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スパイ映画入門

こんちは。映画大好きデザイナー坪田です。最近『VIVANT』や『スパイファミリー』などスパイ作品が盛り上がっていますね。私も好きです、スパイ。というわけで、前回のnote「ゾンビ映画入門」の続編で、今回はスパイ映画入門です。どうぞ。


1、スパイとは

スパイ(spy)は情報部員・諜報員・密偵・間諜とも言い、政府や他の組織に雇われて、秘密裏に敵や競争相手の情報を得る人のことを指します。日本では主に敵側をスパイ、味方側の場合はエージェント、敵・味方を区別しない場合は工作員と呼ぶことが多いです。また比喩表現として「犬(dog)」と呼ぶこともあります。

映画に頻繁に登場するスパイですが、現実では映画のように街中で銃を撃ったり、カーチェイスをしたりはしていません。できるだけ警戒されず、目立たないように、印象に残らないように情報を集めたりするのがスパイです。作戦としてはアニメ化もされた漫画『スパイファミリー』の作戦がリアルに近いらしく、家族を装って自然にターゲットに近づいたりするようです。

スパイは大使館員に偽装することが多く、これは外交関係条約で定められた外交特権「外交官の身体の不可侵(逮捕・抑留・拘禁の禁止)」があり、スパイにとっては安全だからです。もちろんリスクを犯して民間人になりすます場合もあります(その場合はスパイファミリーのように偽装家族を作り溶け込んだりします)。さまざまな国が秘密裏に違法行為によるスパイ活動をしている中、基本的に日本は外国の法律を破ったスパイ活動をしていない珍しい国です。ですが、日本国内ではスパイを禁止する法律がなく、スパイし放題とされています。スパイ防止法案に関しては今後更なる議論が必要になるでしょう。

諜報活動の種類は以下のように分類されます。
・オシント:新聞・雑誌・テレビなどの公開情報を分析する手法。
・シギント:相手の電話やインターネットなどの通信を傍受する手法。
・イミント:衛星や航空機などで撮影した画像・映像を解析する手法。
・ヒュミント:スパイや協力者を用いて人から情報を収集する手法。
・マジント:赤外線・放射能・核物質といった科学的な変化をとらえる事で情報を収集する手法。

2014年にロシアが偽情報を口実にクリミア半島併合を行いました。その対策としてウクライナ進行の際に、ロシアの偽情報工作に対して、欧米の諜報機関の情報を元に各国の国防省が即座に正しい情報を出すという対応が取られています。こう見てみるとスパイは世界情勢に大きく関わっていることが分かります。

映画のスパイは現実とは異なりますが、アクションが魅力だったり、スパイらしい情報戦、武器や道具なども映画によって違うので注目しておきたいです。

2、実在する主な機関

映画によく登場する主な機関を紹介します。多くの国に機関が存在しており、対外諜報機関/国内情報機関はインテリジェンス機関とも呼ばれ、映画では実際の組織とは異なることが多いですが、ここでは事実もしくは事実とされることを中心に説明します。

CIA / 中央情報局
アメリカの諜報機関で、FBIとは別物です。CIAは大統領直属の組織で、情報収集や諜報活動を行う機関です。アメリカの敵対組織の監視・情報操作・ハッキングなどをおこなっています。また敵対組織の排除・暗殺なども行われていると言われています。ちなみにFBIは警察機関ですが、国内情報機関とした一面もあります。

MI6 / 秘密情報部
イギリスの諜報機関で正式名称は「Secret Intelligence Service」。通称「MI6 / SIS」と呼ばれる組織です。国外の政治経済及びその他秘密情報の収集・情報工作が任務です。第一次世界大戦が勃発すると、複数官庁が個別に設けていた諜報活動を一元管理することになり、それぞれの種類に応じて組織名に番号が割り振られ、この組織には6の番号が与えられました。イギリス国内情報機関としてはMI5(情報局保安部)が担当しています。

