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私たちは子どもに何ができるのかHELPING CHILDREN《教育》

著者ポール・タフはフリーのジャーナリスト。子供の貧困と教育政策を専門に多数の執筆・講演を行っています。

本書を読んで印象に残った内容をアウトプットします。

1.非認知能力

非認知能力(グリット・好奇心・自制心・楽観的なものの見方・誠実さ)が教育において大切である。
数学や英語などの点数化できる能力よりも、その土台となる能力を培わせることが大事である。

ではそれを培わせるにはどうすれば良いのだろうか。
乳幼児期に必要なのが親とのコミュニケーションだ。子ども(赤ちゃん)が言葉にならない言葉で話しかけてきたときに親が返事をしてあげることだ。
親からすればなんの意味もないように感じるかもしれないが、子どもは親の言葉や外からの言葉でしか学べないのだ。
子どものサーブに対して親がきっちりリターンをすること。

次にストレスを与えないことだ。
前述のサーブとリターンをしない。ネグレクト。
暴力。大声で怒鳴られる。いじめ。
ストレスは脳の発達を阻害します。
当たり前のことを当たり前に継続することが子どものストレスをなくしてくれます。

2.学習に必要なもの・不必要なもの
学習のための積み木というレンズ
①健全な発達②学校への準備
③自分自身と学校に対するマインドセット
④忍耐力⑤自立と持続性
これら5つの発達段階にそれぞれ必要なものをレンズとして考え与えることで学習が苦にならない。

ハーバード大学の経済学者のローランド・フライヤーは貧困地域の公立学校で勉学に関する奨励金や賞を与えるという教育実験を行った。これは生徒・先生の双方に実施したものだ。結果は学習結果は悪くなった。
またダニエル・ピンクもアメとムチは仕事のモチベーションにならないとしている。(ものづくり時代には大きく役立ったが)
今の時代にインセンティブはモチベーションに繋がらないことは明白となったといえるだろう。

ではどのようなことがモチベーションに繋がるのか。
エドワード・デシとリチャード・ライアンが内発的動機づけで鍵となるのは「有能感」「自律性」「関係性」であると導いてくれる。
有能感と自律性は、少し頑張れば理解できる内容・懸命に取り組めば乗り越えられそうな課題を提示された時に感じられるだろう。
関係性は、何を教えるか、どう教えるか、いかに評価するかなど人間関係で感じられるだろう。

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