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2022ファジアーノ岡山にフォーカス34 -仙台戦-『ウルフシステム』

2022 J2 第38節 Home
ファジアーノ岡山 vs ベガルタ仙台
シティライトスタジアム

 吸い込まれるような快晴に惹かれてタイトル画像に決定。

 岡山は、ボールを狙う球食系となって、群れを形成して仙台のパスワークに襲いかかった。木山 隆之監督を頂点とする1チーム1指揮官型の群れをなして、雉プレスを敢行する。最高強度の雉プレスは、20分間。ペース配分を考えた雉プレスは、70分間続けることができる。

【 狼の生態 】
〘肉食系・群れを形成・一夫一妻型〙

参考サイト
オオカミまとめ!大きさや特徴、生態は? - pepy
は、こちら(別サイト)。
URL:https://er-animal.jp/pepy/29178

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2022 J2 第38節 ファジアーノ岡山 vs ベガルタ仙台 シティライトスタジアム

1、木山マジック(仙台戦)


 木山 隆之監督が、岡山が、一度も勝利したことがない仙台との試合に、新しい形をぶつけてきた。本来であれば、新監督と新布陣の仙台戦は、岡山の仙台への対策が難しい試合になることが予想された。

 恐らく仙台サイドは、3-1-4-2の雉プレスからのショートカウンターへの警戒と7チアゴ・アウベス対策、4-4-2のオプションも想定して、この試合を迎えたはずである。

 しかし、蓋を開けてみると、岡山は、恐らくスタートからは採用したことがない3-4-2-1。岡山は、仙台の新監督ブーストを回避するだけでなく、逆に新布陣ブーストで、仙台を内容で圧倒した。

 確固たる自分達のスタイルが確立されていれば、仙台もまだ戦えたと思うが、連敗からのシーズン途中での監督交代もあり、対戦チームへの対策をすることで、イーブン以上に+持っていくのが、仙台の勝ち筋であったのだが、その目算は、出鼻から挫かれてしまうことになった。

 この様子が伝わって来る仙台の18氣田 亮真のコメント

18氣田 亮真(仙台)
「戦術の浸透に時間がかかり、すぐにうまくいかないところもありますが、気持ちや情熱で補っていかなければいけないところもあります。」

Jリーグ.jp 試合後選手コメントより一部引用

 岡山の新布陣ブーストは、岡山に今季で最も効率的なポゼッションを生み出した。仙台のプレスに、チーム単位の主体性を持ち難いことで、プレスの効きにくい形勢に、持ち込むことができた。つまり、岡山の土俵に持ち込んだマリオネットシステム(試合前までのファジ造語名で、途中で名称変更)の発動により、岡山のしたいサッカーで、試合を進めていく。

 それでも、個の力に優れる選手がいる仙台のカウンターは、鋭かった。ポゼッションサッカーを展開するチームの多くは、カウンターに沈むことが多いイメージがあるが、岡山も被弾する可能性のあったシーンを仙台に作られていたが、組織的な戦いにおいて戦術的な優位性があったことで、仙台の選択肢を著しく制限することに成功していた。仙台が、攻撃に移ったときの人数が不足しており、「ミドルシュートしかないよね。」というシーンでミドルシュートを打ったシーンも何度かあった。これを決められたら仕方ないが、ミドルシュートは、そう簡単には決まらない。岡山が、仙台の選択肢を狭める事で、守備を安定させていたことがよくわかる。

 岡山が、優位に進めていた中で、高い位置で、ボールを奪うとカウンター発動。今季はまだ結果を残せていなかった38永井 龍が、最前線で体を張って、8ステファン・ムークへとラストパスを出せない中で、仙台の選手のクリアが結果的に8ステファン・ムークへのラストパスとなった。この好機に、強力な外国籍の助っ人選手の激しすぎる競争の前に出場機会の少なかった悔しさをぶつけるように、気持ちを籠めたシュートで、ゴールネットを揺らし、8ステファン・ムークのゴールで、岡山は、先制に成功した。

久々の出場でも結果を残した8ステファン・ムークの言葉。

8ステファン・ムーク(岡山)
「久しぶりのスタメンで、練習とは違うので序盤は試合のリズムに乗っていくことが難しい部分もあったが、ハードワークをし続けて試合に入ることができた。メンバーに入っていない時間も練習からハードワークをし続けていたし、監督からすると外国籍の選手を必ず一人外さないといけないという難しい状況だが、今日は自分にチャンスが回ってきてそのチャンスを今日は掴めた。」

