【スエトモさん】

【週1本・水曜更新】某テレビ番組で『日本一の妄想男』なる名誉ある称号を頂いた筆者がお届…

【スエトモさん】

【週1本・水曜更新】某テレビ番組で『日本一の妄想男』なる名誉ある称号を頂いた筆者がお届けする短編物語。自身でスマホを使って撮影している写真と共にお楽しみください!

マガジン

  • 短編:【スエトモの物語】

    短編小説の物語はこちらです。 ◉毎週1本以上、継続はチカラなりを実践中!これらの断片がいずれ大蛇のように長編物語へとつながるように、備忘録として書き続けております。勝手に動き回る主人公、過去書いた人物が別のお話に出したりして…共感頂けたら幸いです。

  • RADIO:【短編小説の朗読】

    短編小説の朗読はこちらです。 ◉FM BLUE SHONAN 78.5 MHz にて絶賛放送中【九里みほ のMOFU MOFU RADIO】名コーナー「今夜あなたに聞かせたい物語」にて紹介された作品の数々!いつでもお楽しみ頂けるようアーカイブさせて頂いております!

  • ★【作者と読者のお気に入り】★

    ◉たくさんのビューとスキを頂いた作品と、個人的に好きなモノだけをギュッとまとめてお届け!30作品程度で入れ替えしながらご紹介。皆様のスキが集まりますように(笑)お気に入りの玉手箱!

記事一覧

独言:【おかしなこと言います】

今期の連続ドラマがまさかの『記憶喪失選手権』駄々被り状態なのですが、最初の2、3話を拝見したら、いつもなら3作品程度に絞って、最後は2作品しか見ないのですが。今…

短編:【仲睦まじく】

「ちょっと惜しかったね」 リビングで妻と息子が本日のミニテスト結果を見ている。 「どうしたの?」 帰宅した夫も会話に参加。 「これね、“なかむつまじい”を漢字に…っ…

短編:【公園発射台】

意外と知られていないが、この国では大きな橋の下には有事に備え、誘導ミサイルが装備されている。上空の偵察機や衛星から気づかれにくく、橋の幅が滑走に最適との施策であ…

RADIO:【俺がそんなことするようにみえるか?】

00:00 | 00:00

短編小説の朗読・第20弾。 このシリーズ最短の作品は、聞き終わった後に、なんの話を聞かされたのだろう、と思ってしまう秀作(笑)なんでしょうね、男女のお話は、それ…

RADIO:【最初から結論ありき】

00:00 | 00:00

短編小説の朗読・第19弾。 妄想世界の住民は時として、理不尽を笑ってしまう。笑うしか逃げ道のない現実。小説より奇なり、朗読という音だけのはずが、私たちの生活を脅…

短編:【隣】

「ママ、見て!落とし物!」 「落とし物?…じゃないわね」 「ケーサツにとどけないと!」 「なんだろうね…あ!触っちゃダメよ!」 最近、公園や街の中で、こうしたバッグ…

短編:【日本人もビックリ!】

カレーのデリバリーをしている褐色肌の外国人が、すべてインド人だという偏見を持ってはいけない! 同様に、デリバリーをしているすべての人が、道をちゃんと把握している…

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短編:【不甲斐ない】

市長が辞職した。 彼の口癖は『不甲斐ない』だった。 『いや〜ホント、不甲斐ない!私が不甲斐ないばっかりにこんな事態に…』 「ねぇこの市長さ、ずっと謝ってないよね…

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RADIO:【うどんとそば】

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短編小説の朗読・第18弾。 ウクレレ奏者で役者・ジブリ作品にも声優出演している濱野ロイさんが登場。九里さんと息のあった掛け合いで、文章とはまた違った味わいの、新…

短編:【その花の名はナガミヒナゲシ】

『この外来種、実は毒性が強く…』 『え!近所の公園でも良く見かけますよね!?』 『いやあ子どもが間違って触っちゃうと…』 昨日まで美しいとされた花が、闇へと落ちた…

短編:【シンプル・イズ・ベスト】

東京の賑わう繁華街。 「やめてください!」 「何だよ〜ちょっとくらいいいだろう」 「触らないでください!」 年の頃、二十二、三の女性がガラの悪い三人組の男に絡まれて…

11

RADIO:【ガラパゴス】

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短編小説の朗読・第17弾。 会社という場所は、そもそもガラパゴス諸島と同じである。それぞれの個体が生き抜くために肩を寄せ合い暮らしている。もっと言えば、この国も…

短編:【カフェにて(恋のリベンジ篇)】

通り横にあるそのカフェは、電源やWiFiが自由に使えることもあり、保険の勧誘、金品の営業販売、中には芸能事務所の面談や、ノマドワーカーなど、ちょっとクセの強い客が多…