モサド / 諜報特務庁
イスラエルの諜報機関です。世界最強とも言われ、首相府管下で対外諜報・諜報活動・特務工作をしています。採用人物が適格かを判断するまで数年かけ、知能・知性・品性・社交性・思想・体力など徹底的に精査されます。世界中に存在するユダヤ人協力者(サイアニム)もいます。

別班 / 情報1班特別勤務班
日本の陸上自衛隊に存在するとされる諜報機関で、公式には存在を否定されています。陸上自衛隊情報学校の中で極めて優秀な人だけが別班養成所とされている「心理戦防護課程」で学ぶことができ、その中でも首席に近い成績の人だけが別班に入れるそうです。

CIRO / 内調
日本の内閣に属する情報機関で正式名称は内閣情報調査室。CIAやSISなどの外国政府情報機関の担当機関となっており、合同情報会議の事務手続きもしています。「各機関バラバラな情報をまとめ、分析整理する連絡事務機関を内閣に置くべき」「外務省情報局に代わる内閣直属の情報機関が必要」とする吉田茂首相の意向で、日本版CIA構想として1952年に創設されました。

公安 / PSIA
公安調査庁(PSIA)は「ハム」とも呼ばれる日本の法務省に属する情報機関です。破壊活動防止法、団体規制法などに基づき、公共の安全の確保を図ることを目的として設置されました。公安の中には「外事課」と呼ばれる外国諜報機関の諜報活動・国際テロリズム・戦略物資の不正輸出・外国人の不法滞在などを捜査する課が存在します。

KGB / ソ連国家保安委員会
1954年から、1991年のソ連崩壊まで存在したソビエト社会主義共和国連邦の諜報機関・秘密警察です。採用直後にKGB大学で一年以上秘密工作訓練と語学研修を受けてから、それぞれの部門に配属されます。冷戦時代のスパイ映画には度々登場します。ソ連崩壊後は「ロシア対外情報庁」に引き継がれています。

ファイブ・アイズ
アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで構成される機密情報共有の枠組みの呼称です。1946年に米英が同協定のもととなる機密情報共有協定を締結されました。2020年に影響力を強めている中国に対抗するため、ブレア元英首相の発言などにより、英国から日本に機密情報の共有拡大を働きかける動きが生まれています。

3、スパイ映画

ここからはスパイをモデルにした映画作品を紹介したいと思います。公開年順に並んでいますので、ぜひ好きな作品を観てみてください。

01、スピオーネ

公開年:1928
監督: フリッツ・ラング
諜報機関:???

あらすじ
第一次世界大戦後、欧州某所に各国の秘密を探知する巨大なスパイ組織があった。その組織の首領ハーギは正体不明でどんな極秘文書も盗み出す。各国政府は彼を追うが、表向きは銀行頭取である彼を見つけられなかった。そんなハーギを追う凄腕イギリス秘密諜報員326号、通称トレメーンを味方につけるため、彼は女スパイのソーニャを送り込むが、2人は互いに惹かれ合ってしまう。一方その頃、日本とイギリスが秘密条約を調印しようとしていた。日本の秘密探偵松本博士はこの条約を本国へ届けようとするが、ハーギは条約内容を手に入れるため女スパイのキティを松本もとへ送り込む。

つぼコメント
スパイ映画の元祖とする説もあるこの映画。コードネームで呼ばれるスパイ、美人スパイなど、後のスパイ映画に繋がる多くの要素が登場しています。1928年の映画とは思えないほどボリューム満面で見応えも抜群です。モノクロで髪型が似ているため、慣れていないと人の見分けに苦労するかもしれません。DVDが廃盤になっているため、プレミア価格で超高額になっています。ですが、パブリックドメインのためドイツ語字幕なしはYouTubeで観ることができます(そのうち安くで販売される可能性もあります)。モノクロサイレント映画で143分あり、慣れていない人は疲れるかもしれません。観る方は頑張ってください。

02、間諜最後の日

公開年:1936
監督: アルフレッド・ヒッチコック
諜報機関:???