ファジアーノ岡山公式HP 試合後コメントより一部引用

 実は、公式サイトの8ステファン・ムークの引用したこのコメントを含めて、この内容をパターンを替えて話している様に感じた。前提として、外国籍選手が5人いて、4人までしか出場できないという前置きが必要だからである。ただ、その中でも出場機会が来た時のために、しっかり準備する。こういった部分からもチームの一体感や雰囲気の良さ、そして、木山 隆之監督のチームマネジメントの総合力の高さを感じる。

 ただ、この試合では、なかなか出場できなかった8ステファン・ムークが先制点を決めた事に大きな意味があって、チームの底力を感じた試合でもあり、8ステファン・ムークが、最も輝いた試合でもあり、出場機会があれば、もっと良いパフォーマンスができる力のある選手であると感じた。

 チーム戦術の選択と、選手起用のどちらも的中した木山采配。まさに、試合開始から試合終了まで、木山監督の勝負感が際立った前半と言える。真の策士は、対戦チームの策を逆手に取ることができる。この前半はまさにそういった感じで、木山マジックの真骨頂とも言える素晴らしい前半であった。

2、ウルフシステム


 では、木山 隆之監督が選択した3-4-2-1には、どんな狙いがあったのか。

 一番の狙いは、34輪笠 祐士と26本山 遥の共存にある。展開力の部分で、34輪笠 祐士に分があり、3-1-4-2では、26本山 遥が割って入ることは、難しい。しかし、控えに置いておくにはもったいない豊富なスタミナと高い奪取力という武器があり、総合力も高い。

 7チアゴ・アウベスと27河井 陽介に、アクシデントがあったのか、戦術的な理由であるのかは不明だが、その二人をメンバー外にしてもこの形を採用することを決断したのであれば、驚きでしかない。

 ただ、中盤に奪取力が高く、対人守備に優れ、運動量豊富な二人を並べることで、中央での守備での制約は少なく、中央のスペースを埋めるというよりは、ゾーンディフェンスのように侵入してきた相手選手に、群れを形成して、プレスをかけていく。距離感やスペースという部分では、そこを離れることで、空くことがあっても、そこを突かせないプレスの圧と強度で襲いかかることで、スペースが空いているが、空いていない状況を作り出し、スペースを使わせないことで、多くの時間で、仙台の選手が保持するボール(球)に対して、岡山の選手がハント(狩猟)することで、仙台の攻撃の自由を与えなかった。

 また、WBの両選手のインターセプトやボール奪取は、非常に効果的であった。両チームのサイドプレーヤーには、基本的に一人しかいない。そこで、ボールを奪われてしまえば、カウンターのピンチやチャンスになりやすく、絶対負けてはいけないことである。

 ここの部分で、岡山の奪取からカウンターが効果的であったのは、リードしていることもあったが、先ほど指摘した34輪笠 祐士と、26本山 遥の守備範囲の広さで、中央での守備の優位性を発揮できていたことで、サイドを使うのではなく、使わせたことに出来ていたシーンが多かったのもも大きな理由と言える。

 プレスとインターセプトは、表裏一体で、プレスは直接寄せていく事でボールを直接奪うプレーで、インターセプターは、コースを限定して間接的にボールを奪う裏のプレーである。これを周囲の状況など把握した上で、正確かつ迅速に判断して、プレーを選択することで、良いボール奪取からのカウンター。つまり、効果的なポジティブトランジション(守備から攻撃への切り替え)に、繋げることができる。

 いつもの3-1-4-2の雉プレスが、寄せを軸としたものであるとすれば、3-4-2-1は、パスコースを限定し、インターセプトを軸とした雉プレスである。

 そのため、いつもより、最前線からプレスをかけていく人数こそ少ないが、前からプレスをかけても後ろの人数が揃っている(少しチームの重心が後ろにある)ことで、前を3枚でパスワークを制限しつつ、いつも以上に自由にトライできた。

 前の3枚が、奪えなくてもチームとして崩れない自由が大きいことで、8ステファン・ムークや38永井 龍が、攻守でより輝く。14田中 雄大も運動量豊富なので、ボールを保持されても気持ちを一瞬たりとも切れない状況を作り続けた岡山。1トップ2シャドーが、しっかり意志を持ったプレーができ、ボランチとWBも意志を持ったポジショニングができた。