10

RADIO:【神が授けた一日】

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短編小説の朗読・第16弾。 4月に入り桜が咲き乱れ、新生活が始まる。いまの自分と過去の自分が向き合う時。ぐにゃっとした時空の歪み、そんな時にはお酒が一番!そんな…

短編:【最初から結論ありき】

「そのお話…、エビデンスは何ですか?」 「エビデンス?」 「根拠です!」 「いやいや、意味はわかっていますよ。エビデンス、なんて…ありません」 立派な応接ソファーに…

短編:【花の教え】

「最近の桜って花びら白いよね…」 彼女はそういう敏感な感性を持っていた。 「白い?」 僕には、桜の花びらがピンクに見えていた。いや、そう思い込んでいたのかも知れな…

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独言:【おかしなこと言います】

今期の連続ドラマがまさかの『記憶喪失選手権』駄々被り状態なのですが、最初の2、3話を拝見したら、いつもなら3作品程度に絞って、最後は2作品しか見ないのですが。今期まだ6作品、録画を続けています。そのため週末は一気に鑑賞するので、疲れます(笑) 今期同じ『記憶喪失』ネタで、こんなに様々な表現があるのかと再認識出来る状態になるとは思いませんでした。 そうか、その『記憶喪失』は何話で戻るのか。実は、一話で復帰して、その記憶が無い話にしても良いのか、とか。最終回直前に戻る、とか。

短編:【仲睦まじく】

「ちょっと惜しかったね」 リビングで妻と息子が本日のミニテスト結果を見ている。 「どうしたの?」 帰宅した夫も会話に参加。 「これね、“なかむつまじい”を漢字に…って」 「ああ、結婚式のスピーチでも使うよね、“末永く仲睦まじくお過ごしください”って」 「僕、陸上クラブだから…」 「仲“陸”まじい。って睦を陸って書いちゃって…」 「クラブのみんなと仲良く、陸みたいな字って覚えたからさ…」 息子は少し悔しそうだ。 「睦まじいってさ、“親しい”より深い関係なんだってよ、意味的には

短編:【公園発射台】

意外と知られていないが、この国では大きな橋の下には有事に備え、誘導ミサイルが装備されている。上空の偵察機や衛星から気づかれにくく、橋の幅が滑走に最適との施策であった。 国が保有しているものの、整備の殆どは公園を管轄する市町村の公園管理事務局に委託され、異変が無いかを一週間ごとに報告する代物だった。有事に備える、ということは即ちその時が来なければ出番は無いということ。50年以上の歳月の中使われることはなく、現代の最新兵器との対戦には不向きな時代遅れのモノとなっていた。 「ど

RADIO:【俺がそんなことするようにみえるか?】

短編小説の朗読・第20弾。 このシリーズ最短の作品は、聞き終わった後に、なんの話を聞かされたのだろう、と思ってしまう秀作(笑)なんでしょうね、男女のお話は、それぞれの中で生きる像によって本当に悲劇にも喜劇にも聞こえる。もちろんこのお話は完全に喜劇ですが。

RADIO:【最初から結論ありき】

短編小説の朗読・第19弾。 妄想世界の住民は時として、理不尽を笑ってしまう。笑うしか逃げ道のない現実。小説より奇なり、朗読という音だけのはずが、私たちの生活を脅かす、この“ソウリ”のような存在が許せない、と、ついつい笑ってしまった(笑)

短編:【隣】

「ママ、見て!落とし物!」 「落とし物?…じゃないわね」 「ケーサツにとどけないと!」 「なんだろうね…あ!触っちゃダメよ!」 最近、公園や街の中で、こうしたバッグを見かけることがある。 「ちょっとパパに…」 写真を撮って、ショートメールで送る。 「あ、パパから…」 会社のパソコンで検索してくれたようだ。 『格安ポスティング業者』 これはどうやら、家やマンション・集合住宅などのポストに入っている、ビラやチラシ広告を投函する業者が置いていることがわかった。 「え、これ…ここ

短編:【日本人もビックリ!】

カレーのデリバリーをしている褐色肌の外国人が、すべてインド人だという偏見を持ってはいけない! 同様に、デリバリーをしているすべての人が、道をちゃんと把握していると思ってもいけない。 写真撮影やネタ収集には持って来いのまだ全部が葉桜になる、少し前の話。駅ひとつ先の道をぶらぶらしていると、明らかに迷子の配達員を見かけた。彼は明確に困っていた。観光地であるその街で、道行く優しそうな人たちに声をかける。が、外国人から「エクスキューズミー」と言われると、誰もがサッと避けてしまう。ぶ

