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映画の話372 ブレードランナー2049

 ハリソン・フォード版のリメイクだとばかり思っていたところ、まったく違っていて、トクした気分になりました。前作のようなわかりやすさはなく、伏線や謎かけが織り込まれながら、次第に全貌が明らかになっていくので、重厚な内容に思えました。
 うまく前作を引き継いでいて、人間とそうでない者との間にどんな違いがあるのか考えさせられました。特に生成AIが定着し始めている現代で、例えば生成AIに促されて自殺した男性がいた事件などを思い起こすにつけても、人間はAIにすら信頼を寄せるものなのに、ましてや「人間もどき」のレプリカントは人間そのものだと認識されても仕方ないようにも思いました。異質なものを創り出しておきながら、異質であることを理由に排除する残酷さは、人間の性(さが)なのかもしれないと思いました。
 街の様子は変わらずオリエンタル的で、しかも日本語や日本的なデザインが随所に出てきて、カオスなアジア感が引き立っていると思いました。ゲームの「サイバーパンク2077」は「ブレードランナー」シリーズや「未来世紀ブラジル」のような世界観をオマージュしたものだと思います。
 

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