 前からプレスを精力的にかつ持続的に続けて行く中で、仙台のパスワークの主体性は大きく損なわれて、攻守に置いて機能不全に陥っていた。岡山の中盤より前に運ぶのは、仙台のカウンタ―やセットプレーに限られた。

 ただ、この回数こそ限られたが、仙台の選手の個の力というのは、やはり高く、組織的に戦えないというのが、如何にJ2において勝ち点に繋げる事が難しい事であるのかを感じる試合内容であった。岡山の方が、シーズンがスタートしてから”縦ポン”や”外国籍選手頼り”と比喩されるサッカーであっても、如何に持続的に成長できる戦いとチーム作りをしてきたのかが、よくわかる内容でもあった。

 実際に、この試合では、3-4-2-1を採用していた影山ファジのようにポゼッションとWBの仕掛けを武器としてサッカーを彷彿させる今季最も良かった組み立てができており、「繋ぐ・保持する・崩す」というのが、最もできた試合で、木山 隆之監督の理想のサッカーに近いものであったことも間違いない。

 その分、一つ一つのプレーが重く、いつも以上の緊張感があった。その中で、より際立ってもう1つ印象的であったのが、仙台のサポーターのブーイングまで統制が執れた応援である。岡山目線で多く見かけるブーイングのイメージと違い、仙台のブーイングは、ラフプレーを抑制し、審判へのプレッシャーをかける。批判ではなく、「選手を守る」意味のあったブーイングを初めて目にする事となった。ブーイングからではあったが、仙台の歴史の長さやJ1で長く戦ってきたクラブであることを改めて感じる事象の1つであった。

 一方で、肝心の仙台のサッカーの部分で、しっかり上積みしていき結果を残せていれば、監督交代もなく、横浜FCと新潟の牙城を崩して優勝争いをしていたかもしれない。そして、岡山の自動昇格は、より厳しい状況に追い込まれたことは間違いない。しかし、継続性にも改革にも時代や状況によって、正解は異なるだけではなく、相性もある。今のJ2は、そこを少しでも読み誤れば、残留争いに巻き込まれる。仙台の大失速は、岡山サポーターの私から見ても衝撃的であった。岡山も今季は、勝負に出たシーズンであるが、今季での昇格を逃すと、現体制でのJ1昇格は、かなり遠のいてしまう。そういった意味で、サッカーの怖さも感じる。

 そして、「仙台らしいサッカーとは?」と、考えさせられる仙台の今の難しい状況が伝わって来る42富樫 敬真の言葉。

42富樫 敬真(仙台)
「本来の自分たちならば(先に失点したとしても)取り返して相手より点を取って勝ってきたので、その感覚を忘れてはいけません。長いことうまくいっていない中で、そういうことを自分たちで振り切って、もう1回勢いを取り戻していかないと。」

Jリーグ.jp 試合後選手コメントより一部引用

 そういった厳しいJ2リーグの第38節の仙台戦で、主導権を握るために3-4-2-1を採用して、雉プレスの密度こそ下がるが、自由度と持続性を高めて、後方のスペースを消し、カウンタ―を狙えるウルフシステムをぶつけた木山マジック(木山采配)。

 また、ウルフシステムが思いついた時に、前節のフォーカスでマリネットシステムと表現したが、システムだと意図と少し違ってくるため、マリオネットストラテジー(糸操り人形戦略=糸がリンクしたような組織力で、主導権を握るための長期的強化方針の比喩表現)へと、変更することとした。

 そして、この試合では、カウンタ―から追加点を2点奪っている。2点目は、16河野 諒祐は、インターセプトからのクロスに反応した22佐野 航大が叩きつけるシュートは、38永井 龍の跳躍によって、ブラインドからのバウンドしたシュートで、GKが反応仕切れず、決まった。バースデーゴールを決めた佐野 航大の勝負強さを感じたシーンだ。高卒のルーキーとして、開幕時は少し心細かったが、今や替えの効かない選手、いや(選手層が厚いので)、替えの効かない武器を持った選手と表現した方が適切か。何れにせよ、チームとして欠かせない存在となった。

