薔薇園アヴは神ではない。

女王蜂を知っていますか。
知らなきゃ損をするなんて言いません。ただ、知ったら元には戻れなくなるとは言いたい。

私が見たあの人について、今回は書きます。

女王蜂( https://ja.m.wikipedia.org/wiki/女王蜂_(バンド) )
詳しいことはwikiなりなんなりを見てください。
ひとたび舞台に現れれば、そこがどんな場所であろうとも鮮烈なまでのディスコに変えてしまう、恐ろしいバンドだ。

これまで2度、彼女らを直接見る機会があった。その2つを通して、ずっと覚えていることがあるので、書き留めておきたくていま文字を打っている。

女王蜂のライブは基本4人の楽器陣と、真ん中にそびえる長い長い階段から登場する薔薇園アヴによって行われる。
楽器陣の4人のことも大好きなのだが、今回は彼女、薔薇園アヴについて書く。

薔薇園アヴは長い長い階段の上から、光を背中一点に集めて降りてくる。そこで歌いはじめる。その姿はまるで「神」のようである。

しかし彼女には「神」と形容するよりも相応しい呼称があるように思った。

彼女は神ではない。
彼女自身が一点に光を集め、その光に照らされ神々しく見えるが、彼女はいつもなにかを祈っている。祈るように歌う。泥の中から見た光のような人だ。苦しくて苦しくて仕方ない、もがく誰かが雲の隙間から見たひとすじの光に似ているが、彼女自身も身をちぎるような祈りをたずさえ、姿の見えない何かにすがろうとしているようにも見えるのだ。

薔薇園アヴは、「教祖」なのだと、私は思った。私たち教徒を、それぞれの救いの道へ導きながら、彼女自身もすべての身を捧げながら、自身の求める光に手を伸ばし、祈りを捧げる。ひどくセンシティブで強烈な曲の中、歌い踊る彼女を見てそう感じた。

さまざまなバックボーンを背負い、生きてきたであろう薔薇園アヴ。
それを支えるルリちゃん、やしちゃん、ひばりくん、みーちゃんの5人からなる宗教、それがバンド「女王蜂」であるように思えた。

光り回るミラーボールの下で、いやなことをすべて忘れさせ、踊り疲れるまで、飽きてしまう時まで、曲を鳴らし続け、私たちを日々の喧騒から遠ざけてくれる女王蜂。しかし同時にさまざまな感情を提示し、人々に自分のなかにあるどす黒い何かに向き合うように教えてくれる女王蜂。これからも躍進を見届けて行きたい。あわよくば一緒にお仕事したい~~~~~!!!!!!と思った、ドンシャリなのでした。

追記:10月11日にNHK大阪ホールで行われた女王蜂の初のホールライブに参戦してきました。ギラついた世界の中で、自分の欲望を忘れないようにという気持ちを、ふたたび思い出させてもらった気がします。最高でした。次も絶対に見に行きます。


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