「息子のトリセツ」を読んで思ったこと

さらっと読めました。ほほぅ‥!と思うところもあって、読めて良かった。

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こういう系、いわゆるハウツーみたいな本は、あまり手に取らないのだけど、近所の友人が「面白かった、もっと早く読んでればなー」と言っていたので、同じ息子を持つ母親として、興味が出て借りてきた。

読み始めると早いのだけど、なんせ平行積読型のわたしは読みかけの本がそこかしこにあって、その時の気分で読みかけの本に手を伸ばす。
読みかけの本は満載なのに、さらに図書館でまた違う本を借りてきたりするものだから、タチが悪い。買って手元にある本はいつでも読めるからという理由で順番は後回しになり、友人から借りて家にある本も「早く読んで返さなきゃ‥」と横目で見つつ、気づけばあっという間に時間が経っていて申し訳ない。

さて、本の感想。

男と女の脳がどう違うのかや、その違いがもたらすアレコレについて、脳科学者である著者がわかりやすく書いている。母親が息子をなかなか理解できない理由や「なぜそんなことをするんだい?」的な疑問を、現在進行形の事実に照らし合わせて読むとそういうことなのねーと思って興味深い。

そんな中でわたしが一番面白いなーと思ったのはココ。
息子というよりも、子どもを持つ親全般にへ向けての言葉。

もし、息子や娘が「なんで勉強しないといけないの?」って聞いてきたらこんな風に答えたあげたいと思った。

「あなたはこれから、いろいろな教科を学ぶことになる。算数(これはやがて数学になるわ)、国語、理科、社会‥ そのすべては、この世の見方を学ぶことなの。いくつもの見方を学校は教えてくれる。やがて、そのうちの一つか二つで、人は世の中を見ていく。数学を選ぶ人もいるし、音楽を選ぶ人もいるでしょう。けど、小さいうちは、どれがその人に似合うかわからないから、学校はすべてを教えてくれるの。ものの見方をいくつも手に入れること。勉強はそのためにする」

学校で勉強していると必ずぶつかるこの疑問。
わたしの頃より、今はまだマシなのかもしれないけど、詰め込み暗記型の授業や勉強スタイルたど、必ずこの疑問にぶつかって勉強へのモチベーションがだだ下がりする。

わたしは幸いにも「英語を使って海外の人とコミュニケーションを取りたい」という欲求が出てきて、そこから学ぶ面白さを知っていったのだけど、なぜこれを学ぶのかという理由が自分の中にないと、授業で先生が言っていることは呪文にしか聞こえないだろうし、ずっと授業中に座って話を聞いていないといけないなんて拷問でしかないだろう。

(以前、こんなインタビューをしてもらいました。海外に興味をもったきっかけなどを話してます。よかったらこちらへ

ものの見方を手に入れるために、学ぶ。
こう決めておけば、苦手な教科ほど、無視できなくなる。そこに、自分の持っていない「新たなものの見方」があるからだ。挫折も多いほうがいい。ものの見方がさらに深まるからだ。そして、「なぜ、社会に出たら使いもしない微分積分をやらなきゃいけないのか」なんて疑問を持たなくても済む。
この目標なら、「苦手」も「挫折」もポジティブな方向になり、迷いがなくなる。学ぶものにとって楽なうえに、万能なのである。

わたしは数学が苦手だった。「こんな数式覚えて、一体何の役に立つのか…」という、まさに上記にあるような疑問を数学の授業を受けるたびに思っていた。

だけど、某メーカーに勤める機械の設計開発をしている夫から「微分積分も三角関数も毎日使ってる」という事実を告げられて仰天したのは最近のこと。確かに夫が仕事場から持って帰ってきた計算機は、わたしが見たことも、もはやなんて読むのかすら分からない暗号のような記号が並んでいて、こういう人たちのおかげで今わたしが車に乗ったり、パソコンを使えたりするのね‥!とえらく感動した。

夫が見ている世界
わたしが感じる世界
息子が学んでいく世界
娘が育っていく世界

それぞれ違うと思う。
それは今いる環境、これまでの経験、好き嫌い、何を心地よく感じ何を不快と感じるかが、家族でも違うから。

だから、理解できないことなんて、これまでもこれからもいーーっぱいあると思う。でもそれで良いんだと思う。

多分これからもたくさんつまづくし、悩むし、なんでーーーー???って壁にぶつかるだろうけど、そんな風にして育っていくんだよね、お互いに。

同じであること、均一均等であることってある意味怖いよね。違って良いじゃん。脳みそは一人ひとり違うんだから。そんなことを思った本でした。

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今のあなたには何が見えてるかな。

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