 3点目は、途中出場の44仙波 大志が、前掛かりになった仙台のパスワークの隙をついて、頭でブロックすると、こぼれ球が、44仙波 大志の元へ転がり、一度はシュートを防がれたが、戻って来たボールを頭で今度は押し込んで、2つの意味で、駄目押しのヘッディングシュートを決めて、岡山が3点目を決めた所をで、試合終了となった。

 筆者が考えたファジ造語で、この試合を表現すると、

 「マリオネットストラテジー」で、チーム力を充実させて、温めていた「ウルフシステム」で、「雉プレス」の新たな形で、仙台の岡山対策を無力化に成功した「木山マジック」で、勝利を手繰り寄せた。また、主軸選手不在でも「岡山一体」の層の厚さを活かしての「Okayama Style」で、勝利を掴んだ。

残り4試合で、厳しい状況に変わりないが、最後まで自動昇格の可能性を信じて応援したい。

3、仙台からJ1を考える


 仙台のように、J1から降格してきたチームが、一年で独走して、J1に復帰。これが、難しくなっているのが、今のJ2である。横浜FCこそ、今は2位に位置しているが、大分と徳島も自動昇格争いからは、4節を残して、プレーオフに照準を合わせる状況に陥っている。

 良くある声が、J2からJ1への昇格だけを考えたサッカーでは、J1では通用しないという声があるが、実際にこういった声が強くなりがちであるが、私から言わせれば、J2を勝ち抜けないチームは、J1でも通用しないという事である。

 どちらかと言えば、J1昇格した時に、主軸を引き抜かれた事によるチーム編成上の敗北が、そのままシーズンの結果に直結しているように感じる。シーズン途中の監督交代もある意味、それも戦略上の失敗と言えるだろう。ただ、戦略の変更や転換が功を奏して、残留や昇格ができた場合に、その先の展望が見えていれば、”そのサッカーで通用しないという”と言われても勝ち抜くことができる。つまるところ、周りの評価とは結果が全てになりがちなのである。

 それもそのはずである。Jリーグは、今やJ1が18チーム、J2が22チーム、J3が18チームの計58チームもあり、全カテゴリーの試合があれば、29試合もある。そう考えるとこの全てをチェックしている訳がなく、ハイライトやサッカー専門番組や動画やSNSの評価を見てのイメージや、実際に対戦した時のイメージで語っている方がほとんどである。

 そう考えた時に、例えば岡山の動画を見たらPKも多く、外国籍の選手が多く決めていて、「外国籍選手の個の力に頼った縦ポンのサッカー」や、結果から「守備の堅いチーム」、セットプレーやゴール前での激しいプレーから「判定に助けられているチーム」と、捉えられることは極めて自然である。

 もしくは、データサイトを見て、そのデータで、解釈や視点の違いから、見立てを誤る事もまた、自然である。結局は、「百聞一見にしかず」で、ハイライトや記事の評価は、結局は90分間の内の1割にも満たないシーンを切り出したに過ぎない。そう考えると、岡山のサッカーを理解している人もJリーグファンの中でも、「100人中に1人満たず」と考えても大袈裟ではないだろう。

 100人いても他クラブのサッカーを正確に捉える事ができている人が何人いるのか。そこを理解して、他クラブのサポーターの評価の理由を、どう捉えるかで、レビュアーである私にとっては、岡山を知る理解にも繋げていて、悪い評価もそこまで気にならない(きつい表現は流石に応える部分もある)。ただ、勝負事である以上、感情的になってしまうのも理解でき、仕方ない側面もあるだろう。ただ、冷静になった時に、そうした評価も気が付けば、正確な評価に印象が変わっている事も十分ありえる。

 岡山サポーターである私に関しては、客観的な視点を意識しても、どうしても岡山の選手ばかり追ってしまう。どちらのサポーターの立場でない試合を見た時の方が、両チームの特徴や選手が印象に残りがちである。岡山の試合を見た時は、9割型岡山視点で、どうしても見てしまう。

 そういったタイプの私の語れることは、岡山が、勝っていた点と、岡山が負けていた点。この視点で、どうしても対戦チームを語ることとなる。岡山の試合で、岡山の出場選手や監督の采配の意図をある程度理解できても、その場では、どうしても岡山の情報ばかりになってしまう。

 だから、私としては、岡山視点から対戦クラブの良かった所や時には悪かった所まで、正確に岡山より”主観的視点”から、“客観的視点”として伝わる様に翻訳することを心掛けている。もちろん、主観的視点と客観的視点のバランスも意識しつつ、文章にしている。

