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「片づけ本が10年周期でブームが到来する」説

世の中には、片づけに関する本が多く出回っていて、どの本を信じたらいいのか分からない方も多いのではないか。

それぞれの本や片付け方には良いところがあり、自分に合った方法を探すうちに、あれもこれもと本を購入してしまい、読みかけの片づけ本で本棚がいっぱいになっている方もいるかもしれない。

これまでの片づけ本の歴史を振り返ることで、片づけの歴史を見ていきたいと思う。参考にしたのは、「日経ビジネス アソシエ 2012年12月号」やましたひでこさんの記事の中の年表。

【1990年代】「超」整理法(1993年)

言わずと知れた野口悠紀雄さんの「超」整理法。ご存知の方も多いと思うが、「押出しファイリング」という方法が紹介されている。

「押出しファイリング」とは、ファイルの整理の仕方で、本棚があれば、使ったものを必ず棚の右端に入れる。使ったら、右端、使ったら右端としていくと、左端にあるファイルはほとんど使わないものとなる。

使わないファイルを見つけ出す簡単で画期的な方法。

【2000年代】「捨てる!」技術(2000年)

辰巳渚さんの「捨てる!」技術。モノがあふれ始めたころの日本に、積極的に捨てることの重要性を広めた本。「とりあえず、とっておく」は禁句や、
「“仮に”はだめ、“今”決める」など、「捨てるという発想」の基本が書いてある。

このころから「捨てる」という言葉が広まっていった。

【2010年代】断捨離(2009年)

やましたひでこさんの「断捨離」。断捨離という言葉が広まり定着したきっかけとなった本。辰巳さんの本が捨てる技術に対して、断捨離はヨガの考え方と結びつけて、モノを減らすことを心の問題とした本。

断捨離のそれぞれの漢字に意味があり、「断つ」「捨てる」「離れる」からモノとのかかわり方を教えてくれた本。

人生がときめく片づけの魔法(2011年)

また、捨てる際に問題になるのは、何を捨てて何を残すかであるが、「こころがときめくものだけを残す」という基準をあみ出したのが「こんまり」こと近藤麻理恵さんの「人生がときめく片づけの魔法」。

【2020年代】手ぶらで生きる。(2018年)

捨てるの極みがミニマリズムであり、「ミニマリスト」という言葉を広めたのが、ミニマリストしぶさんの「手ぶらで生きる。」。

がらんとした部屋に住み、必要最小限のもので暮らす。ただ、自分が必要と思ったモノにはしっかり理由付けをしたうえで、惜しみなく購入する。一つひとつのモノに対してしっかりと向き合い、無駄なものをもたない方法。

月10万円でより豊かに暮らすミニマリスト生活(2020年)

ミニマリストTakeruさんは3000個以上のモノを捨て、月10万円で暮らせるようになった。モノを捨てることにより人生をリセットし、著作やYouTubeで活躍の場を広げている。

2000年ぐらいから、モノが豊かな時代にあって、断捨離やミニマリストでモノを手放し、減らし、少なく暮らす方法が支持され続けている。

100均のダイソー1号店ができたのが1991年。バブルが崩壊したのも1991年。それまではバブルで、値段が高くてもモノを購入し幸せを感じていた人々が、バブル崩壊によって景気が後退し、モノやお金によって豊かさを追求することができなくなった時代背景が、モノを減らし、心の豊かさを求める方向に人々を向かわせたのかもしれない。

さて、日経アソシエでは「2010年まで」の説の検証だったので、それ以降2020年までを検証してみた。結論は、おおむね10年周期は変わっていないと言ってよいと思う。

このことから伝えたいことは、

❶2030年には新しい片づけ本が出現する可能性が高い。
❷言葉や方法は多少異なるが、確実に「減らす」方向に進んでいる。
❸モノを減らすと良いことがある。

以上、3点である。❷を実践して❸を体験してはどうか。❶を待つには、もう少し時間がかかる。

お気持ちがとてもうれしいです。感謝です。ありがとうございます。