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特別企画~「アサヤンvol.33」副読本(?)編その1

 まずは明日まで配信しているというイベント「アサヤン」のリンクから。

 サエキけんぞうさん、グレート義太夫さんが出演した水道橋博士が総合プロデュースするイベント「アサヤン vol.33」についての副読本というか、関連人物紹介をすることで、明日まで配信されているこの番組を見るきっかけになればと思ってしまったわけです。
イベントが始まる前に参考になればと書いた記事のリンクをまずは貼っておきますね。

 実は今回の記事を書いてみるきっかけみたいなものがありまして。
ビートたけしさんのビクターでの作品をディレクションした小池秀彦さんについて調べているわけではないのに、色々と頭の中でつながることがあったんですよ。
で、小池さんについて考えていたら、かなり面白くなりそうなので、「隠れ名曲、名演コレクション」より先に書いておかなければという判断をしたわけです。

 私が小池秀彦さんの名前を意識するきっかけは「ミュージック・ステディ」の杉真理さんの徹底研究なんです。
杉さんがやっていたバンド、MARI & RED STRIPESの楽曲解説「気まぐれママ・パートⅡ」に“よさこいの小池”とあったのがとにかく印象的でした(この曲の編曲クレジットも小池さんです)。
ビートたけしさんのバッキングで“ビクター小池”としてテレビに映るたび、“よさこいの小池さん”だと思った私です。

 つまり、私にとって小池さんといえばMARI & RED STRIPESのメンバーであり、よさこいの小池さんだったのでした。
MARI & RED STRIPESには竹内まりやさんや安部恭弘さんといったソロ・アーティストとして後に活躍する方々、山下達郎さんやB'zなどのライヴやレコーディングに参加していた故青山純さん、RCサクセションに加入する新井田耕造さんがいたり、他にもBOXの結成に参加した田上正和さん、小池秀彦さんと(エルトン)永田一郎さんがメンバーだったバンドなんですよ。

 しかも、ビクター側のディレクターは川原伸司さんですからね。
川原さんといえば井上陽水さん「少年時代」の共同作曲者であり、松田聖子さん「瑠璃色の地球」の作曲者の平井夏美さんでもあります。
MARI & RED STRIPESはその川原さんがそれまで宣伝担当だったのが、制作を担当するようになって初めてのバンドだったのです。
川原さんの「ビートルズみたいなことをやりたい」ということで思い浮かんだのが、コンテストで出会った杉さんのバンドだったのでした。
もっとも、川原さんは制作に専念したわけではなく、日本初(?)のブラス・ロック・バンドのスペクトラムの宣伝を担当しています。
ちなみにスペクトラムのリーダー、新田一郎さんのファースト・ソロ・アルバム『新田一郎 一番 クールが熱い』には川原さんは制作で携わっていました。

 MARI & RED STRIPESに話を戻しますと、名前の由来はリンダ・マッカートニーが変名でリリースしたスジー&レッド・ストライプスからとのことです。
MARI & RED STRIPESのシングル「思い出の渦」のジャケットはスジー&レッド・ストライプスのジャケットにインスパイアされたものだったとも。

 「ミュージック・ステディ」の杉さんのインタビューによると「『MARI & RED STRIPES』のレコーディング僕とは川原さんでやったようなものですね。今思えば『デモ・テープだったな』という感じです」とのことでした。
多分、バンドとしての作品というより、作品に対するアイデアはほとんど2人で出していたという意味に私は捉えています。

 杉さんと川原さんが共作し始めたのは1978年発売のMARI & RED STRIPESのセカンド・アルバム『SWINGY』収録の「僕のレディー」と「雨の日のバースデー」でした。

 その後、杉さんは病気療養生活に入り、CBSソニーからソロ・デビューする過程で、川原さんと距離を置くことになったのです。
ですが、杉さんのファースト・ソロ・アルバム『SONG WRITER』には共作した曲「Don't stop the music」が収録されています。
 
 川原さんのビクター時代の仕事で特筆すべきなのは、野村義男さん、曽我泰久さん、加賀八郎さんに衛藤浩一さんによるThe Good-byeのディレクターを担当したことでしょう。この件についてはいつかじっくり書いてみたいと思っております。

 小池さんに話を戻しますと、ディレクターとしての小池さんはビートたけしさんのみならず、近年再評価されている岡本舞子さんの作品も手がけていますね。
つまりビクターの中でもロック・セクション色が強いインビテーションではなく、歌謡セクションで仕事をしていたということでしょう。
 ビートたけしさんやたけし軍団COUNT DOWNの音楽的に洗練された部分は小池さんによるものが大きいと想像しています。

 あと、小池さんがプレイヤーとしてカシオペアの初期に参加していたことはアニバーサリー・ライヴの映像でゲスト参加しているのを見たからでした。

 サエキけんぞうさん側からのビクター、つまりフライング・ドッグ・レーベルについては明日にしますね。

今回の参考文献は
・「ミュージック・ステディ 別冊vol.5 FILE」(ステディ出版)
・「レコード・コレクターズ 2007年9月号 &2012年4月号」(ミュージック・マガジン)
・藤井陽一監修「ラグジュアリー歌謡」(DU BOOKS)
以上です。

 明日も副読本(?)編をやって、回数的に中途半端になりますから、新しい企画で3回やってみたいと考えております。お楽しみに。

 ではまたー。

・追記~配信が今日(6/18)までということで、ハルメンズやPANTAさん野宮真貴さんが作品をリリースしたフライング・ドッグ・レーベルについて書きました。
興味ある方は是非。配信もひとつよろしくお願い致します。


 

 

 

 

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