「The Star Outside my Window」by Onjali Q. Raúf /レビュー
【作品情報】
ジャンル:児童書(9歳以上)、家族、冒険、孤児、家庭問題
出版:2019年(Orion Children's Books)
こちらはウォーターストーンズ児童文学賞やブルーピーター文学賞の受賞作である「The Boy at the Back of the Class」(邦題「5000キロ逃げてきたアーメット」)の著者Onjali Q. Raúfさんの、同じくミドルグレード向けの作品「The Star Outside My Window」です。現在のところ翻訳はされていないようです。
【あらすじ】
10歳のAniyahと弟のNoahは、母親が突然いなくなったことで里親に預けられる。ある日、彗星が地球に接近し、明るい星が夜空に輝いているのを見つけた。すばらしい心の持ち主は星になると信じる星好きの少女Aniyahは自分を「Star Hunter」(一般には「天文学者」)だといい、その彗星が消えた母親に違いないと確信する。ところが、テレビでは彗星の名前を公募するイベントが開催されていた。母親である星に勝手な名前をつけられたくないAniyahは、イベントを阻止すべく遠いロンドンの天文台に向かおうとするのだが…。
【感想】
子供の頃の記憶って、何となくこんなことがあった、くらいボヤっとしか覚えていないことが多いですが、主人公もこのボヤッとした記憶の中で、なぜ自分が里子に出されているのか分からない状況で物語が進みます。母親はどこかにいるはずで、なぜ「かくれんぼ」をしていたのか、なぜ「大きな音」のあと母親がいなくなったのか…分からない少女のもどかしさが伝わってきました。母親はまだきっとどこかにいる、あの大きな音は星が生まれた音だったんだ、と信じる姿がけなげでかわいくて切なかったです。子供たちだけで知らない所に冒険に行く「グーニーズ」とか「スタンドバイミー」みたいな少年少女冒険記みたいなワクワクした雰囲気が好きな人にもおすすめです。
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