あらすじ
第一次世界大戦中の1916年、イギリスの陸軍大尉ブロディはスイスのジュネーヴで暗躍するドイツのスパイを摘発する任に命じられ、アシェンデンという偽名を与えられる。彼はジュネーヴで彼の妻役の女スパイのエルザ、そして「将軍」と呼ばれることを好むスパイと合流し、調査を始める。

つぼコメント
『サイコ』や『鳥』でもお馴染みのスリラーの神様ヒッチコックのスパイ映画です。100年近く前の映画なので映像と演技には歴史を感じます。007のようなスマートさはなく、まだ「手探りのスパイ」という感じでドタバタとした印象がありますが、『スピオーネ』と同じく恋愛要素もあって、今でも楽しめる作品になっています。

03、007/ドクター・ノオ(007は殺しの番号)

公開年:1962
監督:テレンス・ヤング
諜報機関:MI6

あらすじ
冷戦真っ只中。アメリカの要請で、月面ロケット発射を妨害する不正電波を防ぐ工作をしていたジャマイカ駐在のMI6の諜報部員とその助手が消息を絶つ。秘密諜報部はジャイロスコープ・コントロールを狂わせる装置が使用され、その発信地がジャマイカ付近であることを突き止める。秘密情報部の諜報員「007」ことジェームズ・ボンドはその捜査を命じられ、ジャマイカへ飛ぶ。

つぼコメント
これが25作品以上続く『007』の映画の第一作目で、スパイ映画の代名詞とも呼べる作品です。この作品のショーン・コネリーこそがジェームズ・ボンドだ!と感じる方も多いと思います。それほどまでに1作目にして完成された作品です。上で紹介した2作品とは異なり、スマートで女たらしなスパイの登場です。ボンド役はショーン・コネリーから始まり、合計6人の役者が演じています。私はダニエル・クレイグのボンドが一番好きです。

04、ミッション:インポッシブル

公開年:1996
監督:ブライアン・デ・パルマ
諜報機関:CIA

あらすじ
CIA極秘諜報部隊 IMFに、プラハのアメリカ大使館からCIAの非公式工作員リストを盗み出そうとしている大使館職員に対する防諜任務を与えられる。ところが作戦中、襲撃者によってメンバーは次々と殺された上にリストも横取りされ、イーサンのみが生き残る。彼は任務の監督役キトリッジに会うが、これがIMFの裏切り者を見つけ出すための任務だったことを明かされる。キトリッジは唯一生き残った彼が裏切り者であると断定、逮捕しようとしたため逃亡する。

つぼコメント
『007』がイギリスのスパイ映画代表とするなら、『M:I(ミッションイン:ポッシブル)』はアメリカのスパイ映画代表だと言えます。トム・クルーズが天井からロープでぶら下がるシーンは、あまりにも有名ですよね。サスペンス並みのどんでん返し要素があって、1作目は大好きです。2023年には7作目である『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』が公開されています。

05、ボーン・アイデンティティー

公開年:2002
監督:ダグ・リーマン
諜報機関:CIA

あらすじ
負傷した男が漁船に救助される。手当された男は記憶を失っており、手がかりは皮膚の下に埋め込まれていたスイス銀行の貸金庫番号を記したカプセルのみ。男は複数の言語を操り、海図の判読やロープワークまでこなせたが、名前と過去は思い出せなかった。回復した男は港で船を下り、銀行の貸金庫を開ける。中身はパリ在住の「ジェイソン・ボーン」という名前のアメリカ合衆国パスポートや彼の写真が使われた異なる名前の多数の偽造パスポート、複数の通貨の大量の札束、そして拳銃だった。

