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映画『太陽の誘い』

1998年/製作国:スウェーデン/上映時間:118分
原題 UNDER SOLEN
監督 コリン・ナトリー




予告編(海外版)

 まるでロマン派の絵画のように美しいスウェーデンの田舎を舞台に展開する、ラブストーリーの隠れた名作。
 抑制の効いた音と趣のある音楽を用い、中年の男女の心の機微を丹念に描くどこまでも美しい作品です。
 
 

STORY

 40歳になる農夫のオロフは、孤独で女性経験のない物静かな男性。 友人は、アメリカ帰りの生意気な青年エリックのみ。しかしそのエリックは、文字の読めないオロフをいいように利用し、生活している。
 そんなある日、オロフは一念発起し、新聞社へ家政婦を募集する広告を依頼しに行く。そして後日、その募集に応じ、美しくも謎めいた女性エレンがオロフの前に現れ、ふたりは一つ屋根の下にて生活することとなる。
 だがエレンには、ある秘密があり・・・
 
 

レビュー

 原作は、イギリス人の作家H・E・ベイツの短編で、その舞台をイギリスから1950年代のスウェーデンに置き変えて脚色したとのこと。
 コリン・ナトリー監督は「キネマ旬報」2000年7月下旬号のインタビューにて、

 「この原作を読んだ時、そこに描かれている孤独、友情、愛、そして裏切りといった感情に惹きつけられました。それは人間の普遍的な感情ですから、世界中のどの国にも置き換えられるでしょう」
 
 「原作でわたしの興味を駆り立てたのは、三人の登場人物、それがすべてであり、彼らに的を絞り込むことだけに専念しました」
 
 「映画は50年代に設定されていますが、開映の数分後には、そうした事実も意味をなさなくなる、そうあってくれることを願います。冒頭とラストに《先にありし者は、また後にあるべし。先に成りし事はまた後に成るべし。陽の下に新しきものあらざるなり》という聖書(伝道の書)の一文を引用しました。 この物語は、人類が誕生し、そしてわたしたちがもはや存在しえなくなるまで続いていくことなのです。従って、この作品はある時代を描いていると同時に、時間を超えた普遍的な物語でもあるのです」

 
 

と語ってらっしゃいます。

  基本的には大人のラブストーリーですけれども、最後の最後まで観る者をハラハラさせる飽きさせない展開となっており、エンターテイメント作品としても非常にレベルの高い作品です。
 主演3人と脇役陣の演技力は素晴らしく、その他の要素においても全く隙のない完成度をもって、観る者を魅了します。
 ※これ以上何か記すとネタバレになりかねないため、レビューを終えます



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