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「わた婚」実写映画、その魅力の謎解き。


こんにちは、雲州はとむです。「わたしの幸せな結婚」について感想レビューと、原作を好きになれなかった私が何故実写版に惹かれたのか。やっとお花見ツアーも落ち着いたので、自身を追求しつつ書いていこうと思います。

原作を好きになれなかった理由。


「わたしの幸せな結婚」は、二半年前ほどからTwitterにて話題になり、バズった途端に小説とマンガ版の売り上げが急上昇した作品です。私は引越しもありなかなか全巻買う決心がつきませんでしたが、作品を購入しなかった最大の理由は「ヒロインの性格と容姿、かつその相手役、そして絵柄が好きになれなかった」という致命的なところ。



どうして原作を避けていた私が、本来なら原作ファンに嫌われる可能性大な実写版映画に惹かれたのか。まずはセンセーショナルなこの告知映像の力が大きかった。


どうにも「薄幸と自己評価最底辺」を具現化したような、悪く言えば卑屈そのものなヒロインの美世と、そして政略結婚にて婚約者にあてがわれた、典型的なツンツンデレ美形久堂清霞のカップリング。設定からして様々な少女漫画や、BL二次創作、オメガバースにてモリモリ描き尽くされたネタですね。

とにかく私は、小説原作での美世の自分を卑下する思考が受け入れられなくて。どんなに不幸な出生であろうとも精神的に屈せず、不幸な出来事にも前向きに戦い続ける「赤毛のアン」や、自分の力で未来を切り拓こうとする「はいからさんが通る」の紅緒や環を見続けて育ったから。

個人的にマンガ版の絵柄が本当に苦手で。一応、実写映画を観てからコミックスは揃えたんですけど、見返すことは無いかも。カラーは本当に綺麗なんだけれど、肉感を全く熱にして伝わらない美世や清霞の……、生命力の無さと言うのかな……。


お二人、同い年なんですよ!誕生日が二週間違い。

今田美桜が、美世にシンクロした生命力。


やっぱり「わた婚」実写版で最高に良かったポイントは、今田さんがそんな「生命力マイナス2500」に与えてくれた生命力と情熱パッションだったかもしれません。

ビジュアル的にも彼女が演じる美世は原作や漫画を神レベルに超越していて、とにかく応援したくなるんですよね。あくまで実写映画は目黒くんが主演だから、ヒロインなのにトークでもきちんと一歩引いていて、二人の間にそのまま清霞と美世そのものな絆が見えるんですよ。

ストーリーの中で二人が微笑むシーンとか、リアルなお二人ともシンクロしていて凄い感情移入してしまった。




典型的な「政略結婚」のシンデレラストーリー。


早くに亡くなった自分に酷似した美しく優しい母、冷酷な継母と腹違いの妹、名門に生まれながら血筋を立証できない特殊能力の無さ。そして下女として扱われ虐待される日々。本当にこれでもかと「不幸なシンデレラ」を具現化している主役の美世。その人生は気の毒なんだけども、どうしても彼女が生理的に好きになれなくてですね……。

また、相手役の清霞もけして満ち足りているわけではなく、超絶サラブレッドな貴公子に生まれ育ちながら実親の愛を知らず、乳母のゆり江からの愛情を純粋に受けて大人になっている。軍人としても能力者としても完璧だが、後継者を残す為にあてがわれる女性に冷めきり、私生活をほぼ諦めて暮らしている青年で、こちらもまた可哀想な人。

どうにもこうにも、私が子供の頃からどハマりするタイプなんですよ。「機動戦士ガンダム」のシャア・アズナブル然り「銀河英雄伝説」のオスカー・フォン・ロイエンタール然り。本来は優しくて深い愛情の持ち主なのに、親と環境が悪過ぎる。

昔は、こういう家が決めた結婚が大量にあったんだろうなあ。



俳優によって、体温を与えられた人物達。


初めて告知映像を見た時、「今田美桜さんは情熱を秘めていて素晴らしい!」と純粋に感じましたし、また「仮面ライダーウォズ」として悪の華を咲かせてきた渡邊圭佑くんの薄刃新としての存在感にはとにかく酔いしれました。声も滑舌も上品な物腰といいブレイク以降つくづく上手いんですよね、彼は……。六年前までは無名のフリーターだったなんて、とても信じられない。



それからSnow Manを全く知らなかったので、清霞役の目黒蓮くんの肉厚のある長身はマンガ版の華奢さをいい意味で裏切られたし、主題歌の「タペストリー」も世界観にバッチリはまっていました。音楽の重要性を再確認しつつサントラがあまり良くなかったのが本当に残念。菅野よう子か澤野弘之に作曲して欲しかった……。

一番、私的に心を奪われたのは、清霞を育てた乳母のゆり江を演じた山本未来の圧倒的な上品な空気感。凛として美しく聡明さを溢れさせるその口調、物腰。さすがは世界の山本寛斎を父に持つ人だなと。

最近は、檀ふみに続いて阿川佐和子や松たか子など、文芸や古典芸能の大御所令嬢たちの活躍が目立つけど、彼女もまさにその一人。塚原あゆ子監督がベタ褒めしている理由も納得。

火野正平も石橋蓮司も、そしてナレーションと脇役を担当した津田健次郎も!!とにかく全てのキャラクターが活きている!!