短編:【不甲斐ない】

市長が辞職した。 彼の口癖は『不甲斐ない』だった。 『いや〜ホント、不甲斐ない!私が不甲斐ないばっかりにこんな事態に…』 「ねぇこの市長さ、ずっと謝ってないよね…」 姉ちゃんがリビングでポテチを食べながらテレビにボヤいている。 「“不甲斐ない”って言ってるよ?」 僕は冷蔵庫の牛乳をコップに注ぎながら応える。 「違うんだよ、不甲斐ないって、情けないとか、意気地ないって意味なんだよ」 「あ〜、そうなんだ」 「“不甲斐なくて申し訳ない”、だったら謝罪になるんだけど、“私が情けな

RADIO:【うどんとそば】

短編小説の朗読・第18弾。 ウクレレ奏者で役者・ジブリ作品にも声優出演している濱野ロイさんが登場。九里さんと息のあった掛け合いで、文章とはまた違った味わいの、新しい作品として生まれ変わりました。面倒くさい性格の男と、それでも見捨てない姉のような女のちょっと微笑ましい関係をお楽しみください!

短編:【その花の名はナガミヒナゲシ】

『この外来種、実は毒性が強く…』 『え!近所の公園でも良く見かけますよね!?』 『いやあ子どもが間違って触っちゃうと…』 昨日まで美しいとされた花が、闇へと落ちた、または落とされた。 朝のテレビ情報バラエティが5分も時間を割いて紹介した。理由は単純で、めぼしい芸能・スポーツの話題がなかったからだ。 10年以上前から各地の役所などで警鐘を鳴らし、ネットSNSの動画で度々アップされる身近な危険、季節の花。放送時間を埋めるため、このテーマに白羽の矢を立てた。 一気にトレンド入

短編:【シンプル・イズ・ベスト】

東京の賑わう繁華街。 「やめてください!」 「何だよ〜ちょっとくらいいいだろう」 「触らないでください!」 年の頃、二十二、三の女性がガラの悪い三人組の男に絡まれている。 「スミマセン、助けてください」 たまたま夕食を食べに来た、三十男に救いを求める。 「どうしました?」 「ひとりでフラフラしているなら、一緒に遊ぼうと言われまして」 「なるほど、では私は連れのフリをすれば良いのですね?」 「お願いできますか?」 「もちろん!」 「何だよ兄ちゃん、知り合いか?」 「待ち合わせを

RADIO:【ガラパゴス】

短編小説の朗読・第17弾。 会社という場所は、そもそもガラパゴス諸島と同じである。それぞれの個体が生き抜くために肩を寄せ合い暮らしている。もっと言えば、この国も、この星も、どこにいても別々の個体が同じ空間にいることを知っていれば、争いは起こらない。なんて大きなテーマを語ってるワケでは、もちろん無いのだが。

短編:【カフェにて(恋のリベンジ篇)】

通り横にあるそのカフェは、電源やWiFiが自由に使えることもあり、保険の勧誘、金品の営業販売、中には芸能事務所の面談や、ノマドワーカーなど、ちょっとクセの強い客が多く訪れ、なにより長居をしていてもあまり迷惑そうな顔をされないことが魅力の店だった。 私は、そのカフェまで徒歩3分の激チカ物件に住んでいた。あの日以来、…正確には数週間前、長く付き合っていた人と別れてから、暴飲暴食をしてはトイレで吐く、過食症にも似た行為を繰り返してしまう日々を過ごしていた。部屋にいると気が滅入って

RADIO:【神が授けた一日】

短編小説の朗読・第16弾。 4月に入り桜が咲き乱れ、新生活が始まる。いまの自分と過去の自分が向き合う時。ぐにゃっとした時空の歪み、そんな時にはお酒が一番!そんなお話なのか?

短編:【最初から結論ありき】

「そのお話…、エビデンスは何ですか?」 「エビデンス?」 「根拠です!」 「いやいや、意味はわかっていますよ。エビデンス、なんて…ありません」 立派な応接ソファーに座った男性は静かに足を組む。 「いいですか?…そもそも人類は朝と夕方二食で暮らす生き物でした。それをトースターを考えた偉い発明家さんの思案で、朝昼晩の三食にすることで、トースターも売れて、パン屋も儲かった」 「ああ、まあ、有名なお話ですよね」 「土用の丑の日。夏場にウナギ。これだって、そもそも冬場に脂の乗るウナギ

短編:【花の教え】

「最近の桜って花びら白いよね…」 彼女はそういう敏感な感性を持っていた。 「白い?」 僕には、桜の花びらがピンクに見えていた。いや、そう思い込んでいたのかも知れない。周りを見渡すと、至るところで花吹雪が舞っている。 僕には20年間、彼女がいない。奥手というか、人付き合いが苦手というか。大学に進み、同じゼミを専攻した彼女と出会った。 「もちろん品種によっても違うだろうけど…昔の花吹雪ってもっとピンク色だったと思わない?」 「ああ、そう…かもね…」 話を合わせてみる。 「自