 大半の事象には、理由や原因がある事が多い。しかし、世の中は分からない事だらけで、見誤る事や予想外の結果になる事が多い。だからこそ、岡山が自動昇格できる可能性がある限り、可能性は0ではないのだ。仙台が、ここから立て直してプレーオフを勝ち抜く事も十分ありえるし、それだけの力のあるチームである。

 サッカー界の常識や正解が目まぐるしく変わり、今や大学サッカーでもアナリストが、存在する時代である。その中で、100%があるとすれば、客観性であればデータは嘘を付かないですし、主観であれば試合中に生じる自分の内側の感情は、偽りようがない。

 だからこそ、SNSを通じて、ファジアーノ岡山の事を知って欲しい。そして、対戦クラブの事を知りたい。サッカーが好きだからこそ、負けた時も対戦クラブのサッカーが魅力的であれば、素直に凄いと伝えたいし、勝った時も対戦チームの良かった所にも気付きたい。42試合を岡山視点で楽しむだけではなく、対戦クラブ視点でも楽しむ事で、84試合を見たことになるかもしれない。

 これからも、喜怒哀楽が起こりうるドラマ(試合)を通じて、生まれる交流をこれからも楽しみたい。残り4試合だが、私は、8試合見る感覚で、残り4試合を見て行きたいと思う。

 明日の金沢戦を含めた4試合に向けての木山監督の言葉。

木山 隆之監督(岡山)
「残り4試合で、2位の横浜FCまで勝点5差。我々は勝利を狙うのみ。最終的に42試合が終わったときに結果が出るので、それをしっかり受け止めるが、今は2位に入ることを可能性がある限り目指して戦い続けたい。」

ファジアーノ岡山公式HP 試合後コメントより一部引用

 熱すぎる22佐野 航大の残り試合への意気込み。

22佐野 航大(岡山)
「U-19日本代表でもいろんな経験をして、それをものにできるかは自分次第。残りの試合をすべて勝って自動昇格したい。
最後は総力戦だと思う。誰が出ても勝てるチームだし、そのチーム内競争に負けたくない。試合に出てもっと成長したいし、勝ちたい。J1に上がることだけを考えて練習も試合もやっていきたい。
シーズンも終盤で本当にあと少し。間違いなく自分たちの力だけでは勝てないし、サポーターの皆さんやスポンサーの皆さんの協力が必要になる。その応援には結果で応えるしかない。残りの試合をすべて勝ちたい。」

ファジアーノ岡山公式HP 試合後コメントより一部引用

4、写真紹介


 最近は多くなっているの今回は、厳選します。

カリーカリーカリー!!
肉・肉・肉!!

 カレーと肉の2トップ。7チアゴ・アウベスと15ミッチェル・デュークの2トップ。メンバー外だが、二人のメンタリティは、フーズにも伝わっている。これからは、ファジ魂フーズと表現したい(するかもれしない)。

高校生が盛り上げてくれる!

 若い力は、サポーターでも勢いを生み出す。このエリアもそろそろ解禁されて欲しい。

入場!!
仙台のイレブン!
岡山のイレブン・・・?

 撮り逃しました・・・。仙台のイレブンがかっこよく撮れたので、許して下さい。私は、38永井 龍選手に、手を叩いて鼓舞して貰う(貰ったと思い込んで立て直す)。

仙台サポーター多い!!

 遠路はるばる起こしいただき有難うございました。集客力は、やはりJ1が長いクラブは、別格だが、仙台の応援スタイルのカラーは、より色濃く声出し応援された時に、その凄さを体感したいと思えるクラブの1つである。とはいえ、岡山も応援で、ただただ負けてはいられない。仙台に追いつけなくても、仙台のサポーターの良さを感じていくことでも岡山のサポーターは、一歩ずつ前進していきたい。

8ムークのゴールの時

 やっぱり、サポーターの近くまで行ってる!8ステファン・ムーク選手は、守備に頑張っているけど、シュート精度というか、強いシュートが打てるから出場機会を掴めば、得点をいっぱい決めてくれそう。

22佐野のゴール!!

