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近頃僕の中の「箱」のおさまりが悪い。
おそらく、僕の身体と箱のサイズが気付かないうちに合わなくなってきているのだろう。と、推測している。
箱の角が妙に当たってひりひりと痛かったり、箱の大きさを意識し過ぎて、動きが鈍くならざるを得なかったり、している。だが見た目には何も変化していないので、特に生活に支障はない。

箱のせいで動きが以前と違う僕を見て、友人のドナルド・マクドナルドが笑うくらいは支障のうちには入らないだろう、多分。

「特に生活に支障はないわけだ。なるほどね」
そう言いながらお腹を抱えて笑うのはやめてもらいたい。と、ドナルドマクドナルドに言った。
すると急に笑うことをやめて、ドナルドマクドナルドが僕の真正面に立った、
「だってさ、君らしいと思ってね。見た目には変化していないから。支障がない、なんて言うのは確かに君らしいね」
そしていきなりしゃっくりをし始めて、
「急に笑うのをやめたからしゃっくりが出たよ」などと言う。
「それは僕の責任じゃないよ」
と、ドナルドマクドナルドにきちんと言った。
「君のせいだ、なんて一言も言ってないさ。だがしかし支障がない、なんて自覚の話がなかったら、あれほどには笑っていないだろうから、やっぱり君のせいかな」
ドナルドマクドナルドはそう言って再び笑い始めた。
そして、
「箱の角が当たってる痛みはどうするんだい?見た目が変わるかどうかなんてことよりさ」
と、言った。しゃっくりをしながら。


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