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【ビヨンド・ユートピア 脱北】どんなに目を背けたくても。

さっき国境を越えて中国側にきた北朝鮮人の一家。
国境をまたげば亡命成功ではなく、更なる危険が待ち受けていた。
脱北者を通報すれば、中国人には多額の報酬が与えられるのだ。その額は、農家が半年暮らしていけるほどの大金だという。
この一家も国境を越えてほどなく中国人の目にとまってしまった。

本作は、逃亡中のこの一家と彼らを支援する韓国人牧師たちに密着したドキュメントだ。

一家が牧師に支援を求めてきた最初の接点から結末までを主軸に展開しながら、多くの脱北者、支援者、ブローカーなどの関係者の証言が詰め込まれている。

なお、この映画に再現映像はひとつも含まれていないそうだ。
この地獄の全てが現実。
嘘だと言って欲しい。

絶対に劇場で観てほしいので多くは語れないが、ひとつだけ。
一家の幼い姉妹が、逃亡中、たしかベトナムの隠れ家に立ち寄った際、生まれて初めてお菓子を見る。
なんてことないポップコーンだ。
でも姉妹はなんだかわからない。知らない。
無邪気に「いっしょにたべよー」なんて言って蓋をやぶり、ひとつを口に入れた。
すると、「おいしい!」とも「なにこれー!」とも言わず、無感情の点の目をして、次々に口に入れた。
無言で無心でつまんでは口に入れ、をリピートしていた。

こんなの、演技なんかでできるわけない。
再現なんかできるわけない。

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