 今回の22佐野 航大選手の選択は、ゲート10!22佐野 航大選手ならゴールパフォーマンスに新しい風を起こしてくれそうな気がする。偉大なる7チアゴ・アウベス選手のゴールパフォーマンスは、異次元。7チアゴ・アウベス選手は、ゴール(選手交代でベンチに下がる)パフォーマンスもレベルも高い。22佐野 航大選手のこの辺りの進化に期待したい。

選手が恐れる、ゴールの鉄槌の執行者(5柳)が44仙波に迫る・・・
ノリノリので祝福する二人に迫る24成瀬・・・
熱い抱擁の手前で・・・

 喜ぶ岡山の選手達を尻目に、足取り重くポジションに戻る仙台の守護神、天を仰ぐDFの選手。岡山もこういった悔しい想いをしてきた。どういったチーム状況でも失点は悔しく、ゴールは嬉しい。そして、負けるのは悔しいし、勝利できたら嬉しい。残り4試合。岡山も仙台もお互いに、選手同士が同じ方向を向き、どれだけ勝利に前進できるか問われて行く。両チームとも厳しい状況で、プレーオフで対戦する可能性も、非常に高い。しかし、どういった状況でも1試合1試合前を向いてプレーするしかない。どういった結末が待っているのだろか・・・言えることはただ一つ。繰り返しになりますが、お互いに最後まで可能性を信じて応援していきましょう。

サポーターの力は大きい!

 

次のホームは、秋田戦。

ホーム最終戦ということをあり、一万越えは、恐らく確実。観戦予定の方は、チケットの購入をお早めに。

最後に仙台の伊藤 彰監督の言葉を紹介して終えたい。

伊藤 彰(仙台)
「残り4試合をここでチーム1つになって戦って、なんとしてもわれわれの目的としているJ1昇格に向けて、残り4試合を死に物狂いで戦っていきたい。」

 試合に勝っても負けても勝ち点や順位が違っても、残り4試合に向けての気持ちは、共通である。戦術や個の力、気持ち、サポーターの力、あらゆるものを総動員して、勝利を掴み獲る事ができるか、そういった4試合があって、相手も勝ち点3を目指して、向かって来る。そして、向かって行かなければならない。昇格するためには、気持ちで引いて後手を踏む事は許されない試合が待っている。

 今回も最後まで読んで下さり有難うございました。ファジ造語に「ウルフシステム」を追加して、「マリオネットシステム」から「マリオネットストラテジー」へ名称変更及び内容一部修正してます。ファジ造語も増えて、スクロールも大変かと思いますが、もし良ければ、そちらもチェックして頂けると嬉しいです。有難うございました。

文章・図・写真=杉野 雅昭
text・figure・Photo=Masaaki Sugino

試合後コメント引用元紹介

アディショナルタイム(おまけ)

ファジ造語

チアゴ・タイム
 7チアゴ・アウベスのプレーの一つ一つにサッカーを楽しむという遊び心があり、そこに技術が伴った左足の凄さを称えて「悪魔の左足」と、呼ばれている。その左足を活かして、何処からでも何時でも狙っていて、7チアゴ・アウベスが出場している時間帯は、岡山の大きな得点源と言える。

本山丸(イメージは真田丸)
 大阪の陣で、大阪城に迫る徳川の軍勢に対して、真田丸は、大阪城の弱点を補う出城として築かれた。23ヨルディ・バイスと5柳 育崇の弱点は、釣り出されたときや、スピードであるが、26本山 遥かが主に、そういった守備対応をすることで、3選手の良さをお互い引き出すことで、守備が安定して、堅守を構築に繋がっている。

参考
2022ファジにデータでフォーカス2
「中盤の真田丸(本山丸)」
2022 J2第2節 岡山 1-1 徳島 レビュー
は、こちら(別サイト:SPORTERIA)。
URL:https://sporteria.jp/blog/sugi8823/6905499896963403777

ヤバス要塞
 語呂を意識して、5柳 育崇の「ヤ」と、23ヨルディ・バイスの「バとス」の二文字を抽出して、「ヤバス要塞」と、表現した。防衛において重要な地点の砦。砲台もある砦のことも指す。高い対人守備だけではなく、ロングパスの精度やセットプレーの得点力があり、まさしく要塞と言える。攻守で強みを発揮できる「ヤバス要塞」として、難攻不落を目指す。

梅田アウォール
 ファジの最後の壁。ファイアウォールに比喩した表現。戦術や個の力、連動性といった攻撃で、ゴールを狙ってくる様々な攻撃をシャットアウトする。そして、バックパスの受け手として、フィードや組み立てる一人として、パス交換(情報通信)。後方からの冷静なコーチング(情報の発信)。多くの情報を整理し、最的確な決断ができるGKである1梅田 透吾の良さを表現したファジ造語。

