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切れ味抜群、美人の言葉

「今晩、何食べたい?
すぐ思いつかないのに
これから先どうしたいかなんて
でっかいこと分かるわけなくない?」

(訳)
目先の欲しいものも分からないのに
もっと先のことだとか、
そんな壮大なことが思いつくわけがない。

確かに!
と思う間もなく
私は見事にスパッと斬られました笑


昨日は、
コロナが落ち着いてきてやっと
数少ない友達に会えました。
小学生のとき
同じクラスだった2人。

みみちゃんはママになって、
細い華奢な身体で
電動じゃないママチャリに
子供二人乗せてガチ漕ぎしています。

すーちゃんは県外に住んでいて
三姉妹の末っ子。
しっかり自分の価値観があって
くっきり美人な顔立ちで
スパッと悩みを斬っていきます。

このすーちゃんに
刀を持たせてはいけない。


みみちゃんママとは 
ご近所さんだけどコロナ禍になってから
3年会えてませんでした。
すーちゃんにいたっては
小学校卒業以来の再会だったので
もう20年以上ぶりの再会。

みみちゃんママの家集合で
ランチしながら昔話。

近くのイオンでプリクラ撮りまくって
帰りのバス代無くなって歩いて帰ったこと。
卒業式でおめでたいと教室内で花火したら
火災報知器鳴ってめちゃくちゃ怒られたこと。



ごはんに飽きてきたのか
落ち着きの無くなった子供たちの
遊び相手を任される私。

食べかけのパスタを横目に
アンパンマンのボールで子供たちと遊ぶ。

「ママかぁ…大変だなぁ。
自分の好きなことも我慢して
全部子供中心の生活だもんなー…。」

と思っしまった。
絶対声には出せない

遊び疲れて昼寝しはじめた子供たち。
コーヒー飲みながら
やっとゆっくり3人で話してた時に

すーちゃんが
「子供可愛いね。
でも1週間は我慢できるけど
これがずーーっと続くのはムリだな。」

って言った。

ついさっき
同じことを思ってしまった私は
めちゃくちゃ焦った。

みみちゃんママは
嫌な気分になってないだろうか
顔は見れなかったけど
多分モヤッとしたんじゃないかと思う。

昔はなんの気兼ねもなく話せたのに
今はアレコレ気を使わないと話せなくて
いちいち顔色気にしないといけない。

立場が変わると女友達って難しいな。

なんか疲れたな…と思って
キリのよさそうなタイミングで帰ることにした。

みみちゃんと子供たちにお礼を言って
すーちゃんと家を出た。

県外住みの
すーちゃんを近くの駅まで送っていく帰り道、
ちょっとまだ話し足りなくて
公園のベンチで話の続き。
子供たちいたからあまり話せなかったしね。
と言う
すーちゃんは切れ味鋭い笑

未婚で子供もいないすーちゃんには
やっと本音が話せる気がした。

「子供たち見てると
私も今もう結婚して子供いたんだろーな。
まともに行ってれば。
病気になって社会のレールから外れたら
全然戻れなくて
自分のことだけで精一杯だわ。
結婚も子供も夢の夢、
というかもはや幻想。笑」

情けないこと言ってるなと
自分でも思いながら話してしまった。

すーちゃんは

「ほんとに結婚とか子供欲しいて思ってる?
みんながしてるからって焦るなら
別にしなくていいんじゃない?
多分めぐは
「こうじゃなきゃいけない」とか
「こうであるべき」
が強いのかもね?
小学生の時も優等生で
小学生とはこうあるべきだ!
っていうのを体現してたもんね笑」

嫌味を言われてるのかと思うのに
つい昔を思い出して笑ってしまった。


我が家は転勤族。
父親の仕事の関係で
小学生~高校生までに8回転校した。

1年の途中から
転校生として入ることもあって。

出来上がったクラスの中に
ぽーんと放り込まれて
その中でうまくやっていくための術を
無意識のうちに身につけてきた。

30人程度いるクラスの中の
ボスを瞬時に見つけるのは特技だし
裏ボス見つけるのは本当に早い。

結果、
カーストにもうまく入り込んできた。

外からやってきた異物の私が
集団に受け入れられるには
「一目置かれる」ことが
1番早くて効果的だと分かっていたから
勉強できるスゴい子
というスキルはマストだった。

体育は苦手で逆上がりは出来ないままだけど。

大人になった今でも無意識の中に
周りから受け入れられるためにはどうするべきか
みんなと違わないためにはどうしたらいいか
みんなと一緒、みんなと一緒。

呪文みたいに刷り込まれているんだと思う。

浮かないようにとばっかり考えてるから
やりたい事があっても
なかなか親にも友達にも言えなかった。

それに輪をかけて
親の転勤で物理的に出来ないこともあった。

父親だけ単身赴任出来たんじゃないか?と
今思うところはあるものの
我が家は家族全員で動く
ことを両親の間では決めていたらしい。

当時の私はもちろん知る由もなくて
転勤のせいで
叶わなかったことを数えたらキリがない。

自分のやりたいことは
どうせ叶わないから(言わないでおこう)

やりたい気持ちを
こうやって押し殺してきた挙句
本当は何をしたかったんだっけ?

今更迷子になってる35歳。
ほんと逃げ出したい…

すーちゃんが見透かしたように
「今晩何食べたい?決められる?
豪華だからとか
今旬の時期じゃないからとか
理由つけて食べないようにしてない?
食べたいものを
食べたい時に
食べたいだけ
食べればいいじゃん!
そこから考えてみたら?」

はい、また斬られた笑

自分の思う
あーしたい、こーしたいを
ずっと無視してたんだなぁ。
見ないようにしてたのかもなぁ。
すごく腑に落ちて笑った。

「魚食べたい!
さっぱり系の魚。鯛のカルパッチョ!」
(あー、でも鯛高いしなぁ、
クックパッドで調べないと作り方わかんないし)

モゴモゴしてると

「はい!考えない!食べたいもの食べましょう!」

もうすーちゃんは
私を刺身にする勢いで斬ってくる笑


鯛は高くて予算オーバー。
サーモンになってしまったけど
すーちゃんのお陰で
カルパッチョでサッパリしたい願いは叶った。

切れ味は鋭いけど
スパッと答えを目の前に出してくれる。
すーちゃんはかっこいい。

みみちゃんは、
ママになると制約が多くなると知った上で
それでもママになる道を選んだことはすごい。

私は私。
恥ずかしいと思わずに言えるようになりたい。

ちなみに、今晩のごはんは
辛いもの食べたくなったので暑いのにキムチ鍋です。

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