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自分自身に「覚悟のある肯定」を。 #それ勝手な決めつけかもよ

「自分のこと、全く好きじゃなかった。」
そう言ったら、高校生たちはびっくりするかな。

日々、高校生の相談にのっている私は、
何もかもを受けいれているように見えているかもしれない。
でもほんの一年前まで、ほんとうに自信がなくて、
自分に対して嫌いという感情の方が大きかった。

それは、たくさん失敗してきたからだ。
失敗だと決めつけてきた過去が
たくさんあったから
、とも言える。


新卒で東京に出たのに3年たたずに京都に戻ってきたこと。
友人と始めたイベントスペースを続けられなくて迷惑をかけたこと。

大きなことばかりではない。
守れなかった約束、続けられなかった関係、愛することへの怖さ。

思い出すだけで、黒い気持ちが広がる。

それらの失敗を放っておいたから、私にはとにかく自信がなかった。
どこかで「また同じように失敗してしまう」そう思ってきた。

やりたいことをやって、失敗して傷つきたくない。
いつからか、勝手にそう決めつけてきたように思う。



2020年の緊急事態宣言。
楽しみが次々と制限される波にのまれたくなくて、新しいことを始めようと思った。ずっとやりたいと思っていた、企画と言葉を学ぼう。2020年の半年間「言葉の企画」に通うことに決めた。

言葉どおり必死で課題に取り組み、#超言葉術 を何度も読み返し、オンラインでやりとりを重ねて、書いては悩んで悩んでは書いて、好きをたくさんもらって、やっと掴みとった感覚。

「信じられる自分」を見つけていく。

半年間、阿部広太郎さんと企画生の仲間と向き合って(向き合ってもらって)手にした、自分の心の名前は「自信」だった。
贈り物をもらったみたいでもあった。


「この体験を一冊の本にして届けたいと思っています」

阿部さんから言葉の企画の講義でそう聴いたとき、なんて素晴らしいんだと思った。この感覚をわかちあえること、それは多くの人の「希望」になると思ったから。

ついに、本日5月28日(金)書籍の発売がスタート。
一足先に読んだ感想を、私自身の物語と合わせて書いてみます。
あなたに、届きますように。



私は、2020年6月に新型コロナウィルスの影響で仕事を失い、無職で「言葉の企画」の初回を迎えることになった。

初対面で必ず訊かれる「お仕事、何されてるんですか?」に「無職なんです」と答えていた私。「無敵期間だね!」と言ってくれた企画生(言葉の企画の仲間をそう呼んでいる)がいた。
何にも縛られない、敵なしでしょ?と。

無職 → 無敵期間
そっか、無敵ならとことんやりたいことをやろう。

まるで、ニュートンの「創造的休暇」のように力が湧いてくる解釈だった。


そこから私は、ご縁に導かれるまま、京丹後市への移住を決め、新しい仕事を得て、日々高校生や地域の人々と居場所をつくっている。


今思えば、チャレンジの連続だったけれど、毎日濃くて楽しくて、あっという間の一年だった。


「言葉の企画は、How to ではない」と書いたことがある。「Why」自分はなぜこの選択をするのかに、とことん向き合う。

一人では心もとないから”仲間”と一緒に、すぐに出来るようにはならないから”練習”を重ねる。

それはやがて、習慣になり、生き方になっていく。

言葉を企画するという概念。
”未来をたぐり寄せ”、”解釈する先に進む"生き方。

「言葉の企画」を卒業しても、みんな企画を続けている、むしろ加速しているのは、自分で自分自身を掴みとる仕組みになっていたからだと思う。

「その人自身を大切にする」阿部広太郎さんという人の”あり方”だ。

それは、この本でももちろん貫かれている。
阿部さんは、富士山のようにどーんとただそこにいて、話しかけるとすぐに反応を返してくれる。たっぷりの愛を込めて。

相手をまるっと信じることであり、相手を信じる自分を信じるということ。
そんな心地よい"あり方"の本だ。

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【解釈は自由への翼】
帯の手書きの文字。

自分の人生を生きるための「解釈」という名の翼は、自分で育てていく。
人から出来あがったものをもらうのではなく、自分で背中に翼があることに気づき、周りの人に助けてもらって育んでいく。