つぼコメント
『M:I(ミッション:インポッシブル)』と同じく失敗から始まるのですが『M:I』とはまた異なった切り口のCIAスパイ映画です。ミニでカーチェイスするシーンは、ルパン三世のフィアットを思わせ、とても格好良いです。エンディング直前にテーマ曲『Extreme Ways』が流れるシーンは、シリーズを観れば観るほどニヤッとしてしまいます。

06、ミュンヘン

公開年:2004
監督: スティーヴン・スピルバーグ
諜報機関:モサド、CIA

あらすじ
1972年ミュンヘンオリンピック開催中、パレスチナ過激派組織「黒い九月」の8名がイスラエル選手団宿舎に侵入。選手ら2人を殺害、9人を人質に「イスラエルに収監のパレスチナ人テロリストの解放」を要求した。解決は西ドイツ警察に任されたが、ミュンヘン空港での銃撃戦の結果人質9名が殺害されるという結果に終わる。この事件に対し、イスラエル政府は報復を決意。テロ首謀者11名の暗殺を計画する。

つぼコメント
実話をもとにしているだけあってシリアスで地味です。フィクションのようにスマートではありませんが、人間臭さがとてもリアリティがあります。もちろん失敗も多い……。ジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグが出演していることにビックリしました。ボンド役の前に別のスパイをしていたとは……。

07、ソルト

公開年:2010
監督: フィリップ・ノイス
諜報機関:CIA

あらすじ
イヴリン・ソルトが所属するCIAの元にロシアからの亡命者オルロフが出頭する。イヴリンが尋問するとオルロフは、かつて旧ソ連時代に特殊な訓練を受け、ソビエト崩壊後もアメリカに潜入している多数のロシアスパイが一斉蜂起する時「Xデー」を待っているという。その1人がアメリカ副大統領の葬儀に出席するロシア大統領を暗殺するという計画があると話し、更にそのスパイの名は「イヴリン・ソルト」であると告げる。そのスパイの経歴はイヴリンの生い立ちと合致、嘘発見器も事実である反応を示していた。

つぼコメント
冷戦を背景にしたスパイアクションです。往年のアクションらしさがありながらも、予想外の展開が続くので最後まで目が離せません。CIA防諜部のピーボディ(キウェテル・イジョフォー/黒人の役者さん)がかっこいい。続編の脚本がアンジーからダメ出しがあったという記事があるけど、断念したのかな……。

08、裏切りのサーカス

公開年:2011
監督:トーマス・アルフレッドソン
諜報機関:MI6、KGB

あらすじ
東西冷戦下。イギリスの「サーカス(MI6)」と、ソ連「モスクワ・センター(KGB)」は、水面下で様々な情報戦を繰り広げていた。長年の作戦失敗や情報漏洩から、MI6の長官コントロールは、内部にKGBのもぐら(二重スパイ)がいることを確信。密かに幹部たちの身辺を探るとともに、「もぐら」に関する情報源と接触するためエージェントをハンガリーに送り込むも作戦は失敗。責任をとってコントロールと彼の右腕であったスマイリーは引退を余儀なくされる。

つぼコメント
スパイ映画でこの名作は外せません。派手なアクションが一切なく、サスペンスで静かに進行していきますが……キャストが豪華なだけじゃない魅力が詰まっています。そして終わり方がオシャレすぎる。本作に出演しているコリン・ファースとマーク・ストロングはこの後に紹介する2014年のスパイ映画『キングスマン』で再び共演することになります。そしてコリン・ファースは本作劇中で「テイラー(仕立屋)」と呼ばれるシーンもあり、『キングスマン』を先に観ている人にとっては胸熱です。