文化服装出た漫画描きとして、ここはありがたかった!


美貌の貴公子以前に、優しい不器用な青年。


原作では「ヒロインの相手役」だった清霞だが、Snow Manの人気隆盛で「主演」となった目黒蓮の、独特なほんわりした本人の空気感が匂っていたキャスティングも逆に良かった。本来なら久堂清霞は「女性が気を遠くするほどの、美貌の貴公子」なんだけど、どう観てもアジア人の目黒蓮が身近にいそうな近しい青年を感じさせたのも私にとって親近感を覚えさせてくれたと思う。

……ただ銀髪があんまり似合わなくて。眉毛まつ毛もプラチナに染められなかったのかな。蒼いカラコンは入れて欲しかった!



残念ながら原作ファンの不満もこの「神を思わせる美丈夫ではない配役」にあるようで、美世とそれ程変わらない距離感が庶民的というか。でも超能力軍隊の中で普通に仲間と楽しそうにしている清霞が、私にとっては温かみが深くて好感を持てた。ボケツッコミの五道どのコンビも最高だし、同じ水瓶座なのも嬉しい!




塚原あゆ子監督の、多大なる力量。


まずは冒頭のタップダンスシーンから「あ、これは当たりだな」と感じたんですね。深く大きな青いドレープが開いていく「異能の牢獄」と、間違いなくラスボスであろう人物の影。明治や大正時代の日本の面影が匂い立つ帝都の、クラシカルな風景の光と影も罪深く美しい。



VFXも世界観に合っているし、かつて日本映画で膨大な興行収入を得た「陰陽師」や「帝都物語」を彷彿とさせられる映像美も、あの当時夢中で作品を観た私には堪らなかった。






続編はほぼ、決定のラスト。


「もう二時間は観ていたい」「毎週、ニチアサ枠で放送して欲しい」と思わされた「わた婚」実写版、どうやら続編はほぼ製作決定のようで、ラストに出た仮面男の状態やいかに。衣装も美しく俳優陣は若くて、みんなとても仲が良いんですよ!トークとかめちゃくちゃ楽しい!!



まさに大金をかけた「昭和スターのキムタク信長」とはどれも正反対だった映画でした。ジャニーズだけでなく、国内の俳優世代交代を感じずにはいられない。



目黒くんのスラリとした長身と、肩と背中で軍服やマントを着られる脚の長いスタイルが素晴らくて。「これが令和の青年なのか」と、イラストの勉強にもなりました!



グッズもパンフレットもすぐに完売してしまい、なんとか再販を予約購入できたけれど、「これが、ジャニーズ映画を楽しむ大変さか」と痛感させられました。続編は早めに色々購入せねば。







ついつい、買ってしまったSnow ManのCD!


多分、まだ森くんがいた頃に買ったSMAPのCD以来だから……25年の間隔を空けて、ジャニーズの音楽ディスクをポチりました。どう探しても「タペストリー」の有料配信が無くて! youtubeで仕方なくMVを繰り返して流していたんですが、彼らのダンス映像も好きなのでBlu-rayも購入考慮中です。黙々と原稿をしているときにちょうどいい音源なので。



目黒蓮×今田美桜のドラマにも期待!


この映画のプロモーションにて多忙を極めたお二人でしたが、どうやら新規ドラマにて早速続いての共演とのこと。なかなか楽しみにしています。私の中で目黒くんは「ほんわかして、大切に育てられてきたと分かる青年」なので、そういう彼のフワフワした暖かみが出ている役柄をもっと観たいかな。




好きが止まらず、来週の水曜も観に行くよ!


やれやれ、この一ヶ月は都内お花見ツアーと「刀剣乱舞」イベント上映など、本当に慌ただしかったけど、「わたしの幸せな結婚」は二回観たし(プラチナボックスシートにて)、自分の作品にもヒントを与えてもらえる作品で感謝しています。

タイBLの「LOVE by Chance」も、攻めが、バリバリのツンデレ御曹司だったし、良いものをダブルで楽しめました。

続きは来年かなあ、可能な限り早めに観たい!次回はIMAXと4DX対応にして頂きたいです!




アニメは実写版を越えられないと思います……。それだけ実写映画が良かった!!



海外進出、おめでとうございます!

ど、どうしよう。行くかも、行っちゃうかも。




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マダム、ムッシュ、貧しい哀れなガンダムオタクにお恵みを……。