勝手に自分を諦めない。
勝手に自分を決めつけない。
勝手に自分をみくびらない。

「はじめに」という名の「招待状」の言葉は、阿部さんそのものだし、企画生たちにも広がっている「チャレンジする姿勢を支えている意志」だと思った。


勝手に〜しないということは、自分の気持ちに素直になることだと思う。実はいちばん難しいことかもしれない。
でも、みんなで”練習”すればこんなふうに出来るんだ、こんなに気持ちのいいことなんだ、という感動をぜひ味わってほしい


だれのために未来を語るのでしょうか?
それは間違いなく自分自身のためです。
そして、この先の道をともに
過ごしていく人のためでもあります。


「小さな寄り道 その4」のこの言葉を読んだとき、どばっと涙が溢れてきた。

そうだった、私はこのために高校生たちと「やってみたい」ことを話しながら、未来を語っているのだ。全ては、目の前のその人のためであり、私自身のため。

「そうなんや!」「それいいやん!」と一日に何度も口にしていたい。伝えてくれたことへの感謝を込めて。

だから、その人自身でいられる居場所にする。ただそこにいるということを認めて、関われることをよろこびあえる、そういう"あり方"を続けていくのだと。

目の前のあなたにも、そして自分自身にも「覚悟のある肯定」を。否定でも無責任にいいねと言うのでもない、私自身として肯定すること。阿部さんの言葉で、特に好きなもの。

そのために必要なのが、”だれかの正解にしばられない「解釈」の練習”だと思う。大切な人を大切にするには、まず自分からだ。


「人は、いつからでも変われる。」
最後に、私はやっぱりこれを伝えたい。

2019年8月11日、noteに「本棚ーなんども読むnoteー」というマガジンを作った。1本ずつ大切に封入して、もうすぐ100本になる。


実はこれ、阿部さんの衝撃的だったnoteをずっと忘れないために作ったものだ。

自分を信じることができなくて悔しい気持ち。自分の「好き」に素直になれていなくてもどかしい気持ちを、日常で忘れてしまわないように。


自分の信じる、いい仕事をしましょう。」という最後の一文。
私は、この言葉をずっと心に留めて過ごしてきた。

自分の信じる、いい仕事って何だろう。

当時は自分を信じることができなかったから、
”自分を愛す”練習としてnoteを書いてきた。


今の仕事のコンセプトである「ルーツ、をつくっていく」、相談員をしている居場所「roots」の名付けを経験して。

私は今、「自分の信じる、いい仕事」をしていると思う。

言葉の企画、noteやTwitterで”書く”ことを通して、人と出逢い、自分の輪郭に気づき、あんなに嫌いだった自分のルーツさえ愛しはじめている。

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ルーツという言葉は、ルート・奇跡という言葉の持つ意味から、過去のことをイメージされることが多い。もちろん、過去を解釈してチャレンジの力にもしてほしい。
でも、私が「ルーツを、つくっていく」というコンセプトにしたのは、未来から見たら今のチャレンジがルーツになる、という感覚を持ちたいと思ったからだ。

どんな未来だって、今からつくっていける。

第4章のこの言葉に、伏線を回収してもらった気がした。



私は、この本を誰よりも高校生に読んでほしい。
自分のことが掴めず、未来が漠然と不安で
期待していた”青春”を我慢せざるを得ない高校生たち
に。

厳しい時代だからこそ、自分で
自由への翼を見つけて育んでほしい。


立ち止まることは怖いし、
忙しい人ほど立ち止まれない。

この本がきっかけになって、
一人ひとりが立ち止まって自分を見つめて、
勝手な決めつけから解き放たれたら、
その機会を選びとることができたら、
その人自身として生きはじめたら。

その人が、次の誰かを勇気づけて支えて、
当たりまえの幸せが広がっていく。
そう信じているから。

今日から私は、ここで伝えていく。

#それ勝手な決めつけかもよ ? 

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あなたにとって、
この本が始まりかもしれない。
いいかもと思ったら、ぜひ読み始めてほしいのです。

最後まで完走できるように、
阿部さんと編集者の橋本莉奈さんの愛が
ぎゅっと詰まっているから大丈夫。

「一人じゃない。横に僕もいるから。」
そう言ってくれる本です。

いつかまた、企画で会えますように。

朝になりました。
今日も、自分の信じられる、いい仕事をします。


阿部さん、橋本さん、そして本に登場する
「解釈」を分かち合った全ての皆さん、
(離れていてもつながっていると感じて嬉しいページです)

心から、おめでとうございます!!!


2021年5月28日
稲本朱珠


photo:
学生時代に所属していた広告研究会のみんなと、紙ヒコーキを飛ばしたときの思い出。

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