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ひとこと多い朝の「まみむめも」

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朝6時。何があっても朝は来る。朝を迎えたみなさんに。朝の合間に読んでみる他人の戯言。「まみむめも」の経緯はそのうちマガジンの中で話そうかな。
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2020年6月の記事一覧

失くし者

おはよう。

大学の友人に、財布を5回以上紛失したことがあるという人が居た。
彼は、4人ほどでカメラを片手に旅する仲間の一人で、年に数回車を出しては自然の被写体を求めて出かけていた。
カメラといっても、私以外の友人はカッコいいカメラを持っているのだが、私はいかんせんお子様なカメラで参戦していた。
彼らと旅している時に、ふとその一人が告発したのだ。

それを聞いて、私は心底驚いた。
彼が優秀な大学の

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白髪に染める

おはよう。

先日、母親が嬉しそうにこう言った。

「最近、白髪染めしてないんだけど、白髪が減ったと思わない?」

この70歳を目前にした老女は、はたから見ても心が躍っているのがわかった。一人暮らしを終えて実家暮らしになってから、未だに私はこの老女のテンションと自分のテンションのベストな解を掴みきれないでいる。

私の頭にも、幼少期から大事に育てている白髪たちが鎮座している。幼少期に比べたら数は多

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ストレートに物を言う

Good morning

数週間くらい前から、映画館が営業を再開した。
コロナがまだ流行り始めで、自粛モードになっていなかった2月くらいに館で観てから映画館に出向いていない。

久しぶりにと、家で洋画を観た。
観ていたら、「あれ、過去に観たことあるな」と思いながらも結末を忘れてしまっていたので観続けた。

起承転結が細かく散らばめられてあり、リズム良く進む展開に見入っていた。
おっと、ミーハーな

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ゲームとタイピング

おはよう。

少し前から気が向いたときにやっている脳トレゲームがある。
そのアプリは、有料版への勧誘と別のゲームアプリへの勧誘がやたら多い。
そして、別のアプリが思ったより楽しそうでダウンロードしてしまって今に至る。

今や、ゲームはスポーツの一つであり、ゲームでお金を稼げる時代になった。それも、ゲームを作る側ではなく、プレイする側でお金儲けできるようになったのだ。中学生くらいに、家に引きこもって

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茶色いお弁当

おはよう。

学生の頃、「ちびまる子ちゃん」でお弁当を題材にした回があった。なんでも、さくら家のお弁当に色味がなく、茶色いおかずが多い。もっとカラフルなお弁当にしてほしいと、まる子がお母さんにお願いする話だ。
当時の私は心の底から共感して「ねぇ、ねぇ、お母さん」と報告しに言ったのを、今でも覚えている。

我が家のお弁当は、それはもうお洒落とはかけ離れたそれだった。
母のお弁当歴は、私の幼稚園時代と

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究極のおにぎり

おはよう。

中学高校の友達で、白米をよく食べる友達がいた。
彼女の2段弁当の大きな容器は、常に白いお米で埋め尽くされていた。
彼女は笑い上戸なこともあって、みんなの会話を聞いては笑っていたので、お昼休みの時間いっぱい使って白米をたいらげていた。
とはいっても、彼女が大食いだったわけではない。同じテニス部に所属していて、笑い上戸なおかげもあって、腹筋は鍛えられていた。羨ましい。

我が家は、一時を

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好き嫌い

おはよう。

大人になったなと思う瞬間は、食べ物と対峙する時にも感じる。
昔、食べられなかった食べ物が、食べられるようになった時。ただの食わず嫌いだったのか、舌や脳が味に鈍くなったのか、そこまでは今となっては切り分けできない。

かつて、私はたらこと抹茶を食べられなかった。
たらこは、おいしさがわからなかったし、抹茶は色味が食欲を削いだ。
なんというか、子供舌だったのだろう。味が明確な食べ物を好ん

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褒め言葉への返し

おはよう。

アナウンサーの返しって素晴らしいと思う。
そう思ったのは、社会人2年目くらいの時だったと思う。

当時は、返しだけではなくて立ち振る舞いも素晴らしいと思っていた。
特に女子アナは、男尊女卑がタブーとなった今でも、メインの男性MCのサポートという立ち回りの番組が多い。
それでも、ただそっとお人形さんのように立っていれば良いものでもなく、意見を求められるとしっかり発言する。素晴らしいな、

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父の日。

Good morning.

その人は、厳格な人だった。
その人は、論理がまかり通っていないことによく腹を立てた。
その人は、多くを語らなかった。
その人は、自分よりも子供のためにお金を使った。
その人は、歳を重ねると涙もろくなった。

それが、私が見てきた父の背中。

誇りに思っている。

Have a good weekend!

父の卒業証書

おはよう。

先日、ベランダに快適空間を作るため、ベランダの倉庫を掃除した。
(そもそも、ベランダに倉庫があるなんて、なんてセンスのない家なんだと思うところだが。)

あれよあれよと出てくる父の遺品たち…
父が他界してから10年も経つというのに、誰も手をつけてこなかった父の隠れ家的な存在だった倉庫に、私は手を入れたのだ。

かつて、ガラスメーカーの工場の機械現場監督とやらの仕事をしていた父は、大学

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狂った金銭感覚

おはよう。

これは、まずい。
最近、決まった人としか会話していない。
これは、まずい。
数人で飲み屋という場所で他愛のない会話をしていたことが大事だったなんて、こんな状況にならなかったら気付かなかっただろう。

だが、その一方で、外食という出費が抑えられ、快適なstay home生活のためにお金を使うようになった。

その一つが、美味いものお取り寄せだった。

家を出ている姉にも、この生活の中で

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ちょうど良い広さ

おはよう。

「わぁ~すごい!」
「何ですか!この壺は!」

そんな驚嘆した声がテレビの向こう側でキャッチボールされていた。
いや、この手の驚嘆は、正確にいうとボールを投げただけで拾わることはない。
テレビの向こう側で行われていたのは、著名人の広いお部屋に潜入するという企画だ。

ふと、広い部屋ってそんなに良いものなのかと思った。
生まれてすぐ、千葉の戸建てに住んでいた。これは、都内の戸建てとは異

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おやつ

おはよう。

社宅に住んでいた頃、社宅の敷地の広場でよく遊んでいた。
社宅に住んでいない友達が来ることもあったし、社宅に住んでいる同級生やその姉妹と遊ぶこともあった。
その同級生は、ちょっとだけ同志のようなものを感じていた。

彼は小学校2年生の頃に、社宅に越してきた。
細身の彼は、動きがひょろひょろとしていたり、妹がいたおかげもあってシルバニアファミリーのような人形遊びが得意だった。そんなことも

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あぶなっかしい人

おはよう。

先日、足繁く通っている赤ちょうちんが眩しいやきとり屋のママと、とある人の話になった。
その人は、お店の常連さんだ。地元の工場の社長をやっている。妻子がいないせいか、寂しさをアルコールで埋めるように週末になるとお店を何軒も梯子していた。酔うと気性が激しくなることもあり、心ない言葉を投げかけては、別のお客さんとトラブルになることも少なくなかったようだ。
私もよく、その人がお店にいる時間に

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