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神経変性疾患×骨格筋。パーキンソン病,多系統萎縮症,進行性核上性麻痺


📖 文献情報 と 抄録和訳

パーキンソン症候群における骨格筋の健康障害:臨床的意味合い、メカニズム、潜在的治療法

📕Murphy, Kate T., and Gordon S. Lynch. "Impaired skeletal muscle health in Parkinsonian syndromes: clinical implications, mechanisms and potential treatments." Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle 14.5 (2023): 1987-2002. https://doi.org/10.1002/jcsm.13312
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[レビュー概要] パーキンソン症候群を含む神経変性疾患は、衰弱や脱力として現れる骨格筋の健康障害と関連しているという証拠が増えつつある。これらの症候群に特徴的な運動障害、筋力不足、QOLの低下の多くは、骨格筋の健康障害に起因している。本総説では、特発性パーキンソン病および2つの非典型的パーキンソン症候群(最も侵攻性の高いシヌクレイン病である多系統萎縮症およびタウオ病である進行性核上性麻痺)における骨格筋の健康状態の変化について述べる。骨格筋の変化の発症機序については、中枢神経系および末梢神経系の障害の寄与や内在筋の変化を含めて述べている。罹患患者の骨格筋の健康状態を改善する治療的可能性のある、根底にある分子メカニズムを標的とした薬理学的介入についても論じている。これらの病態の根底にあるメカニズムについてはほとんど知られていないが、現在のエビデンスでは複数の経路やプロセスが関与しており、筋の健康を守るためには併用療法が必要である可能性が高いことが強調されており、また、疾患の段階によって身体能力が異なる患者に対して個別化された介入を行うことのメリットが強調されている。筋疲労は診断前に患者が経験することが多いため、疾患の初期徴候を同定するためのこの症状および関連バイオマーカーの同定と測定には慎重な検討が必要であり、特に多系統萎縮症や進行性核上性麻痺では、症状発現から数年後に診断が下され、死後に初めて確認されることが多い。我々は、早期診断のための集学的アプローチを提案し、典型的および非典型的なパーキンソン症候群患者の筋肉の健康を維持し、生活の質を改善するための個別化介入を実施する。

■ パーキンソン病の場合

■ 多系統萎縮症の場合

■ 進行性核上性麻痺の場合

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

パーキンソン病とは、どんな疾患ですか、どこが障害されていますか?

そう聞かれたとき、「骨格筋」と答える人は、まずいないだろうと思う。
なぜなら、パーキンソン病の主座は中枢であり、脳である。
障害部位として、末梢であり、骨格筋である、と答える人は間違っている、とすら言えるかもしれない。

だが、今回の論文を読んで分かる通り、パーキンソン病に代表される神経変性疾患において、骨格筋は障害されている。
それが二次的なものであったにせよ。
だから、神経変性疾患者の動作上の問題のすべてを、中枢の問題、脳の問題であると捉えることは、妥当ではないかもしれない。
そして、介入の幅を狭めている一因かもしれない。
世の中の多くの事象は、影響度の大きさの大小はあるにせよ、たった一つの要因から起こっていることは少ないのだ。

神経変性疾患者において、効果器であるところの骨格筋の健康が損なわれる、障害されるということはある。
そして、その病態メカニズムを美しい図で示してくれた著者らに、感謝を示したい。

「お前は試合の時も1対1の時もプレイが同じだな・・・・・・・・」
流川「・・・・・・・?」
「1対1のトーナメントでもあればお前に勝てる奴はそういないだろう たぶん」
「でも実際の試合でもお前を止められないかと言ったら・・・・・」
「そうでもない」
「お前はその才能を生かしきれてねえ」
流川「なに・・・・!」
「1対1もオフェンスの選択肢の一つにすぎねえ」
「それがわからねえうちは」
「おめーには負ける気がしねえ 」

仙道彰

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