【古事記まとめ&ツッコミ02】イザナギ・イザナミの国産み神産み

あらすじ

天つ神(あまつかみ)という神聖な神々は、イザナギとイザナミの男女二人の神様に、

「この漂える大地を、修(おさ)め理(つく)り固め成せ」

と「地上世界をよく整えてお前たちが治めよ」という命令を与え、天の矛を二人に授けます。


そして、イザナギとイザナミが、天の浮橋に登り、雲の上から矛でまだ混沌としていた大地をかきまぜて、矛を引き上げると、そこから塩がしたたりおち、おのころ島という大地ができました。

二人の神様はそこへ降り立つと、巨大な柱と神殿を建て、さっそく国や神を産もうとします。

まず男のイザナギが女のイザナミに対して「お前の身体はどうなっている?」と聞くと

イザナミは

「私の身体には足りない所が一つあります」

と答えます。

対してイザナギは

「俺の身体には、余っている所が一つある。ここをお前の足りない所に入れて、国を産もうと思う。どうよ?」

と問うと、イザナミは笑顔で

「いいでしょう」

と承諾。

二人は天御柱(あめのみはしら)という巨大な柱を、男子は左から、女子は右から回って、互いに声をかける儀式をして、子供を産もうということを取り決めます。

最初は、まずイザナミが「やった、イケメンだ!」と声をかけ、イザナギが「やった、美人のねーちゃんだ!」と声をかけ、それから二人は一つになって子供を産みます。

ところが、この時は、骨や皮のないヒルコという子どもが生まれ、子作りに失敗したので、その子は葦の船に入れて流してしまいました。

がっかりした二人が天つ神に占いでお伺いをたてたところ

「最初に男子から女子に声をかけて、それからセックスしろ」

と言われます。今度は柱を回って互いに声をかけてセックスする儀式を
する時に、まず男のイザナギが「美人のねーちゃーん!」と声をかけ、
次に女のイザナミが「イケメンだ!」と声をかけ、男女合体して子供を産もうとしました。

(余談。日本書記の一書によるとセキレイの交尾を参考にしたそうなので、イザナギとイザナミのはじめての体位は後背位だった説があります)

すると、日本列島の島々や山の神など、次々と土地や神々が女神の身体から産まれていきました。


ツッコミ

昔の人って「(性的なことは)秘すれば花」という思考じゃなかったんだろうなということがよく見える神話です。(時代が変われば感覚も違う)

別の角度で考察するなら、それだけ「男女が交わり→母から子が生まれる」ということに「偉大な生命の神秘」を感じていた可能性が高い話でもあります。


今回の話の構造で面白いのは、最初に天つ神から二人が地上世界を治めよというミッションを与えられた後で、

まずやってみる、一度失敗する、お伺いをたてて改善する、そして成功する、という構造になっているところです。

ビジネス書風に言うと、「計画、実行、改善、再実行」のPDCAサイクルをきちんと高速で回しているのです。この二柱の神々。



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