男として男性と付き合ってた時の元彼との話

今でこそ旦那の奥さんってのをしている私だが、昔は元彼達の『彼氏』ってのをしていたこともあった。いわゆるゲイ時代。当時、私は男として男性とお付き合いをしていた。

ゲイコミュニティの中では一般的なゲイ専用のマッチングアプリで出会いを探す。まだ女じゃない自分も男性とお付き合いをしたいと思うとそういったアプリで出会いを探すのが当たり前だと思っていた。そこでいい感じの人と知り合った。

少し年上の人。当時はまだギリギリ10代だった自分には、いくつかしか離れていない彼は大人に見えた。

初めて対面したのは彼の車の中だった。車を持ってるからドライブをしようと誘われ夜の10時にホイホイとなんの恐怖心もなく向かったのだが、待ち合わせ場所に止まっている車の窓からはブルーのライトが溢れていて、まだまだ純粋無垢な10代の自分にはとてもじゃないが無理だった。『絶対中身ヤバいやつや』と本能で察した。

とりあえず確認の電話をかける。「着いたけど、黒い車?中が青く光ってて普通に怖いんやけど」「それ俺やで、早よきてw」中身のヤバいやつは今まで連絡をとっていた彼で間違いなかった。助手席側の窓から軽く覗き会釈する。それを見つけた彼が手招きをするので扉を開け、「おじゃまします」と言って車に乗り込んだ。車の芳香剤も流れてる音楽も、ブルーのライトも内装も、行ったことはないがクラブに行きそうな人の感じがした。

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