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読書感想文|3-4月

もう4月が終わっちゃった🦕
はやい。

1.石狩少女/森田たま

( ストーリー )
昭和十五年に出版された作者森田たまの半自伝的小説。
みんなが良妻賢母を目指す中で、「自分は一生一人で生きよう」と思った主人公の悠紀子は頼もしい。

文学少女のませていて感受性が強い様が、幼き自分と重なりました。

半自伝的小説ということでエッセイみたいにすらすら読めた。

この本を読みながら「自分がこの時代の人だったらどう生きていただろう」と妄想せずにはいられなかった。
良妻賢母のフリをして、お酒を飲みながら読書ばかりしてそう。離婚を切り出されて実家に戻るところまで想像できる。
いまの時代に生まれて良かったかも。

悠紀子には許嫁がいるのだけれど、本書ではその許嫁の弟である吾郎の存在が印象的だった。
なんでもない会話が無限に続く相手がとても大事なんだよ、悠紀子。

このふたりの関係がどうなったのか、悠紀子の人生はどうなったのか、この本で語られることはなかったけど、巻末で作者の人生が解説されてすっきりした。
結末がおあずけじゃなくて助かった。


2.人は2000連休を与えられるとどうなるのか/上田啓太

( ストーリー )
表紙にある通り、人は2000連休(約5年半)を与えられるとどうなるのか、著者の体験を綴った本。

前半はストレスから解放された、曜日感覚が消滅し生活リズムが狂い始めた、などの体験談だったので読んでいて面白かった。

後半は哲学っぽくて、本のタイトルから期待していた前半のような内容とは違った。
そこは少し残念で読みにくかったけど、古代ギリシャで哲学が生まれたのもギリシャ人が暇だったからと聞くし、時間があると色々考え込んでしまうものなのかもしれない。

自分が2000連休もあったら何をするか想像してみたものの、貯金を切り崩す生活はストレスでしかないから私には無理だ。


3.いい人すぎるよ図鑑

( 内容 )
「いい人過ぎるッ」と思うような、優しいあるあるを集めた本。
世の中のいい人たちが報われますように。

本の表紙をみて買わずにはいられなかった。
これは誰かと一緒に読みたくなる本だったな。
この本を課題図書にしている読書会とか存在しないですかね。

私もいい人になりたいな。
激しく共感したいい人は以下の通りです。

  • オンライン会議で1人でも画面ONの人

  • 学校で後ろの席にプリントを配る時、必ず振り向いて渡してくれる人

  • 月初にカレンダーをめくってくれる人

  • 家飲みの後に「全部そのままにして帰っていいよ」と言ってくれる家主

  • 旅行にたこ足コンセントを持ってくる人


4.桃を煮るひと/くどうれいん

( ストーリー )
くどうれいんさんの5年ぶりのエッセイ集。

書店でこの本を見つけて「数ヶ月前に流行っていた本だ」と気がつき購入することにした。

食に関するエッセイを読むのが好きなので、ぐんぐんと読み進めることができた。

ひとりで外食ができないという話があったのだけれど、私もひとりで外食するときは損した気持ちになる。
ご飯が美味しくても真顔で食べ続けないといけないじゃないですか。
「美味しい!」って言いたいのに言えないのが悔しい。

なるべく誰かとご飯を食べたいな。
人見知りだから誘うのが苦手だけど。


5.遠慮深いうたた寝/小川洋子

( ストーリー )
エッセイ集。
何度見ても素敵な表紙だな。

小川洋子さんのストーリーよりも描写が際立つ作風があまり得意ではなく、このエッセイも少しずつ読み進めた。

本を何冊か紹介されていて、どれも気になるものばかりだった。


6.地球にちりばめられて/多和田葉子

( ストーリー )
日本が消滅したであろう時代、日本語を母国語とする女性が同じ母国語を話す人を探すための旅に出る。

図書館で単行本を借りたものの続きが気になりすぎてお風呂でも読み進めたくなり、結局文庫本を購入。

いろんな言語を話すうちにパンスカという独自の言語を生み出した者、パンスカに興味を持った言語学者、言語学者に惹かれた青年、言語学者の親など、それぞれの場所で生きていた登場人物たちがだんだん絡まり合って集結していくのが面白かった。
久々に一気読みしたくなった一冊。
帯には青春小説って書いてあったけど、個人的にそんな感じはしなかった。
3部作らしいから早く続きが読みたい。

文庫本の表紙を見て『異常』の表紙と雰囲気が似ているなと思って調べたら、どちらもPOOLという人が手掛けていることがわかった。
どこか不気味な雰囲気でまじまじと眺めてしまう。素敵だな。


以上です。
最近図書館で本を借りたりしているんだけど、お風呂で読めないし、返却期限があるしで、私には向いていないなと改めて感じました。



ではでは。

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