09、ゼロ・ダークサーティ

公開年:2012
監督:キャスリン・ビグロー
諜報機関:CIA

あらすじ
CIA分析官のマヤは、2003年にCIAパキスタン支局に配属された。ブラック・サイトでは同僚のダンが、アメリカ同時多発テロ事件の資金調達者とされるアマールを尋問していた。マヤはメンバーとともに情報収集に取り組む。マヤはアマールを騙すことで自白を引き出す事に成功。その情報の中にはビン・ラディンの連絡係の名前が含まれており、新たに捕えた大物捕虜の証言もその存在を裏付けるものだった。だが、支局長はその情報の信憑性を疑い、頻発する自爆テロの阻止を優先した。

つぼコメント
CIAが協力している映画で、実話をもとにしたフィクション作品です。9.11から話がスタートするので全体通してめちゃ重いです。水責めやヘヴィメタを掛け続けるなどのリアルな拷問も見られます。リアリティがある分、作戦に関しては華やかさがなく地味になってしまっていますが、ストーリーがしっかりしている上に、長さも2時間40分あって観応えは抜群です。

10、キングスマン

公開年:2014
監督: マシュー・ヴォーン
諜報機関:オリジナル

あらすじ
諜報機関キングスマンのハリーは任務中にリーの犠牲によって命を救われる。彼はリーの息子エグジーに電話番号の刻まれた1枚のメダルを渡し「困ったら頼れ」と伝える。17年後、大学を中退したエグジーはロンドンで母とその再婚相手と暮らしていた。不良として荒んだ生活を送っていたある日、エグジーは車を盗み無謀運転で逮捕される。彼がメダルの番号に電話を掛けるとすぐに釈放され、彼の前にはハリーが待っていた。

つぼコメント
諜報機関というのは基本的に国家に属していることが多いのですがキングスマンは独立諜報機関という特殊な設定です。スーツが戦闘服なので、スーツでイケイケアクションをするコリン・ファースが見られたりします。傘や革靴など紳士の持ち物がスパイガジェットになっているのも見どころです。続編に『ゴールデンサークル』や『ファーストエージェント』があります。

11、SPY/スパイ

公開年:2015
監督:ポール・フェイグ
諜報機関:CIA

あらすじ
CIA内勤分析官スーザンは遠方で任務を遂行するエージェントのファインをサポートしていた。ミッション中、彼はスーツケース型核爆弾の隠し場所を唯一知るボヤノフを誤って殺してしまう。 CIAはボヤノフの娘レイナが爆弾の在処を知っているとにらみ、ファインに彼女の家へと潜入させるが、彼は射殺されてしまう。レイナはファインとフォードを含むCIAトップエージェントの身元を知っていると発言。そこで身元がバレていないスーザンが現場エージェントになると申し出、上司は許可。スーザンに任務が与えられたことに嫌気がさしたフォードはCIAを去る。

つぼコメント
シリアスな作品が多い中、珍しくコメディ色の強いスパイ映画です。それでありながらストーリーはしっかりしていてとても面白いです。他のスパイ映画のパロディも出てくるので、知っているとさらに楽しめます。頭の悪いジェイソン・ステイサムが良すぎるので、そこにも注目してほしいです。

12、コードネーム U.N.C.L.E.

公開年:2015
監督:ガイ・リッチー
諜報機関:CIA、KGB

あらすじ
東西冷戦の最中の1960年代中盤。アメリカ合衆国のCIAとソ連のKGBは、核兵器拡散をたくらむ謎多き国際犯罪組織を制圧するために、長年の政治的対立を超えて手を組むことになった。直前まで東ベルリンから亡命する東ドイツ人エンジニアの脱出を巡り対峙していた、CIAのソロと、KGBのクリヤキンが抜擢される。

つぼコメント
ガイ・リッチーらしいクールでスタイリッシュなスパイ映画です。CIAとKGBが手を組む珍しい展開ですが、国柄や特徴が凸凹コンビとして設定に盛り込まれていて、コメディ要素としても上手く働いています。続編準備中というニュースもありましたが、いつになるかな。主人公の話せる5つの言語の中に「Japanese」があったので、続編で日本が舞台になる可能性もゼロではなさそうです。今後に期待です。