0バックシステム
 攻撃的で積極的なオーバーラップや得点力のあるCBである5柳 育崇や23ヨルディ・バイスのCBの2選手と、SBが本職である26本山 遥といった流動性のあるDFラインを形成することで、攻守において、自由に動くことで、攻守での手厚い状態を作り、数的不利になりがちな局面で、数的有利の攻撃シーンを演出し、守備でも積極的なアクションで、事前にピンチの芽を摘み、流動性から生じる集中力と緊張感から、カバー&フォローで、リズムを作り出す戦術システムのファジ造語。

木山ファジVer1
 2022シーズンの開幕からトライした新システムの4-3-3。超攻撃的なサッカーで、7チアゴ・アウベスを軸とした、自由と個の力を前面に展開していく。選手のコンバートやルーキーの積極起用で、勢いと爆発力があった。攻撃だけではなく、前からの守備でも効果的で、嵌める・奪うから得点に繋げることのできた試合もあった。ただ、対戦チームの対策が進む中で、勝ち点3が遠く、順位を下げて行く中で、4-3-3の戦術的アップデートの一時中断からの路線変更を余儀なくされた。

木山ファジVer2
 10節という節目で採用された4-4-2。4-2-2-1-1とも言える形で、4-2-3-1とも言えるが、ダブルボランチを採用することで、攻守での安定感が高まった。有馬ファジの4-4-2とは違い攻撃的な選手と、ロングパスの得意な選手が多く、速攻を主体として、速さ・強さ・高さを前面に出して、ゴールに出したことで、今季のメンバーに寄せた4-4-2。効果的なサイド攻撃やカウンター攻撃は切れ味鋭く、中央ラインの強固さで、J2屈指の堅守となった。

ヤバスギタ山城
 柳の「ヤ」、バイスの「バ」と「ス」、喜山の「キ(’’)」、堀田と梅田の「タ」、そして本山と喜山の「山」。まさしく攻略の難しい山城。そしてセットプレー=飛び道具が効果的な組み合わせとして、岩政 大樹時代を彷彿させる高さと強さを感じる。今後も色々な選手や形を試して行く中で、より強固にして欲しい。

木山ファジVer2.5α
 現状の個の力に赴きをおいたサッカーに組織力を強化することで、攻守でのより高みを目指す。特に重視するのが、「主導権を握るサッカー」。ただ、現状は、後で回すだけに留まり、プレスを受けてしまうことやパスコースが限定される中で、前線の選手の自由が制限されてしまうことで、パスがカットされたり、ゴールに向かってシュートに行く前に奪われたりと、逆にカウンターを受ける事が多くなってしまっている。もしかすると、別の形を模索することとなるかもしれないが、現状は明確な方向性のサッカーを体現できていない。

木山ファジver3
 前半は、15ミッチェル・デュークを軸としたサッカーを展開し、7チアゴ・アウベスの投入を皮切りに、パスに赴きを置くサッカーに展開して行く中で、22佐野 航大のプレーの変化や15デュークと7チアゴの連携、SBの関与、セットプレーの回数を増やす事で、ゴールに迫るスパークをかけることで、90分間での得点機会増に繋がっている。ただ、自分達が主導権を握るサッカーという点では、依然として課題が残っている。そこを残り約10試合で、カバーできるかどうか。

雉プレス(ファジアーノプレス)
 90分間のフルタイムの間、岡山式のハイプレスを続けること。2トップ、2列目、アンカーの7選手が積極的に、前からプレスをかけて、相手の組み立てを大きく牽制し、ボールを奪えれば、強力な2トップと2列目の選手が襲いかかる。そのプレス網を抜けても最終ラインの選手が、前に出て対応し、プレスバックで、自由を与えない攻守一体の岡山式プレス。

木山ファジBEST Ver1
 木山ファジの完成形。岡山が採用してきた3バック、4バック、5バックを1つのサッカースタイルとして体現。時間帯によって形を変える事で、対戦チームの対策を許さない。個性豊か選手を巧く起用することで、個の力を最大限引き出す。チアゴタイム、本山丸、ヤバス要塞、雉プレスと組織と個を融合した攻守にアグレッシブな完成形の1つ。

