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翻訳者は時代の最先端を味わえる

読書感想文。

最近、言語について興味があるので図書館で借りて読んだ三冊で気になった文を抽出。


「伝える極意」 長井鞠子

"よろこび"のひとつは「時代の波の頭に立っている」という感覚を味わえることだと思います。
戦後ながらく、自由主義陣営であるサミットの参加国と対峙してきたソ連の首脳が、まさに雪解けのような表情で各国の首脳たちと握手を交わしています。それを見てた瞬間、わたしは「あっ、いま世界の歴史が動いてる!」と感じ、鳥肌が立ったのを覚えています。
外国語の能力と同じくらい、母国語の能力も大切だと私は思っています。
語学力だけでなく、その場の必要に応じて知識・情報を自分のなかにインプットしておかなければなりません。
自分のなかに伝えたいと思うメッセージがなければ、いくら語学が堪能でも聞く人の心を動かすことはできないのです。

ほんとうにそう思う。日本人代表としてアラビア語話者とコミュニケーションをしていく機会が増えるわけだけど、何気ない日本の日常を伝えるために意識を向けて情報発信していく。


「同時通訳おもしろ話」 西山千・松本道弘
母国語以外を使える事は海外の人とも会話でき、考えが広がる。

I'll see what I can do
I tried but I wasn't successful

「できるか確認してみるわ。やっぱりできひんかった。」自分が良く使うめっちゃ便利な文知れた。これから使っていこ。

バイカルチャーでないと同時通訳はできない。
アメリカ人の場合はものすごくオーバーに表現する。アメリカの俳優は全部リプリゼンテーショナル、つまり現実描写的ですかね。日本は反対のプレゼンテーショナルで、繊細(subtle)な演技でも、ものすごく迫力を感じる。歌舞伎の「だんまり」のように…。


「翻訳ってなんだろう?」鴻巣友季子

翻訳ってなんだろう?
異文化の人とコミュニケーションができる手段
直感で思う言葉って意外と心の奥が見えて重要かも
じつは翻訳とは「原文を読む」部分の重要性が八割か、九割ぐらいでないかと、わたしは思っています。一語一句を訳すには、一語一句を精読し、的確に解釈しなくてはなりません。 
翻訳者は作品そのものを書くのです。
翻訳とは"体を張った読書"だと言えるでしょう。
批評が作品へのかぎりない接近だとすれば、翻訳はその作品を体験することである。
フランスの有名な翻訳学者アントワーヌ・ベルマン
良い翻訳者になるには、良い読者になる必要がある。

相手が伝えようとしている事をできるだけ理解したい私にとって、翻訳者に必要な能力は私にとっても重要な能力。


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