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スポーツ・アナリティクスが怪我の抑制にどう貢献するか

我々スポヲタが日本で提供する"KINEXON"は、最新鋭のセンサー技術とリアルタイムのデータ分析により、世界中のスポーツチームにおいて、選手の負荷管理や怪我のリスク軽減に役立てられています。

今回はその中でも、海外のハンドボール事例から得られた、怪我とスポーツ・アナリティクスに関する情報の中から、多くの競技に共通する知見をご紹介します。

頻発する怪我の種類について

(ハンドボール事例より)

残念ながら、多くのスポーツにおいて、怪我はよく発生します。
今回の対象となったハンドボールでは、競技特性上、肩や膝に大きな負荷がかかります。ただ、それらの部位のみならず、発生する怪我の種類は多岐にわたっています。

  • 足関節の捻挫

  • 膝の怪我 ー 前十字靭帯(ACL)を含む靭帯損傷

  • 筋肉疲労 ー 鼠径部、大腿部

  • 大腿部挫傷

  • ジャンパー膝

  • 背中の痛み

  • 肩の脱臼

  • 投球肩

  • 指の負傷、捻挫

  • 脳震盪


また、ある研究によると、ハンドボール選手の試合/トレーニングにおける負傷率は、

  • 試合 1000時間あたり ⇒ 9.9~41.0人

  • レーニング 1000時間あたろ ⇒ 0.9~2.6人

と報告されています。

トップレベルになればなるほど、プレー強度も高くなるため、多くの怪我が発生してしまうのは仕方ありません。

そんな中、怪我のリスクを減らすために、世界中のチームではアナリティクス(分析)に注目しています。

スポーツにおける、"アナリティクス"とは

スポーツにおける、"アナリティクス(=分析)"を簡単に定義したいと思います。ここでは、

  • 選手のパフォーマンスや、競技の勝利、プレー向上に関連する要素を、評価・予測するためのデータ収集と分析

と定義します。

この定義をもとに、ハンドボールにおける分析要素を取り上げるとすれば、以下の側面を上げることができます。

  • 選手のフィジカルコンディション

  • 運動パターン/動きのパターン

  • ゲーム全体のパフォーマンス

これらを良く知ることで、チームの成長・勝利はもとより、選手の障害予防にも役立つといえるでしょう。


アナリティクスによって、怪我のリスクを軽減する方法

ハンドボールで発生するケガの種類と、スポーツ・アナリティクスで何を理解することができるかを簡単に整理したところで、アナリティクスで収集したデータが、選手の怪我のリスク削減に、どのように役立つかを詳しく見ていきましょう。

1. 初期症状の発見

どんなに治療技術が素晴らしいものになっても、予防できること=怪我が発生しないことの方が良いと断言できます。

ハンドボールに限らず、潜在的な怪我のリスクを早期に特定することで、選手を怪我による長期間の離脱から救うことができます。

加速度計や心拍計などのウェアラブルデバイスによるデータ収集は、選手の身体状態に関する情報を得ることができ、それをもとにコンディションの変化に気づくことができれば、大きな怪我の予防や早期発見につなげることができると言われています。

2. 運動パターンの分析

モーションキャプチャー技術や映像分析テクノロジーを使うことで、コーチは選手の動きを詳細に調べることができます。

ハンドボールでは、ジャンプ後の着地がアンバランスなものだったり、投球のフォームが悪かったりすると、身体の歪みやその他の怪我につながる可能性があります。

上記のテクノロジーを利用したアナリティクスによって、リスクとなる動作を見つけるヒントとなり、コーチは受傷前に選手の動きを修正することができる可能性があがります。

3. 負荷管理

スポーツにおける怪我の典型的な原因の1つに、オーバートレーニングがあります。特に短期間に多くの試合をこなす競技においては、この傾向が顕著です。

選手の負荷に関するデータを扱うことで、コーチは各選手が受けるトレーニングの「負荷」、つまり強度や量を把握・調整することができます。

これは競技や性別によって変わるものではありません。選手がトレーニングをハードに取り組むことは良いことですが、追い込みすぎた場合には、疲労が蓄積し、ケガのリスクが高まります。

負荷に関わるデータに目を配ることで、トレーニングの内容を調整することにつながり、選手のハードワークと健康の両方を大切にするができます。

4. リカバリーの経過観察

もし怪我をしてしまった場合、その後のリカバリーは非常に重要です。(1)や(3)と同様、ウェアラブルデバイスを用いることで、コーチは心拍変動や運動量の変化を見ることができ、選手の回復度合いをパフォーマンス指標によって追跡することができます。

パフォーマンス指標をとらえながら、適切な回復期間を確保することで、再受傷のリスクを抑え、最高のパフォーマンスを取り戻すことにつながると言えます。

5. ポジション別の洞察

多くの競技において、すべての選手に同じリスクがあるわけではありません。ポジションやチーム内の役割によって、身体にかかる負担や動作パターンは異なります。

アナリティクスによって、コーチはポジション別のデータを得ることができるため、それぞれの役割に関連する特有のリスクを理解し、それを軽減するための方法を考案するのに役立ちます。

6. フィードバックと教育

高度なスポーツ・アナリティクスが発展している昨今、そこではテクノロジーが大きな役割を担っています。しかし、テクノロジーが戦うわけではなく、どんなときも"人"が一番重要であることは変わりはありません。

データをもとに、どのようにフィードバックをし、共に成長していくか。選手の強みと弱みを把握し、必要なトレーニングを行いながら、怪我に対しても配慮する。それによって、チーム全体が一丸となって、リスク減らしながら、成功に向かうことができます。

スポヲタ考察

いかがでしたでしょうか。

今回事例を引用したハンドボールのみならず、あらゆるスポーツにおいて、一瞬の判断と動きが成功を分けることになるのではないでしょうか。

そんな中、スポーツテクノロジーの発展により得られるデータと知見は、怪我の予防、戦略構築や個々の選手のテクニックの向上にも役立つでしょう。

我々スポヲタでは、先進的な分析テクノロジーであるKINEXONをはじめとして、日本のスポーツ界の発展に必ず役立つサービスを提供します。サービスへ関心がある方や、コラボレートをご希望の方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

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※本記事は、下記を翻訳・加筆修正を行い、提供しております。https://kinexon.com/blog/sports-analytics-cut-injury-risks-handball/

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