じゃん」

と思ったみなさんもいるかもしれません。
 でも、のび太くんの都合の良すぎる、ラクをしたいがためのあの発想は、まちがいなく、今求められている「力」です。

 その辺のことを明日また書きますので、よろしくお願いします。

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