見出し画像

東野圭吾さんの「祈りの幕が下りる時」を読んだ感想

東野圭吾さんの「祈りの幕が下りる時」を読んだ感想です。

東野作品は10年ほど前にたくさん読んで、しばらく読んでいませんでしたが、再開してみました。
まず1冊目が「祈りの幕が下りる時」です。

映画を1度見たことがありました。
この映画は非常に感動したなというのをよく覚えています。
読み終わった後も映画が見たくなり、すぐに見てしまいました。
そのくらい、映画も良い作品です。

映画を見たことがあったけど、話の詳細は忘れていました。

ネタバレ無しの感想

「祈りの幕が下りる時」は、失踪した加賀の母の話が出てくるということで、僕も加賀シリーズを読んだことがあるので、やっと明かされるという感じでした。

「祈りの幕」というタイトルが良いですね。
映画では松嶋菜々子さんが演じる、舞台演出家の女性に殺人容疑が掛かって、という話ですが、幼少期からの人生はずっと祈り続けていたように思います。

そこに加賀の過去が絡んでくる訳ですが、事件が加賀に繋がっていくところが非常に面白いです。

加賀は新参者で、人形町に移りましたが、過去作も読んでいれば、なぜ人形町にこだわるのか?など、色々と話が繋がっていきます。

やはりそこは、一連の加賀の家族の話であり、この本で一番感じたのは、加賀の母の愛情だったなと思います。

家族と離れ暮らしていく背景にどういう想いがあったのか、母の想い、父の想い、そして加賀の想い、三種三用の想いと共通する想いもあるでしょう。
そういった家族の物語と、事件が絡まりあっていくのを、すごく楽しめる作品でした。

ぜひ読んでみてください。

以降、ネタバレあり注意

ここからはネタバレありで、この作品のもう1つの軸は親子の話です。
加賀親子の話は上述の通りで、浅居親子の絆の深さにすごく感動しました。

親子の絆は表せないですね。
映画では、松嶋菜々子さんと小日向文世さんの演技がすごかったです。
浅居博美の過去を演じた飯豊まりえさん、桜田ひよりさんもすごかったです。

子を守る親、親を守る子、人生の裏側でしか会えない関係というのは非常に悲しくなります。
誰にも知られてはならない、というのは重いですね。
その中でも、親子の絆に勝るものは無いと思います。

浅居博美がなぜ加賀に会いに行ったのか?というのがすごく深いと思います。
加賀もそこから推理に進展がありました。
親の過去に関わっている人なら会ってみたい、それが自分が知らないことが知れるなら、その出会いは大きいものになる、というところでした。

こういった人間関係が加賀シリーズの魅力でもあり、ポイントになるところだと思います。

赤い指などでも家族の絆は示されましたが、その最終形がこの作品なのかなと思います。
最期を迎える時、幸せな人生だったと思えることが、やはり一番ですね。
家族を大切にしたいと思える作品ですし、それはやはり生きている間に、ということを強く思いました。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?