木曜日の朝に。 41朝
「おはようございます。」
アラームをとめて、もそもそ起きてストーブに火を入れる。ひとつまみの塩をいれた白湯をすすりながら、もっさんもっさんの頭で、卵焼きを焼く。
朝ごはんを慌ただしく食べる娘たちと夫に、お弁当の卵焼きの端切れを出すと
「あ〜久しぶり〜」
と、にこやかにほおばる。
久しぶり。
まぁ、二日ぶり?なのだけれども…。
というのも、
月曜の仕事終わり、帰宅するやいなや、トイレへかけこみ嘔吐して、その後も布団の中で、一晩中、腹痛と悪寒に苦しめられ。
「病院へ行ってきなさい」
と夫に言われ、翌朝、もっさんもっさんにドすっぴんでマスクをして、最強アウター(Fromワークマン)とNIKE上下で病院へ。
長い長い綿棒を「そんなに!?」まで入れられたけれど、検査はすべて陰性で、胃腸炎のお薬をもらって帰ったのでした。
その病院では、次女の同級生のママが働いていて、見た目キツそうで、あまり話したことはなかったけれど、病院へちょくちょく来るうちに親身に優しくしてくれて、私は、すっかり子どもみたいに言うことを聞いてしまう。
「明日もまた熱があったらきてね」
「解熱剤使わずに熱が下がっていれば大丈夫だからね」
こんな弱った時には、優しさが沁みて、好きになってしまいそうになる。イケナイイケナイ…
小さい頃、母は仕事で忙しく、祖母が面倒を見てくれていて、体調が悪くても母は仕事を休まず、私は祖母と一緒にいた。
一緒のお布団で、寝付くまでそばにいてくれたのは祖母で、ふと目覚めたときには、隣には誰もいなかった。
だからか、私には、せめて体調の悪い時にはそばにいて、目が覚めても隣で寝ていてくれる人がいたら幸せだろうな、と憧れがある。
憧れは憧れのままだけれど。
そんな弱気なことを思いながら、ただひたすらにお布団にじっと籠り、ようやっと、梅しそのお茶漬けや、きつねうどんを食べたのが昨日のこと。解熱して、お風呂も入った。
鏡に映った自分の顔を見て、「もう大丈夫」と思ったのは、母がいつも言う「目の力」のことだ。母は、私が体調を崩し、回復してくると「目に力が出てきたね」と言っていた。ちっともピンときていなかったけれど、最近、その意味がちょっと分かる。空洞のような目、とろんとした目、目は口ほどに物を言うとはよく言ったもので、
「うん、目に力が出てきた」
と、鏡の自分を見て思うのだ。
目の奥に宿るもの。生気みたいなもの。
というわけで、いつもの朝と、いつもの卵焼き。久しぶり(二日ぶり)といえば、そう。
今日って、木曜日で合ってますよね?
さぁさ、
そんな今朝は、珍しくクラッシックを♪
雪が降った日や、静かな細かい雨の日、森の奥なんかに似合うこの曲、チェロの音色。
好きな音色。
𝐇𝐚𝐯𝐞 𝐚 𝐧𝐢𝐜𝐞 𝐝𝐚𝐲🎧
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