木山マジック
 あらゆる選択肢と可能性にセオリーや絶対はない。挑戦から修正、そして正解に近づいて行く中で、サッカーの完成度、総合力を高めていく。チームとしての戦術の幅は広がり、対応できないサッカーにより近づく。徹底した個人戦術と、組織的に戦術を兼備。予測不可かつ大胆な起用や策は、実は最適格。正攻法もしっかり採用し、その本質を見抜く慧眼と決断する豪胆さを持った勝負師でありながらリアリスト。その一手で、勝利を手繰り寄せる。

岡山一体
 輪笠 祐士が「秋田一体」のDNAを岡山に持ち込んだ。その時と同時にチームは、コロナで主軸に陽性者が続出の危機的状況に陥った。ただ、「秋田一体」のようにチームの総力戦で、新加入の輪笠を含め、横浜FCにこそ敗れたが、結束して2勝1敗に乗り越えた。こうした経験がチームを一つにし、粘り強さと勝負強さを兼ね備えた結束力が、今の岡山にはある。

「岡山一体」のファジ造語の由来は、もちろんブラウブリッツ秋田の「秋田一体」

Okayama Style
 「ハードワーク・堅守・デュエル」の3本柱をベースに4バックと3バックのメインシステムを軸にしつつ、攻守や状況に応じて変化する可変式を採用しつつも、システム自体も変更できる点が武器で、戦術の幅が広い。自由な発想をベースに個の力も躍動。自由と組織が一体となった新しいKIYAMA STYLEとも言える2022シーズンのファジアーノ岡山のサッカースタイル。

マリオネットストラテジー
 操り人形という意味ではなく、操り人形の構造をイメージしたファジ造語。選手と監督が意図(糸)で繋がっているが、選手と監督に主体性が存在して引っ張り合っても、切れない意図(糸)。それが、絶妙な組織力として強さに繋がっている。2022シーズンのJ2においては、試合の意図したように操る。この戦い方を極めていくことで、岡山の土俵で戦える術を岡山は、磨いてきた。対戦チームには、異質(別の競技)のサッカースタイルにも映るかもしれないが、これが、Okayama Styleの完成を目指すマリオネットストラテジー(主導権を握る戦略)によって、作り出されたサッカーなのだ。

ウルフシステム
 後方の守備のバランスとパスの選択肢を増やす事で、攻守でより手堅く戦える受けの守備スタイルカラーを強めた形。スペース(隙)を少なくして、距離感を良くすることで、安定が生まれた。その結果、前線の1トップ2シャドーは、攻守でより自由に動けるようになった。中盤からのインターセプトからのカウンターの切れ味や中盤から前に出て行く推進力もこの形の武器であり、魅力。今後のオプションの1つで、雉プレスも新たなフェーズに突入した。

代表作


2021ファジアーノ岡山にフォーカス46
J2:第42節:ファジアーノ岡山 vs ジェフユナイテッド千葉
「有難う有馬さん、有難う椎名さん、有難うファジ」
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URL:https://note.com/suginote/n/n511a1b501907

筆者紹介

筆者紹介
 某ゲームから野球派からサッカー派へと移籍。当時チーム名が、ジェフユナイテッド市原であった現ジェフユナイテッド千葉に興味を持つ。オシム(監督)と阿部 勇樹(選手)を中心にJリーグと代表をチェックしてきた。2008年より地元クラブであるファジアーノ岡山のサポーターデビュー。そこから、多くのファジの試合を見てきた。忘れることのできないエピソードが年々増え、シーズンを重ねる毎に想いは強く深くなり、2021シーズンは、初めて号泣。心からサッカー好きで、戦術の奥深さや、プレーの凄さなど、サッカーの本質での攻防にフォーカスを当てて、客観性と冷静さを意識した文章を投稿している。そのレビューへと突き動かす原動力は、サッカーへの情熱。熱さと冷静さを兼ね備えたフォーカスを今後も目指して、投稿を目指していくことで、サッカーの魅力の発信と、サッカーを通じた交流による、感動の共有と縁の繋がりが、楽しみ。ただ、たまに調子に乗り過ぎて失敗する悪癖もあるので、治したいとは思っている。そんな私ですが、noteやSNS、スタジアム等で、交流できたら嬉しく思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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自分の感じた事を大事にしつつ、サッカーを中心に記事を投稿しています。今後とも、よろしくお願いいたします。