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対話による組織変革の会社Co-Evolutionの
末広信太郎です。

今日は、

「日本の組織の戦略性の低さ」

についてです。


私が組織変革の仕事をしたいと思った
きっかけの一つは『失敗の本質』という
本を読んだことです。

そこに描かれていた日本軍の組織の課題が、
当時勤めてた会社でも、お客さん企業でも、
そのまま残っていることに愕然としました。

無理な作戦で亡くなっていく日本兵が、
疲弊する日本企業の現場の人たちと重なり
ました。

私たち日本人は何も学んでいないのか・・・

何もできない、力のない自分にたいして、
悔しい気持ちになりました。

日本の組織で繰り返されている苦しみの
連鎖を止めたい。

日本の組織の進化に貢献したい。

そう思いました。



『失敗の本質』で描かれている日本型の
組織の課題のひとつは、

「戦略性」の低さ

です。


明確な目的が定まらないまま、物事が
決められる。

一部の限られた情報を元に、重要な判断が
下される。

部分最適な判断を元にいくらがんばっても、
全体の成果につながらない。


戦略は、目的達成のための明確なストーリー。

そのストーリーを見出すためには、
大局観が必要。

様々な具体的な事象を把握した上で、
俯瞰視点で全体を見て、要素間のつながり、
勝ち筋を見出す。

カオスの中に、意味、ストーリーを見出す。

社員のみんなが、

「これでいけそうだ」

と思えたら、それはきっといい戦略です。

いい戦略は、働く私たちに「希望」を
与えてくれます。

こんなふうに頑張っていったら、
心から願っている目的が達成できる。

その道筋を思い描ける。

自分が今やっている仕事が、全体の中で
意味づけられます。

だから、自律的にがんばれる。



皆さんの組織の現実はどうでしょうか?

どれくらい「これならいける」という
希望を持って仕事しているでしょうか?

自分の仕事が、願う目的の実現に
つながっていると、どれくらい
感じられているでしょうか?



実際には、

このままでこの会社は大丈夫だろうか?

今後の環境変化に対応していけるのだろうか?

などと感じることも多いかもしれません。

もし、そう感じているのだとしたら、
あなたの組織には明確な戦略がないのかも
しれません。



日本の組織によくある風景。

トップ層で何らかの方針が決められる。

その方針が下に降りてくるのですが、
それをどう実現するのかは現場に丸投げ、
という構図。

そうすると、各現場はそれぞれ自分達で
バラバラにがんばるしかない。

全体でどのように連携して勝つかの
戦略、ストーリーがない。

各現場の戦術レベルでの勝負。

よくある組織縦割りの構造はこのように
して生み出されます。



こういう構造が日本の組織のあらゆる
階層で繰り返されます。

社長と役員の間で。

役員と事業組織の間で。

事業組織の中で。

結局一番小さいチーム単位でそれぞれ
個別にがんばっている状況。

個別最適の集合体。


私も日系大企業で働いていましたが、
自分のチームの十数名だけで戦って
いるような気分でした。

ある提案案件で、外資系コンサル会社と
コンペでぶつかったことがありました。

日本型企業の私は、当時はコンサル経験も
少ない私がほぼ一人で考えて提案している
状況。

一方、コンペ相手の外資系はグローバルの
豊富な事例をベースに、組織力で提案して
きていました。

正直、「こりゃ勝てんわ」と思いました。



全体の戦略がなければ、各組織は連携も
できず、結局バラバラにがんばるしか
ありません。



私たちはいつまでこんな状況を繰り返して
いくのでしょうか?

日本型の組織にもたくさんの強みもある。

現場が強い会社が多い。

トップや本社のリーダーシップがあまり
なくても、現場力で結構やり切れてしまう。

想いのある人も多い。

ホスピタリティ、思いやりのある人も多い。

一人ひとりを見ると、素晴らしい人たちが
たくさんいる。

なのに組織になると、同じような問題を
繰り返してしまう。

本当にもったいない。



どうしたら、日本型の組織は進化できるで
しょうか?

大局観を持ち、実現したい目的を共有し、
それを実現できる戦略、ストーリーがある。

刻一刻と変わっていく環境変化もしっかり
認識し、戦略、ストーリーがアップデート
され続ける。

社員のみんなが希望を持ち、目的のために
戦略的に連携しながら、イキイキと働く。

何がそれを可能にしてくれるのでしょうか?



その答えは、「対話」です。


次回は、日本の組織の戦略性の低さを
乗り越えるための「対話」について
考えていきたいと思います。


それではまた次のメールで。

末広信太郎

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