【超短編小説】暗闇のなかで僕が見つけたもの
「暗闇のなかで僕が見つけたもの」
もうだめだ、と思っていたら
目の前に小さな光が浮かんでいる。
まるで小さな虫みたいに
ゆらゆら揺れながら浮かんでいる。
その光があまりにも小さすぎるので
僕は不安になって
風に消えないように両手で囲うのだけれど、
そんなことをしたら
なぜか光はまた弱くなってしまった。
ここは森の中の暗闇。
木々の匂いが辺りを包んでいる。
少し寒い。
地面に落ちていた木の切れ端を
小さな光に近づけて、燃やそうとしてみるけれど
やはりそれは燃えない。
そんなことをしたからか余計に光は消えていく。
あ。。。。
消えそうだ。
僕はそんな光の前に何もできないのか。
じっと座って、消えていく光を見つめていた。
ただ見つめていると、小さな光はぼんやりとまた浮かんだ。
僕はその小さな光を見つめて、じっとしているだけだ。
小さな光はただ静かにしっかりと浮かんでいる。
僕はもう何もせずにそれをじっと見つめ続けている。
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