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社会フ適合育児2

子はまだ自我がはっきりと輪郭を保つ前から、
保育園に預けられている。

わたしにはママ友というものがない。

べつにあえて一匹狼をしているわけでなく、
人と上手く話すことが少し苦手なだけであって、
基本的に人は好きだ。と思う。

ただし、他人の親が他人の子を叱ったりしている場面に遭遇すると
ひどく心がざわざわとするので、
そういう場面が多々起こりうる保育園はあんまり得意でない。

その点パートナーは保育園の父母会の役員(しかも副会長)をしているので、
心底尊敬している。

子は恐竜のプリントがされたTシャツも着るし、
ピンクのひらひらワンピースも着る。

自分で好きに選んだり、選ばなかったりする。

ふと先日のお迎えのとき、
子同士が同じクラスの保護者に声をかけられた。

「うえの子ですか??」

瞬間、わたしは理解が追いつかず固まったが、
すぐにそれが子についてきょうだいがいる前提でかけられた言葉だと察した。

「えっとー・・いえ、ひとりです」

歯切れ悪くわたしが答えると続けて彼女は言った。

「○○な洋服着てるから、異性のきょうだいがいるかと思った!」

あーなるほど。
「親の・・趣味ですかね~」

わたしの答えはわたしの納得するものではなかったけど、
その場の空気を壊したくないがゆえに返答を絞りだした。

子が誕生して以来、既成観念に揺さぶられている。
おとなになって何を選ぶもほとんど自由になったわたしはたぶん、
そういったものから意識的に距離を置いていた。

でも幼子につきまとう「男・女」や「子ども・大人」や
その他諸々の無意識の差別とか区別みたいなものは
そりゃもうかなり顕著だった。

服の色
服のかたち
鑑賞するもの
興味のあるもの
恋愛対象
将来
すきやきらい

あー苦しい。
陸にあげられた魚のような気分・・・

わたしは勝手ながら、
子自身にはずーっとずーーっと、既成観念にとらわれず、
呪縛をかけたり引き受けたりせずに生きてほしいと切に願う。

そんなことを改めて思った保育園の帰り道でした。

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