13、エージェント・ウルトラ

公開年:2015
監督: ニマ・ヌリザデ
諜報機関:CIA

あらすじ
コンビニでアルバイトをしているマイクは、日々をのらりくらりと過ごすダメ男。ある日、彼がコンビニの店番をしていたところ、1人の女性が現れ、暗号めいた意味不明の言葉を発して立ち去る。その瞬間、覚醒したマイクはスプーン1本で2人の暴漢を倒してしまう。実はマイクはCIAが極秘のマインド・コントロール実験で生み出したスーパー・エージェントだった。マイクは、計画の封印を目論むCIAに命を狙われることになる。

つぼコメント
ボーンシリーズのパロディのようなあらすじですが、ストーリーがしっかりしてるし、主演のジェシー・アイゼンバーグのダメダメっぷりとスーパーっぷりの演技がさすがです。フライパンを投げるシーンは超格好良い。主人公の街に大量の部隊が攻めてくる……という構図では『ARMS』の「スナーク狩り」に似てるので、そういうのが好きな人にもオススメです。中二病のような設定ながらちゃんと面白いです。

14、アトミック・ブロンド

公開年:2017
監督:デヴィッド・リーチ
諜報機関:MI6、KGB、CIA、MfS(シュタージ/東ドイツの諜報機関)、DGSE(対外治安総局/フランスの諜報機関)

あらすじ
ベルリンの壁崩壊が迫った1989年秋。MI6は潜伏中のスパイを殺害した謎の組織を崩壊させるべく、ブロートンをベルリンへ急行させた。組織の命令でパーシヴァル(MI6ベルリン支部の責任者)とタッグを組むことになったブロートンは、彼と対立しながらも、東側陣営の脅威に立ち向かっていく。しかしパーシヴァルの不審な行動に「彼が二重スパイ“サッチェル”なのではないか」と疑い始める。

つぼコメント
とにかくスタイリッシュ。映像も美しく、アクションもすごい。スパイ映画の中でも諜報機関の登場数がトップクラスで、その分複雑なので結構難しいかもです。ストーリーの軸が「スパイリストの回収」と「二重スパイの特定」だということを頭に入れて観ると分かりやすくなると思います。また、主要キャラクターがどんなお酒を飲んでいるのかにも注目して観てほしいです。

15、TENET

公開年:2020
監督:クリストファー・ノーラン
諜報機関:オリジナル、CIA

あらすじ
ウクライナでテロリストによる立て籠り事件が発生。しかしこれはCIAスパイを暗殺するための偽装工作だった。CIA特殊工作員の主人公はスパイの救出に成功するが、直後ロシア人に捕らえられてしまう。彼は拷問を受け自決用の毒薬を飲むが、目を覚ますと見知らぬ船にいた。そこで男から先の作戦は彼の適性をはかるテストだったことを明かされ、第三次世界大戦を阻止する為の謎の存在テネットにスカウトされる。彼は船を乗り継ぎ、ある研究室で弾痕から拳銃の中へ「逆行する弾丸」を見せられる。

つぼコメント
この映画はスパイ映画+SFというメチャクチャなことをしていて、内容も複雑すぎて1度観て分かる作品ではありません(主人公が分からないまま行動しているので、視聴者にも分からないように作られています)。一度で分かった人は量子物理学にも精通している天才だと思います。私は……映画館で観る→パンフレット読む→量子物理学や組織の解説動画観まくる→映画観る、でやっと分かりました。タイムトラベルではなく時間逆行だったり、回転扉の設定など観れば観るほど深さにハマって行きます。

さいごに

いかがでしたか。これ以外にもフィリップ・シーモア・ホフマンの『誰よりも狙われた男』や、ローワン・アトキンソンの『ジョニー・イングリッシュ』、『エージェント:ライアン』、ドラマ『24』などスパイ作品はいっぱいあります。探してみてください。

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