おちゃ

心に思うことを

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2009-2014-2024

ホームシック衛星2024のツアー初回公演に2日間参戦してきた。 終演後、同い年の友人たちと「BUMP OF CHICKENの音楽にいつ出会って」「何の曲で出会って」「どんな風に聴いてきて」「初めてライブに参戦したのはいつか」みたいな話をひたすらしていた。出会った時期は違っていても、みんな10代の頃の自分がどんな風にBUMPの音楽と向き合ってきたかということを熱っぽく語って、聞く側は全力で頷いていた。そういう話をしたくなる気持ちにさせられるライブだった、と思う。 2024年

    • 虹を待って

      「会いたかったよ」 ギターを抱えたバンドマンは、マイクスタンドの前でそう呟いた。エンターテイメントを生業としている人々にとって、もはやお決まりの挨拶のようなものだと認識していた言葉が、その日はあまりにも重く胸に響いた。一度の延期を経て、波と波の間を縫うようにして行われたそのライブで、彼らは二年八ヶ月ぶりに観客の前に立ったのだった。 会場内でマスクは外せない。ステージに自分の思いを伝える手段は拍手だけ。世界がこんな風になる前に、観客が歌っていた部分は「空席のままにしておく」と

      • 音楽文「"大丈夫"をもらった BUMP OF CHICKENと、流れ星と、約束のこと」

        ライブの後にやってくる感情には、どんな名前を着けたら良いのだろう。 音が声が直接耳に届く場所にいられる、たった数時間。 会場を満たす全てに心揺さぶられて、いつもより素直に泣いたり笑ったりしている自分がいる。 ライブは「ここまで」という目標地点だった。そこをめがけて息をして、辿りついたら不思議に全部「大丈夫」になってしまうのだ。 ただ、終わった後の感情の揺らぎが酷い。 目標地点は通り過ぎてしまった。じゃあ、明日からはどんな風に、何を目印に生きていけばいい。昨日までどうや

        • 音楽文「てのひらに感じる BUMP OF CHICKEN 『話がしたいよ/シリウス/Spica』によせて」

          透明なケースを包んでいるフィルムを、細心の注意を払ってそっと剥がした。表面に貼り付けられているシールも取っておきたいから、破いたりしないように気を付けて。 表も裏も背面のラベルも、一通り眺めたところで、ようやくケースを開ける。歌詞カードを引き出して、文字となって現れた歌詞を目で追う。最後に、慎重にディスクを取り出す。 ディスクの中身を聴く前に、心は満たされていた。 2年9ヶ月ぶりにBUMP OF CHICKENのCDを手にした。 11月14日にリリースされた「話がしたい

        2009-2014-2024

          音楽文「荒川ケンタウロスがいる日常 バンドの物語が続いていくこと」

          「おすすめのバンドは?」と尋ねられた時、荒川ケンタウロスの名前を挙げることにしている。 男性5人組、鳩が目印のおしゃれバンド。 このバンドが奏でる音を聴いてほしい。あわよくば、一緒にライブに行ってほしい。 きっと好きになるよ、とっても素敵だよ、と推し、せっせと荒ケン仲間作りに勤しむ。 彼らの音楽を聴くと、ありふれた日常が、物語のように変わっていく気がする。何気ない瞬間が愛おしく感じられる。 「大人になるってなんて 自由で不自由なことなんだろう あこがれになってしま

          音楽文「荒川ケンタウロスがいる日常 バンドの物語が続いていくこと」

          音楽文「勇気の唄 親愛なるBUMP OF CHICKENへ」

          「人に触れていたいと願う人が好きだ 嗚咽さえも垂れ流して 何度となく すがりついて 傷ついて 君に触れていたいと 名前を呼んでくれよ」【Title of mine】 高校2年生、学校からの帰り道だった。音楽が心に突き刺さって、涙が止まらなくなるなんて体験をしたのは。 あの日の夕焼け、風の匂い、冬に向かう空気の冷たさを今も覚えている。友達と別れ、一人で自転車を漕いでいた時、片耳にだけイヤホンを差して聴いていた。【Title of mine】。何度も聴いたことがある曲のはずだ

          音楽文「勇気の唄 親愛なるBUMP OF CHICKENへ」