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運動計画を支える大脳皮質-小脳ループ


📖 文献情報 と 抄録和訳

運動計画を支える皮質-小脳ループの活動マップ

📕Zhu, Jia, et al. "Activity map of a cortico-cerebellar loop underlying motor planning." Nature Neuroscience (2023): 1-13. https://doi.org/10.1038/s41593-023-01453-x
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[背景・目的] 大脳新皮質と小脳は相互作用して認知機能を媒介する。しかし、この2つの構造がどのように機能的なネットワークを形成し、特定の行動を媒介するのかは、まだわかっていない。ここでは、運動計画をサポートする活動を、メソスケールの皮質-小脳コネクトームとの関連で明らかにする。

[方法-結果] 短期記憶に基づいて舐める方向を計画しているマウスでは、将来の運動を指示する準備活動は、前外側運動野(ALM)と小脳に依存している。経神経細胞トレースにより、ALMと小脳の分散領域との間に、分岐した、主にオープンループの結合があることが明らかになった。小脳全体の神経細胞活動を調査した結果、ALMとの入出力結合を持つホットスポット領域において、準備活動が充実していることが明らかになった。動揺実験から、この接続領域は準備活動の維持とその後の正しい運動に必要であることが示された。他の小脳領域は、ALMへの入出力接続があるにもかかわらず、運動計画にはほとんど寄与しなかった。

[結論] これらの結果は、機能的な皮質-小脳ループを同定し、小脳皮質が選択的に皮質-小脳の相互コミュニケーションを確立し、運動計画を編成していることを示唆している。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

小脳はフィードバック制御を、大脳基底核はフィードフォワード制御を。
大雑把に、そのような理解をしてきた。
そして、今回の抄読研究から、小脳の中にも入力-統合-出力の箇所があることを知った。

そして小脳皮質のより中枢の部分、統合の役割を担う部分は重要に思われた。
臨床上においても、小脳のより中枢にあたる部分が損傷されると、症状が重度化したり、予後不良となるケースが多い印象がある。
直には目に見ることはできない部分だ、このような基礎研究から、しっかりと学んでいきたい。

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